「サイトのSEOは、タイトルタグとサイトマップを設定すれば整う」。CMSやホームページ作成ツールの管理画面にはSEOの設定欄が並んでいるため、SEO対策はページごとに項目を埋める作業だと受け止める方は多いはずです。
しかし、これまで企業サイトの記事を企画から制作まで数多く担い、設定欄を埋めても狙った検索語で自社のページが出てこないサイトを見てきた弊社の立場から言えるのは、サイトのSEOは、どの検索語にどのページで答えるかを決めるところから始まるということです。設定欄の項目は、その対応が決まって初めて、効いているかどうかを確かめられます。
本記事では、Googleがサイトを評価する仕組みから、キーワードとページの対応表の作り方、技術面とページ内の確認項目、成果の確かめ方までを、記事制作の現場の視点で順を追ってお伝えします。
- サイトのSEOは、ページごとの設定より先に検索語とページの組み合わせを決める作業であること
- 対応表を作る4つの手順と、1つの検索語に2ページで答えてしまったときの直し方
- noindexの外し忘れやサイトマップの未送信など、ページが検索に出ない原因を確かめる7項目
- メタキーワードの設定や文字数の調整は順位に効かず、同じ検索語の繰り返しはスパムにあたるおそれがあること
- Search Consoleで狙ったページと違うページが表示されていたら、対応表を見直す合図になること
サイトのSEOとは?ページ単位の対策との違い
サイトのSEO(検索エンジン最適化)は、サイト全体を検索エンジンと利用者の両方にとって分かりやすく整え、検索結果から訪問を集める取り組みです。1ページのタイトルや本文を直す作業も含みますが、それだけでは終わりません。
検索結果に表示されるまでの3段階
Googleの検索結果にページが表示されるまでには、3つの段階があります。まずクローラーと呼ばれるプログラムがリンクやサイトマップをたどってページを見つけ(クロール)、次に内容を解析して登録し(インデックス)、最後に検索語ごとに表示する順番を決めます(ランキング)。

GoogleのSEOスターターガイドには、新しいページは主にクロール済みのページからリンクをたどって見つけていると書かれています。つまり、どこからもリンクされていないページは、見つけてもらうまでに時間がかかります。
ページ単位とサイト単位で見るものの違い
ページ単位の対策では、1ページのタイトル、見出し、本文を見ます。一方でサイト単位の対策では、どの検索語をどのページが受け持つか、ページ同士をどうリンクでつなぐか、どのURLを検索に出すかを決めます。ページ単位の作業をどれだけ丁寧に進めても、受け持ちが決まっていなければ、直したページが狙いの検索語で表示されるとは限りません。
サイトのSEO対策を構成する領域
サイトのSEO対策は、一般に技術面・コンテンツ・外部の3つの領域に分けて説明されます。それぞれが受け持つ役割は次のとおりです。
領域 | 目的 | 主な作業 |
|---|---|---|
技術面(内部対策) | ページを見つけてもらい、正しく登録してもらう | サイトマップ、HTTPS化、スマートフォン対応、正規URLの指定 |
コンテンツ | 検索した人の疑問に答え、選ばれる | 検索語の調査、ページの企画と執筆、古い情報の更新 |
外部 | ほかのサイトから紹介される | 被リンクや社名の言及につながる情報発信 |
3つの領域のうち、技術面は評価を上げるより、見つからない・登録されない状態を防ぐ役割が中心です。順位の差がつくのはコンテンツの領域で、外部からの紹介も、紹介したくなる中身があって初めて集まります。
サイトの種類(コーポレートサイト、ECサイト、オウンドメディアなど)ごとの優先順位は、WebサイトのSEOをサイトの型別に整理した記事で詳しく扱っています。
キーワードとページの対応表の作り方
対応表とは、狙う検索語のまとまりごとに、答えるページを1つずつ割り当てた一覧です。対応表が無いまま運用すると、サイトでは2つの問題が起きやすくなります。
1つは、トップページにすべての検索語を詰め込む問題です。サービス名、地域名、悩みの言葉をトップページのタイトルと本文に並べても、1ページで答えられる疑問には限りがあります。もう1つは、似たテーマの記事が増えて、同じ検索語に2ページ以上で答えてしまう問題です。担当者が交代しながら数年ブログを続けてきたサイトでは、後者が起きやすくなります。
