「渡された共起語のリストは、本文のどこかに一通り入れておかないといけないはず」と考えて書き始めた経験はないでしょうか。制作の現場では今も「共起語を入れてください」という指示がそのまま受け渡されており、共起語は本文に埋める単語として覚えられてきました。ただ、いざ書き始めると、どの語をどこに何回入れれば十分なのか判断がつかないまま、書き進めることになります。
しかし、数多くのSEO記事の構成づくりを手がけてきた弊社の立場から言えるのは、共起語を開く場面を書く前から書いた後へずらすだけで、この単語リストは今でも使えるということです。共起語が示しているのは語彙ではなく、記事が扱うべき論点です。構成ができあがった段階で並べて見比べ、まだ書けていない話題を足していけば、出現回数を数える必要はなくなります。
本記事では、共起語がどんなデータから作られた言葉なのかという整理から、サジェストキーワードとの違い、無料ツールでの調べ方、新規記事とリライトでの使い分けまで、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- 共起語が何のデータから作られた言葉なのか
- サジェストキーワード・関連キーワードとの、取得元から見た違い
- 無料ツールでの調べ方と、出てきた語の仕分け方
- 詰め込みが逆効果になる理由と、代わりに置くべき基準
共起語とは、上位ページが同じテーマを説明するときに共通して使う言葉
共起語(きょうきご)とは、あるキーワードについて書かれた文章に、一緒に登場しやすい言葉を指します。SEOの文脈では、対象キーワードで検索した上位ページ群の本文を集計し、出現頻度の高い順に並べた単語群を呼ぶのが一般的です。
具体例で見るとつかみやすい
たとえば「引っ越し」で上位ページを集計すると、見積もり、業者、料金、単身、荷物、手続き、住所変更といった言葉が並びます。どれも引っ越しを書くなら避けて通れない話題です。
ここで気づいていただきたいのは、並んでいるのは単語でも、実体は上位ページが扱っている論点の一覧だという点。「料金」が上位に来るのは、その話題に触れたページが多かった結果でしかありません。単語は論点の影のようなものです。
共起語は「読者の言葉」ではなく「書き手の言葉」
実務でいちばん誤解されやすいのは、この出どころの話。共起語のもとは、検索した人が入力したクエリではありません。すでに上位にいるページの本文、つまり競合の書き手が選んだ語彙です。
違いは使い方に直結します。共起語だけを頼りに組み立てると、上位ページの平均値に近い記事になるでしょう。競合と同じ話題を同じ言葉で書いた記事に、順位を入れ替える理由は生まれにくい。共起語は追いつくためには使えても、追い抜くには足りない材料なのです。

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サジェストキーワード・関連キーワードとの違い
この3つはまとめて語られがちですが、データの出どころが違うため、答えられる問いも変わります。出どころで並べて見比べるのが早い方法です。
| 共起語 | サジェストキーワード | 関連キーワード | |
|---|---|---|---|
| データの出どころ | 上位表示ページの本文 | 検索窓に入力された実際のクエリ | 検索結果ページにGoogleが並べる語 |
| 表しているもの | 競合の書き手が使った語彙 | 読者が打ち込んだ言葉 | Googleが近いと判断したテーマ |
| 記事での役割 | 書いた後の検算 | 書く前の設計 | 書いた後の展開 |
サジェストキーワードには読者の語彙そのものが出るので、見出しの言葉選びに効きます。関連キーワードのほうは、記事単体よりメディア全体の設計で使うものだといえるでしょう。
3つとも似たようなものだと思って、全部まとめて構成に入れていました。分けて使う意味はありますか。
編集部
出どころが違うので、答えられる問いが違うんです。「読者はどんな言葉で悩みを表すか」はサジェスト、「どこまで説明すべきか」は共起語、「次にどの記事を作るか」は関連キーワード。別々の判断に割り当てると、構成づくりで迷う場面が減りますよ。
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「共起語はもう古い」と言われる理由
共起語を調べると、必ずと言っていいほど「今は古い」という論調に行き当たります。この評価は半分正しく、半分は雑です。何が古くなって何が残っているのかを分けて見ていきましょう。
古くなったのは、出現回数を合わせる使い方
かつての検索エンジンは、ページの内容を推し量る手がかりとして単語の一致度を強く見ていた時期がありました。その時代なら、上位ページと同じ単語を同じ回数入れる作業にも意味があったわけです。
現在の検索エンジンは、単語の一致ではなく文脈から意味を捉えます。加えてGoogleは、順位を操作する目的で単語を詰め込む行為をスパムに関するポリシーで明確に禁止しています。出現回数を目標値として合わせにいく使い方は、もう効きません。
※ キーワードの乱用(キーワードスタッフィング)については、Google 検索セントラルの「スパムに関するポリシー」に記載があります。

