「SEO対策の項目をひとつでも多く片付ければ、検索順位は上がるはず」。ネットで検索すると「SEO対策 チェックリスト」といった記事が数多く見つかり、並んでいる項目をこなせば順位が上がると紹介されていることが多いため、そう考えている担当者の方も多いでしょう。ところが、項目を直し終えても順位が動かないという相談は、弊社にもたびたび寄せられます。
しかし、弊社はこれまで、順位が伸び悩む企業サイトの記事を数多く見直し、公開後の書き直しまで担当してきました。そこから言えるのは、順位を上げる施策は、ページが今いる順位帯で変わるということです。検索結果にまだ出ていないページと、2ページ目で止まっているページでは、直すべき場所がそもそも違います。
本記事では、Search Consoleで今の順位を読む方法から、順位帯ごとに選ぶ5つの施策、効果の確かめ方、避けたい行為まで、記事の制作と改善を請け負う制作会社の視点で順にお伝えします。
- 検索順位が決まる3つの段階と、順位がキーワードごとに付く理由
- Search Consoleで今の順位を正しく読む方法と、平均掲載順位の注意点
- 圏外・21位以下・11〜20位・4〜10位・1〜3位で選ぶ5つの施策
- 施策の効果を確かめる期間と、変更日を記録して比べる手順
- 順位を上げたいときに避ける4つの行為と、外部に頼むかの線引き
SEO対策で検索順位が上がる仕組み
Googleの検索結果は、3つの段階を経て作られます。クローラーと呼ばれる自動プログラムがページを見つけて読み込む「クロール」、読み込んだ内容をGoogleのデータベースに保存する「インデックス登録」、検索されたときに検索語句に関連するページを並べて返す「検索結果の表示」です。順位が付くのは3つ目の段階です。
順位を上げるうえで押さえておきたいのは、順位はサイトやページに1つ付くものではなく、検索キーワードごとに付くという点です。同じページでも、あるキーワードでは3位、別のキーワードでは40位ということが普通に起こります。「このページの順位を上げたい」と考えるより、「このキーワードで、このページの順位を上げたい」と組み合わせで考えるほうが、選ぶ施策を絞り込めます。
なお、順位をお金で買う方法はありません。Googleの公式ページにも、ランキングの決まり方について次のように明記されています。
Google は、ページの掲載順位を上げるために金銭を受け取ることはありません。ランキングはプログラムによって決定されます。
※ 出典:Google 検索セントラル「Google の検索エンジンの仕組み、検索結果と掲載順位について」
順位はキーワードとページの組み合わせごとに付きます。施策を選ぶ前に、どのキーワードで、どのページが、今何位にいるのかを1行ずつ書き出すところから始めましょう。
段階の詳しい中身は、SEOの仕組みの解説記事で扱っています。
順位を上げる前に確かめる今の位置
今の順位を確かめるには、Googleが無料で提供しているSearch Consoleの「検索パフォーマンス」レポートを使います。自分で検索して順位を目で数える方法もありますが、検索する人の地域や端末で結果が変わるため、施策を選ぶ材料には向きません。
クエリとページを組み合わせて見る
レポートを開いたら、「クエリ」のタブで狙っているキーワードを選び、そのうえで「ページ」のタブに切り替えます。こうすると、そのキーワードでどのURLが表示され、平均何位にいるかが分かります。
ここで見落とされがちなのが、ページ単位の平均掲載順位は、複数のキーワードの順位を混ぜた値だということです。3位のキーワードと40位のキーワードを持つページは、平均すると20位前後に見えます。平均だけを見て「2ページ目のページだ」と判断すると、3位のキーワードを守る施策も、40位のキーワードを上げる施策も選べません。

平均掲載順位の数え方
平均掲載順位の数え方について、Search Consoleのヘルプには次のように書かれています。
掲載順位が記録されるためには、そのリンクが実際に表示されなければなりません。
※ 出典:Search Console ヘルプ「表示回数、掲載順位、クリック数とは」

つまり、4ページ目にあるページは、誰かが4ページ目まで見たときにしか順位が記録されません。表示回数が少ないキーワードほど平均掲載順位は安定しないため、施策を選ぶときは表示回数と順位を並べて読みます。順位の調べ方そのものは、Google検索で順位を調べる方法にまとめています。