サービス名、顧客が抱える悩み、比較の言葉、地域名などを書き出します。Search Consoleの検索パフォーマンスに表示される検索語や、Googleキーワードプランナーの候補も材料になります。
同じ答えで満たせる検索語をまとめます。迷ったら2つの語を実際に検索し、上位10件の顔ぶれがほぼ同じなら同じまとまりとして扱います。
既存のページで答えられるなら割り当て、無ければ新しく作るページの一覧に入れます。1つのページに複数のまとまりを割り当てないことが基本です。
サービスページの下に関連する記事を置き、記事からサービスページへリンクを張るなど、対応表の組み合わせをそのままサイトの構造に写します。
検索上位の顔ぶれで判定する方法は、記事の企画でも欠かせない確認です。検索語の文字が似ていても、上位に並ぶページの種類がまったく違う組み合わせは珍しくありません。検索語を分けるかまとめるかは、言葉の似方ではなく検索結果の似方で決めます。

対応表に書く5つの列
対応表は表計算ソフトで作れます。列は次の5つで足ります。
列 | 書く内容 |
|---|---|
検索語のまとまり | 検索意図が同じ検索語をまとめたもの |
代表の検索語 | まとまりの中で最も検索されている語 |
答えるページ | 割り当てたページのURL。無ければ空欄 |
ページの状態 | 「そのまま使える」「直す」「これから作る」のいずれか |
優先順位 | 検索する人の多さと受注への近さで付ける順番 |
「ページの状態」の列が、そのまま作業の一覧になります。「直す」はページ内の要素の見直しへ、「これから作る」は記事の企画へ回します。
1つの検索語に2ページで答えているときの直し方
GoogleのSEOスターターガイドは、同じ内容に複数のURLからアクセスできても手動による対策の対象にはならないとしています。ペナルティを恐れる必要はありません。ただ、同じ検索語に2ページで答えていると、どちらを表示するかをGoogleが選ぶため、狙ったページが表示されないことがあります。
直し方は3つです。内容がほぼ同じなら1ページに統合し、消すページのURLから残すページへ301リダイレクトで転送します。狙いを分けられるなら、片方の見出しと本文を別の検索語のまとまりに合わせて書き直します。どちらも難しい場合は、片方からもう片方へリンクを張り、主に表示したいページを示します。
うちのサイトはサービスページが5つしかありません。まずはブログ記事を毎月増やしていけばよいでしょうか。
編集部
記事を増やす前に、対応表を1枚作ることをおすすめします。5つのサービスページがそれぞれどの検索語を受け持つかを決めると、答えるページが無い検索語が一覧に残ります。そこが新しく書く記事の候補です。書く順番も、検索する人の多さと受注への近さで決められます。
対応表を先に作っておけば、記事の本数が増えても、同じ検索語に答える記事が重なることを企画の段階で防げます。
どの検索語をどのページで狙うか、まだ決めきれていませんか
Writers-hubのSEOキーワード戦略設計では、事業に関わる検索語を調べ、競合サイトの状況と検索する人の悩みを照らし合わせたうえで、既存ページへの割り当てと、新しく作る記事の順番をまとめます。対応表づくりの手前で止まっている段階からお手伝いします。
Googleに見つけてもらう技術面の確認項目
対応表どおりにページを用意しても、Googleに見つけてもらえず、登録もされなければ検索結果には出ません。技術面の対策は、その手前のつまずきを取り除く作業です。最初に次の項目を確認しましょう。
最初に確認する7つの項目
公開中のサイトでも、次の7項目のどれかが抜けていることがあります。
- Search Consoleにサイトを登録している
- XMLサイトマップを作り、Search Consoleから送信している
- 検索に出したいページを、robots.txtやnoindexで止めていない
- 同じ内容のURLが複数あるとき、正規のURLをcanonicalで指定している
- サイト全体をHTTPSで配信している
- スマートフォンで文字が読め、ボタンを押し間違えずに操作できる
- 各ページが表示されるまでに長く待たされない
登録されているかの確かめ方
サイトに登録されているかは、Googleの検索窓に「site:自社のドメイン名」と入れると大まかに分かります。個別のページは、Search ConsoleのURL検査ツールに入れると、登録の有無と、登録されていない場合の理由を確認できます。
