「集客を増やすには、まずSNSや広告、記事など、使う施策を決めればよさそう」。施策にはそれぞれ始め方の手順があり、すぐに手を動かせるため、集客は施策選びから始まるものと思われがちです。ところが、集客はマーケティングの一部で、集める人数は売上目標と、問い合わせから受注までの割合で決まります。施策を選ぶのは、集める人数と、集めたい相手が依頼先を探す場面を決めた後です。
本記事では、集客とマーケティングの違いから、集める人数の逆算、施策の選び方、目標に届かないときの見直し方まで、記事を作る制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- 集客はマーケティングの一部で、見込み客を集める工程にあたる
- 集める人数は、売上目標を受注額と段階ごとの割合で割り戻して出す
- 施策は、集めたい相手が課題を自覚しているかと、依頼先を探す場面で選ぶ
- 目標に届かないときは、想定より割合が低い段階から直す
集客とマーケティングの違い
集客とマーケティングの違いは範囲にあり、集客はマーケティングの中の、見込み客を集める工程です。マーケティングは、誰に何をいくらで売り、どう届けて買ってもらうかまでを決める活動全体を指します。
米国マーケティング協会(AMA)は、マーケティングを「顧客、依頼主、パートナー、そして社会全体にとって価値のある提供物を、創造し、伝達し、提供し、交換するための活動、一連の制度、およびプロセス」と定義しています。集客が受け持つのは、定義にある「伝達」で、提供物を知ってもらい、買いそうな人を集める工程です。

※ 出典:American Marketing Association「Definitions of Marketing」(日本語は弊社訳)
集客とマーケティングを比べると、次の表のとおりです。
項目 | 集客 | マーケティング |
|---|---|---|
範囲 | 見込み客を集める工程 | 商品、価格、届け方、集客を含む活動全体 |
決めること | 誰にどこで知ってもらい、どう集めるか | 誰に何をいくらで、どう売るか |
成果を測る数字 | 訪問数、問い合わせ数、来店数 | 売上、利益、顧客数 |
「集客マーケティング」という言い方は、マーケティングのうち、見込み客を集める施策の部分を指して使われます。

集客の目標を売上目標から決める理由
集客の目標を売上目標から決めるのは、集めた人数が同じでも、受注に至る割合と受注額によって売上が変わるからです。売上は、集めた人数に、受注に至る割合と1件あたりの受注額を掛けた金額になります。

集客の数だけを目標にすると、受注しない人を集めても目標を達成したことになります。たとえば訪問数を目標にして、商品と関係の薄い話題の記事で読者を増やすと、訪問数は増えても問い合わせは増えません。
集客の目標は、売上目標から逆算した問い合わせや来店の数で置きます。
集客の目標を決めて施策を選ぶ3つの手順
集客の目標と施策は、必要な問い合わせ数を逆算し、集める相手と探す場面を決めてから施策を選ぶ、3つの手順で決めます。施策を最初に決めないのは、集める人数と相手が決まらないと、施策ごとの向き不向きを比べられないからです。
必要な問い合わせ数の逆算
必要な問い合わせ数は、売上目標を1件の受注額で割って受注数を出し、受注数を段階ごとの割合で割り戻して出します。売上目標をKGI、段階ごとの数をKPIとして置く場合も、同じ計算になります。
月の売上目標を、1件あたりの平均の受注額で割ります。
受注数を、商談から受注に至る割合で割ります。
商談数を、問い合わせから商談に進む割合で割ります。
問い合わせ数を、サイトの訪問から問い合わせに至る割合で割ります。
たとえば月の売上目標が300万円で、1件の受注額が30万円なら、受注は月10件必要です。商談から受注に至る割合を25%、問い合わせから商談に進む割合を50%と置くと、商談は40件、問い合わせは80件になります。訪問から問い合わせに至る割合を1%と置けば、必要な訪問は月8000件です。
例の割合は計算の形を示すために置いた値で、実際の割合は業種や商品、受注額で大きく変わります。自社の過去の問い合わせと受注の記録から出した割合を使ってください。
過去の実績が少なくて、段階ごとの割合がわかりません。それでも逆算できますか?
編集部
逆算はできます。割合は仮の値で置いて始め、1〜3か月分の実際の数が集まったら置き換えてください。仮に置いた割合を書き残しておくと、目標に届かなかったときに、どの段階が想定と違ったのかを比べられます。
集める相手と探す場面の特定
集める相手は、受注した顧客のうち、受注額が大きい顧客や取引が続いている顧客と、業種や担当している仕事が同じ人に絞ります。同じ集客の数でも、受注額が大きく取引が続く顧客を集めるほうが、売上が大きくなるためです。
探す場面は、受注した顧客に、依頼先をどこで知り、依頼の前に何で調べたかを聞いて決めます。
場面を分ける境目は、相手が自分の課題を自覚し、言葉にして検索できるかです。課題を自覚している相手は「記事 外注 費用」のように課題を検索窓に打つので、検索結果に出る記事や検索広告で集められます。課題を自覚していない相手は検索しないため、SNSや広告、展示会、紹介など、検索の外で知ってもらう施策が要ります。
検索で集められるのは、課題を自覚して言葉にできる相手だけです。問い合わせフォームに「何で知ったか」を選ぶ欄を設けると、新しい問い合わせからも、相手が通った場面を集められます。