今の順位帯で選ぶ5つの施策
キーワードとページの組み合わせごとに今の順位が分かったら、順位帯で分けます。検索結果の1ページ目にはおおむね10件の検索結果が並ぶため、本記事では次の5つに区切って施策を選びます。
| ページの状態 | 最初に打つ施策 | 確かめる場所 | |
|---|---|---|---|
| 圏外 | 検索結果に出ていない | インデックス登録の確認 | URL検査 |
| 21位以下 | 関連はあるが答えがずれている | 答えの型の見直し | 上位10件の見出し |
| 11〜20位 | 答えは合っているが足りない | 足りない内容の追加 | 上位との内容の差 |
| 4〜10位 | 1ページ目に入っている | タイトルと独自情報 | クリック数と上位3件 |
| 1〜3位 | 上位にいる | 情報の更新と監視 | 表示回数とクリック数 |
※ 1ページ目の件数は、広告や画像、動画などの表示のされ方によって前後します。

圏外のページはインデックスの確認
検索結果にまったく出ていないページは、内容を直しても順位は付きません。Search Consoleの「URL検査」で、インデックスに登録されているかを先に確かめます。登録されていなければ、noindexの設定、正規URLの指定、robots.txtでのブロックといった技術面の原因を疑います。状態ごとの見分け方は、Googleにインデックスされない原因の解説記事を参考にしてください。
21位以下は答えの型の見直し
登録はされているのに21位より下にいるページは、多くの場合、検索した人が求める答えの型とページの内容がずれています。狙うキーワードで実際に検索し、上位10件が手順、比較、一覧、定義のどの型で答えているかを並べてみましょう。上位の大半が手順を示しているのに自社のページが用語の説明だけなら、書き足すより構成から作り直すほうが早く動きます。
上位10件が大手の比較サイトや公的機関で占められている場合は、キーワードそのものを絞り直す判断もあります。また、同じキーワードで自社の複数のページが入れ替わって表示されている場合は、ページ同士が評価を分け合っている可能性があります。その場合はカニバリゼーションの解消方法を先に確かめます。
11〜20位は足りない内容の追加
11〜20位は検索結果の2ページ目にあたり、答えの型は合っているが、上位と比べて内容が足りない状態であることが多い順位帯です。上位のページが扱っていて自社のページにない論点を洗い出し、見出しを足します。あわせて、同じテーマの自社記事から、中身が分かるリンク文でこのページへ内部リンクを集めます。
記事の書き直しを請け負う立場でも、対象を選ぶときはこの順位帯を最初に見ます。2ページ目の記事は、新しく1本書くより少ない手間で1ページ目に届くことがあるためです。進め方はSEOのリライトの解説記事で詳しく扱っています。
4〜10位はタイトルと独自情報の見直し
1ページ目に入ったページは、順位を上げる施策と、今の順位のままクリックを増やす施策を分けて考えます。後者はタイトルと説明文の書き換えで、検索結果に並んだときに内容が伝わる言葉に直します。書き換え方はSEOのクリック率の解説記事にまとめています。
上位3件との差を詰めるには、ほかのページにない情報を足します。自社の作業手順、実際の写真、担当者の経験、自社で集めた数字などです。一般論だけで作られたページが上位3件に入り続けるのは難しいと、記事の書き直しを重ねてきた立場から実感しています。
1〜3位は情報の更新と競合の監視
上位にいるページは、順位を上げるより保つ施策を選びます。制度の改正や価格の変更など、内容が古くなった箇所を直し、競合が新しく出したページを定期的に確かめます。順位は変わらないのにクリック数だけが減っている場合は、検索結果の見え方が変わった可能性があるため、表示回数とクリック数を並べて確かめましょう。
順位を上げるページの選び方と手順
順位帯ごとの施策が分かっても、全ページを同時に直せる会社は多くありません。直すページは、順位帯と、そのキーワードが問い合わせにどれだけ近いかの2つで選びます。
SEOツールの診断で出た改善項目は全部直したのに、順位が動きません。ほかに何をすればいいのでしょうか。