サイトマップは、スターターガイドでも必須ではないとされています。ただ、公開したばかりでほかのサイトからのリンクが少ない場合や、ページ数が多い場合は、見つけてもらう経路を増やせるため作っておくと安心です。
リニューアル直後に起きやすい設定漏れ
とりわけ見落とされがちなのが、サイトを作り直した直後の設定です。
制作会社のテスト環境で付けていたnoindexを外し忘れたまま、本番のサイトを公開してしまう例があります。リニューアル後に検索からの訪問が急に減ったときは、まず各ページのnoindexの有無と、旧URLから新URLへの301リダイレクトが設定されているかを確認してください。
※ クロールとサイトマップの扱いは、Google検索セントラルの「SEOスターターガイド」の記述をもとにしています。
確認項目をさらに細かく点検したい場合は、SEOのチェックリスト38項目の記事も参考にしてください。インデックスの確認方法は、SEOのインデックスを解説した記事で詳しく扱っています。
ページ内で整える4つの要素
技術面の確認が済んだら、対応表で割り当てた検索語に、各ページが答えていると伝わる形に整えます。手を入れる要素は次の4つです。
タイトル(titleタグ)
タイトルは、検索結果に表示される見出しの元になる要素です。ページごとに違うタイトルを付け、対応表で割り当てた検索語を自然な文の中に入れます。Googleはタイトルをもとに検索結果の見出しを作りますが、ページの内容と合わないと判断した場合は、見出しなどから書き換えて表示することもあります。付け方の手順はSEOタイトルの付け方の記事にまとめています。
メタディスクリプション
メタディスクリプションは、検索結果でタイトルの下に表示される説明文の候補です。順位を直接決める要素ではありません。それでも、検索した人がクリックするかを決める材料になるため、ページで何が分かるかを120字前後で書いておくと、表示回数に対するクリックの割合を見直すときの手がかりになります。
見出しと本文
見出しは、読者が自分の知りたい答えがどこにあるかを探すための目印です。スターターガイドでは、見出しの数や順番はGoogle検索にとって重要ではないと明言されています。見出しは検索エンジンのためではなく、読者が流し読みで答えにたどり着けるように付けます。
画像の代替テキストと内部リンク
画像には、写っている内容を説明する代替テキスト(alt属性)を付けます。ページ同士をつなぐ内部リンクは、リンク先で何が分かるかが伝わる文言にします。「こちら」だけのリンクより、「SEOのチェックリスト」のように中身を示したほうが、読者にもGoogleにもリンク先の内容が伝わります。サイト全体のリンクの組み方は、内部リンク設計の記事で解説しています。
4つの要素を整える順番は、対応表で受注に近い検索語を割り当てたページからがおすすめです。全ページを同時に直すより、効果を確かめながら進められます。
検索から選ばれるページの中身の作り方
技術面とページ内の要素を整えても、中身が検索した人の疑問に答えていなければ順位は上がりません。コンテンツの領域で差がつくのは、答えの早さと、そのサイトにしか書けない情報の量です。
記事制作の現場でよく見るのが、上位ページの見出しを集めて1本にまとめた記事です。網羅はできていても、上位と同じ情報しか載っていないため、読者がそのページを選ぶ理由がありません。自社の料金の決まり方、現場で判断に迷う場面、実際の施工や納品の写真など、自社にしか書けない情報をページに入れることが、上位ページとの違いになります。
- 検索語が示す疑問に、ページの冒頭で答えている
- 料金の決まり方や判断基準など、自社の実務から書いている
- 情報が古くなったら、日付と内容を更新している
- 上位ページの見出しと内容を並べ替えただけになっている
- 答えより前に、会社紹介や一般論が長く続く
- 同じ検索語に答える記事がサイト内にほかにもある
なお、スターターガイドはE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)そのものはランキング要因ではないと説明しています。ただ、誰が書いたか、何を根拠にしているかは読者がページを信用するかの判断材料になるため、著者名や出典を示しておく価値は変わりません。
自社にしか書けない情報を、記事にする時間が取れていますか