残っているのは、論点の抜けを見つける使い方
とはいえ、共起語が示す情報そのものは古くなっていません。上位ページ群が共通して触れる話題という事実は、今でもそのテーマの標準的な守備範囲を表します。
ある共起語が記事にまったく出てこないとき、原因は語彙の不足ではないでしょう。「見積もり」が一度も出てこない引っ越しの記事は、費用の話を書いていないだけ。足りないのは単語ではなく、たいていは論点のほうです。
共起語の価値は「入れると上がる」ではなく「無いと足りていない可能性がある」という向きにあります。加点の材料ではなく、減点の発見装置として扱うと判断を誤りません。
使う場面を「書く前」から「書いた後」へずらすだけで、この道具はまだ働きます。Googleが繰り返し示しているのも、検索エンジンではなく人のために作られたコンテンツを評価する方針です。

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共起語の調べ方
調べ方は大きく2つ。ツールで一括抽出する方法と、上位ページを自分で読んで拾う方法です。実務ではツールで当たりをつけ、読んで精度を上げる組み合わせが扱いやすい。
無料ツールで抽出する
よく使われているのが、ラッコキーワードの共起語抽出ツールです。キーワードを入力すると、上位ページ群の本文から抽出された単語が出現数とともに並びます。

もうひとつ、登録なしで手早く試せるのが共起語検索ツールです。集計対象のページ数や除外語の設定がツールごとに違うため、複数のツールで共通して上位に来る語ほど信頼できます。このほかミエルカSEOやサクラサクラボのように、有料SEOツールの一機能として共起語調査を備えたものもあります。

上位ページを読んで拾う
ツールが返すのは単語であり、文脈は落ちています。「料金」がどのページのどの見出しの下で使われていたかまでは分からない。上位5ページほどの見出しを一覧にして共起語と突き合わせると、その語がどの文脈で登場していたのかが見えてきます。