編集部
診断で出る項目を直すこと自体は、無駄ではありません。ただ、診断はサイト全体の技術面を見るもので、キーワードごとに答えがずれているかどうかまでは教えてくれません。まずSearch Consoleで、問い合わせにつながるキーワードが今どの順位帯にいるかを書き出してみましょう。
選んだページは、次の5つの手順で直していきます。
Search Consoleの検索パフォーマンスから、クエリとページの組み合わせを表計算ソフトに書き出します。表示回数、クリック数、平均掲載順位の3列を残しておきます。
一覧の各行に、圏外、21位以下、11〜20位、4〜10位、1〜3位のどれに当たるかを書き込みます。表示回数がごく少ない行は順位が安定しないため、判断を保留する印を付けます。
サービス名や料金、比較など、検索した人が依頼や購入を検討しているキーワードに印を付けます。直す順番は、問い合わせに近く、かつ11〜20位にあるページが先です。
選んだページに、順位帯ごとの施策を1つだけ当てます。タイトルの変更と内容の追加を同時に行うと、どちらが効いたのか分からなくなります。
一覧に変更日と変更内容の列を足し、書き込みます。次の章で説明する効果の確かめ方は、この記録があって初めて使えます。
手順の3つ目で迷うのが、問い合わせに近いキーワードと、順位を上げやすいキーワードが一致しない場合です。問い合わせに近いキーワードほど競合が強いことが多く、自社の体力で上位を狙えるかどうかは、上位の顔ぶれを1件ずつ調べてからでないと判断できません。
どのページを、どの順位帯の施策から直すか決めきれていませんか
Writers-hubのSEO・AI検索対策では、サイトの構造や検索順位、競合、技術面の課題を洗い出す現状診断から始めます。そのうえで施策の優先順位とロードマップを設計し、技術面の改善やコンテンツ制作、効果測定までを一貫して担います。
施策の効果を確かめる期間と見方
施策を実行してから順位に表れるまでには、時間がかかります。Googleのスターターガイドにも、確かめる時期の目安が次のように示されています。
変更した結果が Google 側に反映されるまでにはある程度の時間がかかります。数時間かかる変更もあれば、数か月かかる変更もあります。一般的には、数週間待ってから Google 検索の検索結果に良い影響があったかどうか確認することをおすすめします。
※ 出典:Google 検索セントラル「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」

効果を確かめるときは、変更日の前と後で、同じ長さの期間を比べます。Search Consoleの期間の設定では2つの期間を並べて比較できるため、変更前の4週間と、変更から数週間たった後の4週間を並べるのが基本の形です。

比べるときに確かめる項目は次のとおりです。
- 同じキーワードとページの組み合わせで比べているか
- 変更前と変更後の期間の長さがそろっているか
- 期間中に、ほかのページの変更や季節による需要の増減がなかったか
- 順位だけでなく、表示回数とクリック数も並べて見ているか
順位が上下に揺れる時期は、変更の良し悪しを決めずに待つのが基本です。待つべき変動と対処すべき変動の見分け方は、SEOの順位変動の解説記事で扱っています。
順位を上げたいときに避ける4つの行為
順位を早く上げたいときほど、Googleが禁じている方法や、効果がないと明言している方法に手を出しやすくなります。注意したいのは、悪意なく続けている作業がこの一覧に入っているケースです。
- 順位を上げる目的で、お金や物と引き換えにリンクを設置してもらう
- 1ページに同じキーワードを不自然に何度も詰め込む
- 独自の情報がない記事を、検索での露出だけを狙って大量に公開する
- 内容を変えずに、公開日や更新日だけを新しい日付に書き換える
上の3つは、Googleのスパムに関するポリシーで、リンクスパム、キーワードの乱用、大量生成されたコンテンツの不正使用として挙げられている行為です。

4つ目の日付の書き換えは、Googleの「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」というページで、見直しが必要な作り方の例として挙げられています。同じページには、Googleが優先する文字数という設定は存在しないことも書かれています。文字数を増やすことや日付を新しくすることは、それ自体では順位を上げる施策になりません。