Writers-hubのSEO記事コンテンツ作成では、狙う検索語の上位ページと読者の疑問を調べて構成を作り、御社から伺った実績や判断基準を本文に組み込んで執筆します。対応表で決めた「これから作るページ」を、順番どおりに形にする段階をお任せいただけます。
Googleが重要でないとしている施策
SEOの解説やツールの中には、今のGoogleでは効果がないとされている作業を勧めているものがあります。スターターガイドが「重要でない」と明言している主な項目は次のとおりです。
- メタキーワード(keywordsメタタグ)を設定する
- 同じ検索語を本文で何度も繰り返す
- ドメイン名やURLに検索語を入れて順位を上げようとする
- 文字数を増やす、または決まった文字数にそろえる
- 見出しの数や順番を検索エンジン向けに調整する
- 順位のためにサブドメインかサブディレクトリかを選ぶ
同じ検索語の繰り返しは、効果がないだけでなく、Googleのスパムに関するポリシーで禁じられているキーワードの乱用にあたるおそれがあります。文字数についても、スターターガイドは長さだけを調節しても無意味だとしています。

限られた時間で作業するなら、上の項目に手を割くより、対応表で答えるページが無い検索語を1つずつ埋めるほうが先です。
成果を確かめるSearch Consoleの見方
サイトのSEOの成果は、Search Consoleで確かめます。見るのは順位の上下だけではありません。対応表どおりのページが、狙った検索語で表示されているかを照らし合わせます。
登録されていないページの一覧と理由を確認します。対応表に載せたページが登録されていなければ、技術面の確認項目に戻ります。
検索語で絞り込み、表示されているページを確認します。対応表と違うページが表示されていたら、受け持ちの重なりを疑います。
表示されているのにクリックされないページは、タイトルとメタディスクリプションが検索した人の疑問に合っているかを見直します。
変更の反映には数時間から数か月かかるとGoogleは説明しています。直した日付を記録し、前後で同じ長さの期間を比べます。
4つの手順は1回で終わりではなく、対応表の見直しに戻って繰り返します。

2つ目の手順で、狙ったページと実際に表示されたページが違っていたら、対応表そのものを見直す合図です。検索語のまとまり方が実際の検索結果と合っていない可能性があります。
サイトのSEOでよくある質問
サイトのSEOに取り組み始めた担当者の方から寄せられやすい質問に、短く答えます。
進められます。技術面の確認項目やタイトルの見直しは、Search Consoleとサイトの管理画面で対応できます。社内で手が回らなくなりやすいのは、検索語の調査と、記事を継続して書く工程です。
変更の内容によって幅があります。Googleは、変更が反映されるまでに数時間から数か月かかると説明しています。公開した記事の順位は数か月動き続けることもあるため、1〜2週間で判断しないことが大切です。
有利とは限りません。答える検索語が決まっていない記事を増やすと、同じ検索語に答えるページが重なり、狙ったページが表示されにくくなります。ページ数より、対応表の空欄をどれだけ埋めたかを見ます。
URLが変わるページを301リダイレクトで新しいURLへ転送し、各ページの主な内容を引き継げば、下がるリスクを抑えられます。テスト環境のnoindexを外し忘れていないかも公開直後に確認してください。
まとめ|サイトのSEOは設定より先に対応表
サイトのSEOは、管理画面の設定欄を埋める作業から始めると、どのページがどの検索語を受け持つかが決まらないまま進みます。先に対応表を作り、技術面で見つけてもらえる状態を確かめ、割り当てたページの中身とタイトルを整える。成果はSearch Consoleで、狙ったページが狙った検索語で表示されているかを見て確かめます。
私たち合同会社Writers-hubは、SEO記事の制作を中心に、検索語の調査からページの企画、執筆、公開後の見直しまでを企業のサイトとともに進めてきました。対応表の空欄を埋める記事づくりで手が止まっている場合は、どこから着手するかの整理からお手伝いできます。
自社サイトのどのページから手を付けるか、一緒に整理しませんか
現在のサイトのページ構成と、狙いたい検索語を伺い、答えるページが無い検索語と、重なっているページを洗い出します。そのうえで、社内で進める作業と社外に任せる作業の切り分けを一緒に整理します。