手間はかかります。ただ、やった記事とやらない記事では構成の精度がはっきり変わる。急ぐときはツールだけで済ませ、事業の柱になるキーワードでは読む。使い分けで足ります。
上位ページに追いつく構成から、その先へ進むには
共起語で埋められるのは、競合がすでに触れている範囲までです。そこから何を足せば選ばれるかは、記事1本ではなくキーワード全体の並べ方しだい。どの順番で何を書くかから組み立てます。
抽出した共起語を記事に活かす手順
ここからが本題です。抽出した単語をどう扱うか、順番に説明します。
出てきた語は、そのテーマなら必ず要る語、記事の型を示す語(費用・比較・ツール名など)、集計に紛れ込んだノイズ(運営会社名やナビゲーションの語)に分かれます。ノイズを先に落とすと判断が速くなります。
狙うキーワードと読者像から、まず自分の頭で構成案を組み立てます。逆にすると、競合の見出しをなぞるだけの構成になりやすいためです。
「必ず要る語」を、どの見出しで扱うか対応させます。見つからない語が、検討すべき抜けの候補です。
単語を差し込むのではなく、その話題を扱う段落や見出しを足してください。書けば単語は自然に入ります。
すべて拾う必要はありません。上位ページが触れている事実は、自分も触れるべき理由にはならないからです。
新規記事なら、構成案が固まった直後に一度だけ入れます。リライトでは順番が変わり、既存記事の本文と最新の共起語を先に突き合わせて、公開後に増えた論点を洗い出す。上位ページの顔ぶれが変われば共起語も変わるため、リライト時の共起語は、時間差の差分検出として読めます。
この突き合わせ、記事ごとに毎回できていますか
仕分けと突き合わせは、1記事あたり数十分は取られる地味な工程です。本数が増えるほど真っ先に省かれ、論点の抜けたまま公開される記事が積み上がっていく。Writers-hubでは、この工程を制作フローに組み込んで記事をお納めしています。
共起語を使うときの注意点
現場でよく見かける失敗です。どれも共起語そのものを目的にしたときに起きます。
- 抽出した語を、文脈と関係のない場所に単語だけ差し込む
- 出現回数を上位ページに合わせにいく
- ノイズを落とさず、運営会社名やナビゲーションの語まで拾う
- 共起語に合わせて、記事の狙いや読者像を後から書き換える
- 上位ページが触れていない話題を、共起語に無いという理由で削る
最後の項目は、とりわけ損が大きい。共起語は上位ページの写しですから、そこに無い話題は「まだ誰も書いていない話題」でもあります。独自の見解や自社で得た実感が共起語に出てくることは、当然ありません。削る前に、それが記事の価値の中心ではないか確かめてください。
共起語の網羅率を制作の合格基準に置くと、書き手は語を入れる方向へ最適化します。結果として、読みにくく、どこかで読んだような記事が量産されていく。基準にするなら網羅率ではなく、「その語を扱う見出しがあるか」にしてください。
共起語が上位ページ次第で変わる、時点のデータである点も見落とせません。半年前のリストを使い回すと、すでに関心から外れた論点を追いかけることになります。
どうしても記事に入らない共起語があります。無理にでも入れたほうがいいでしょうか。
編集部
入れなくて大丈夫です。それより、その語が扱う話題を書かないと決めた理由を、一度言葉にしてみてください。理由が出てくるなら判断として成立していますし、出てこないなら、そこが検討し忘れていた抜けです。
共起語についてよくある質問
制作の現場で受けることの多い質問です。
個数の目標は置かないことをおすすめします。抽出した語のうち必ず要る語について、対応する見出しがあるかどうかで判断してください。見出しさえ揃っていれば、単語は書く過程で自然に入ります。
集計対象にする上位ページの数、除外する語の設定、単語の切り出し方がツールごとに異なるためです。複数のツールで共通して上位に来る語ほど、そのテーマの中心に近いと考えられます。
「きょうきご」と読みます。英語では co-occurrence words と表記され、もとは自然言語処理で「同じ文脈に一緒に現れる語」を指す用語です。
効果を期待するのは避けたほうがよいでしょう。太字は読者が要点を拾うための手段であって、共起語だからという理由で付ける必要はありません。
質問の多くは「どれだけ入れるか」に集まります。ただ、共起語で決まるのは量ではなく、書くべき論点が揃っているかどうか。軸を量から範囲へ移すと、迷いは減るはずです。
どこから手をつけるか、決めきれていない方へ
共起語の使い方は整理できても、今のメディアで何を優先すべきかは別問題です。現状のサイトと目標をうかがい、先に取り組むことがあればそこからお伝えします。
まとめ
共起語は上位ページ群が共通して使う言葉であり、その正体は、それらのページが扱う論点の一覧です。読者の言葉ではなく競合の言葉である以上、そのまま並べても平均的な記事にしかなりません。

共起語は書く前ではなく、構成ができた後に開くもの。ノイズを落とし、必ず要る語を選び、対応する見出しがあるかを確かめ、抜けを論点として補う。この順番を守るだけで、単語を数える作業から解放されます。
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