自社で進めるか外部に頼むかの線引き
順位帯ごとの施策は、自社だけでも進められます。どこまでを社内で担い、どこから外部に頼むかは、次の3つの選択肢から選ぶのが現実的です。
| 自社だけで進める | 記事の制作だけ外注する | 診断から外部と分担する | |
|---|---|---|---|
| 向いている状況 | 担当者が毎週数字を見られる | 直すページは決まっている | 何から直すか決まっていない |
| 順位帯の判定 | ○ 社内で行う | △ 社内で行う | ◎ 外部と一緒に行う |
| 内容の追加と書き直し | △ 社内の時間しだい | ◎ 外部が書く | ◎ 外部が書く |
| 社内に残るもの | ◎ 判断の経験 | △ 記事 | ○ 判断の基準と記事 |
| 費用 | ◎ 人件費のみ | ○ 記事の本数に応じる | △ 診断と制作の両方 |
Search Consoleを毎週見られる担当者がいて、書き直しに毎月まとまった時間を割けるなら、自社だけで進めるのが最も費用を抑えられます。一方、兼任の担当者だけで進めると、11〜20位の記事を書き直す時間が確保できず、一覧を作ったところで止まることがよくあります。
外部に頼む場合でも、順位帯の判定だけは社内の担当者が一緒に見ておくと、施策の良し悪しを自社で判断できるようになります。
11〜20位の記事を書き直す時間が、社内で取れていませんか
Writers-hubの記事コンテンツの制作支援では、キーワード戦略の設計から記事の制作、公開後の効果測定と書き直しの提案までを担います。編集者やライター、監修者のチーム編成も含め、書き直しを毎月続けられる体制を一緒に整えます。
SEO対策の順位アップでよくある質問
順位を上げる施策について、よく寄せられる質問に短く答えます。
施策の種類によって変わります。タイトルの書き換えなど既存ページの修正は数週間で変化を確かめられることがありますが、新しく公開した記事は数か月単位で見ておくのが安全です。Googleも、数週間待ってから結果を確かめるよう勧めています。
上がりません。Googleは掲載順位を上げるために金銭を受け取ることはないと公式に説明しており、広告の枠と通常の検索結果の順位は別に決まります。
文字数そのものでは上がりません。Googleは優先する文字数という設定は存在しないと明記しています。上位のページにあって自社のページにない内容を足した結果として、文字数が増えるのは問題ありません。
まず、下がったのが特定のキーワードだけか、サイト全体かを分けて確かめます。原因の切り分け方は、順位が下がったときのフローチャートを参考にしてください。
施策を選ぶだけなら、Search Consoleで足ります。競合の順位を毎日追いたい場合や、狙うキーワードが数百を超える場合は、有料の順位チェックツールを検討するとよいでしょう。
まとめ|順位は施策の数より今いる位置で選ぶ
SEO対策で順位を上げるとき、施策の一覧を上から順に片付けても、ページが今いる順位帯に合っていなければ順位は動きにくいままです。順位はキーワードとページの組み合わせごとに付くため、まずSearch Consoleで今の位置を確かめ、順位帯に合った施策を1つずつ当てていきましょう。
押さえておきたいのは3点です。圏外ならインデックスの確認、21位以下なら答えの型の見直し、11〜20位なら足りない内容の追加というように、順位帯で最初に打つ手を選ぶこと。直すページは問い合わせへの近さで順番を決めること。変更日を記録し、前後の同じ長さの期間を比べて効果を確かめることです。
私たち合同会社Writers-hubは、キーワードの設計から記事の制作、公開後の書き直しまでを請け負っています。どのページをどの順位帯の施策から直すかの判断から、一緒に進めることもできます。
自社のページが今どの順位帯にいるか、一度一緒に確かめませんか
Search Consoleの数字をもとに、問い合わせに近いキーワードが今どの順位帯にいて、最初にどのページを直すとよいかを整理するところからお手伝いします。オンラインで30分程度、費用はかかりません。