探す場面に合う施策の選定
施策は、集める相手が依頼先を探す場面に置けるものの中から、逆算した問い合わせの数を期限までに集められるかで選びます。施策ごとに、届きやすい相手と数が出るまでの早さ、止めたときの数の動きが違うためです。
| 届きやすい相手 | 数が出るまで | 止めたとき | |
|---|---|---|---|
| 記事(SEO) | 課題を検索する人 | 検索結果の上位に表示されるまで時間がかかる | 順位が保たれる間は読まれる |
| 検索広告 | 課題を検索する人 | 広告の審査を通ると表示される | 表示が止まる |
| SNS広告・ディスプレイ広告 | 課題を自覚していない人も含む | 広告の審査を通ると表示される | 表示が止まる |
| SNSの投稿 | 課題を自覚していない人も含む | フォロワーが増えるまで時間がかかる | 新しい人に届きにくくなる |
| 展示会・セミナー | その分野に関心がある人 | 開催日に集中する | 次の開催まで増えない |
| チラシ・DM | 配る地域や名簿の人 | 配った直後に集中する | 届かなくなる |
| 紹介 | 既存顧客の知り合い | 既存顧客の数で決まる | 紹介元との関係が続く間は続く |
期限が近く、数か月のうちに問い合わせが要るなら、審査を通れば表示が始まる検索広告や、日程の決まった展示会を先に使います。期限に余裕があり、広告費をかけ続けずに問い合わせを集めたいなら、記事を書きためます。オンラインの施策を組み合わせる順序は、ネット集客とは?主要手法の選び方と成果につなげる設計の考え方を解説で扱っています。
記事で集めると決めたら、どのキーワードから書くか決まっていますか
課題を検索する相手を記事で集めるなら、相手が検索窓に打つキーワードのうち、問い合わせに近いものから書く順番を決めます。Writers-hubの「記事コンテンツの制作支援」では、書く順番を決めるKW戦略の設計と、記事を出し続ける制作体制づくりをお手伝いします。
集客の目標に届かないときの見直し方
集客の目標に届かないときは、集める数を増やす前に、段階ごとの実際の割合を逆算で置いた割合と比べ、差が大きい段階から直します。訪問から問い合わせに至る割合が低いままなら、施策を増やして訪問を集めても、問い合わせはその低い割合でしか増えないからです。
段階ごとの数のうち、問い合わせの数は、GA4で問い合わせの完了をイベントとして計測し、キーイベントとしてマークを付けると数えられます。商談と受注の数は、営業の記録から月ごとに数えます。GA4の設定の手順は、GA4のコンバージョン設定|キーイベントの作り方と計測されないときの対処で扱っています。
数や割合が想定より低くなる段階は4つあり、段階ごとに考えられる原因と直すところは次の表のとおりです。
想定より低い段階 | 考えられる原因 | 直すところ |
|---|---|---|
訪問数 | 施策が相手の探す場面に置けていない、本数や予算が足りない | 施策の選び直し、本数や予算 |
訪問から問い合わせ | ページに問い合わせる理由や方法が書かれていない | 問い合わせへの案内とフォーム |
問い合わせから商談 | 集めた相手が、集めたい相手とずれている | 集める相手と施策 |
商談から受注 | 商品や価格、提案が相手の課題に合っていない | 商品、価格、営業の提案 |
集める数を増やすべきなのは、割合が想定どおりで訪問数だけが足りないときです。商談から受注の割合が低いときは、集客の施策を変えても受注は増えず、商品や価格、提案というマーケティング全体の見直しになります。訪問から問い合わせの割合を上げる手順は、CVR改善の施策と進め方|上がらない原因の切り分けと着手する順番で扱っています。
集客とマーケティングでよくある質問
集客とマーケティングについて、よく聞かれる質問に3つ答えます。
集客と販促は何が違う?
販促(販売促進)は、集まった人や既存の顧客に買ってもらうための働きかけで、集客は買いそうな人を集めるまでを指します。店頭の案内や購入時の特典は販促にあたります。集客も販促もマーケティングの一部で、集客で集めた人に販促で買ってもらう順につながります。
店舗の集客でも同じ手順で考えられる?
店舗の集客も同じ手順で考えられ、問い合わせ数を来店数に、受注額を客単価に置き換えます。近くの店をGoogleマップで探す人もいるため、施策を選ぶ手順では、Google検索やGoogleマップに店の情報を出せるGoogleビジネスプロフィールも候補に入れます。
集客は自社と外注のどちらでやる?
集客を自社でやるか外注するかは、施策を続ける人の時間が社内にあるかと、期限までに必要な数で決めます。記事は書きためて検索からの入口を増やす施策なので、社内で書き続ける人がいなければ、数が出る前に止まります。
外注するときも、問い合わせの目標数は自社で決めて伝えます。逆算した問い合わせ数を伝えると、依頼先と成果の基準をそろえられます。
まとめ|集客は施策より先に集める人数を決める
集客はマーケティングの一部で、見込み客を集める工程です。集める人数は、売上目標を受注額と段階ごとの割合で割り戻して出し、施策は、集めたい相手が課題を自覚しているかと依頼先を探す場面で選びます。
目標に届かないときは、段階ごとの実際の割合を逆算で置いた割合と比べ、差が大きい段階から直します。商談から受注の割合が低いなら、集客の外にある商品や価格、提案を見直します。
私たち合同会社Writers-hubは、記事で集客する企業に向けて、「記事コンテンツの制作支援」を行っています。
逆算した問い合わせの数に、今の記事の本数で届きそうですか
必要な訪問数に対して記事が足りないなら、記事を社内で出し続ける仕組みが要ります。Writers-hubの「記事コンテンツの制作支援」では、弊社が毎日記事を公開している制作の型をお渡しし、社内で記事を出し続ける体制づくりをお手伝いします。







