「SEOライターを名乗るなら、キーワード選定から内部対策、被リンクまで一通り学んでおかないといけない」。SEOの入門書や講座の目次にはサイトの技術的な設定まで並んでいるため、そこまで覚えるまではSEO記事の案件に応募できないと考えるWebライターの方もいるでしょう。
しかし、弊社はこれまで、多くのSEO記事を外部のライターと一緒に制作し、構成案と原稿に赤を入れてきました。その経験から言えるのは、WebライターがSEOで受け持つのは、原稿の中で決められる部分だということです。キーワード選定やサイトの設定は、発注する側が済ませてから依頼してくる案件も多くあります。
本記事では、WebライターがSEOで受け持つ範囲から、原稿で押さえる要点、発注する側が原稿で直すところ、身につける順番まで、ライターの原稿を受け取る制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- SEOのうちWebライターが原稿で動かせるのは、構成・見出し・本文・事実確認
- 原稿では、検索結果から読者の疑問を拾い、見出しの直後の1文目で答え、上位の記事にない情報を足す
- Googleは優先する文字数は無いとしており、字数を埋める一般論は発注する側が削る
- 身につける順番は、検索結果を読む、構成案を作る、1本書いて第三者に直してもらう
WebライターにとってのSEOとは
WebライターにとってのSEOとは、検索した人の疑問に答える原稿を書き、Googleの検索結果で上位に表示されやすくすることです。SEO(検索エンジン最適化)という言葉自体はもっと広く、狙うキーワードの選定、サイトの表示速度やURLの整備、ほかのサイトからリンクを受けることまで含みます。
ライターが原稿で動かせるのは、SEOのうちコンテンツの中身です。表示速度やURLはサイトを運営する側が整えるもので、原稿をどれだけ直しても変わりません。
SEOライターとWebライターの違い
SEOライターとWebライターの違いは、原稿が何で評価されるかにあります。SEOライターは資格や職種の区分ではなく、Webライターのうち、検索から読まれるSEO記事を主に書く人の呼び名です。
Webライターの仕事には、SEO記事のほかに取材記事、商品ページの文章、メールマガジンなどがあります。SEO記事は、検索結果での順位と、検索した人の疑問に答えているかで評価される点が、ほかの原稿と違います。
WebライターがSEOで受け持つ範囲
WebライターがSEOで受け持つ範囲は、案件の依頼のされ方で決まり、執筆だけを任される形からキーワード選定まで任される形まで、大きく3つあります。案件を受けたら、依頼書でどこまで決まっているかを最初に確かめます。
依頼の形 | 発注する側が渡すもの | ライターが決めること |
|---|---|---|
執筆だけを任される | キーワード、構成案 | 本文、事実確認 |
構成から任される | キーワード、記事の目的 | 見出しの並び、本文、事実確認、タイトル案 |
キーワード選定から任される | テーマ、読者像 | 狙うキーワード、構成、本文、事実確認、タイトルと説明文の案 |
どの形でも、サイトの表示速度、URLの設計、ほかのサイトからのリンク集めは、サイトを運営する側の仕事です。内部リンクも、指定された記事へのリンクを原稿に入れるよう頼まれることはあっても、どのページ同士をつなぐかは運営する側が決めます。

SEOを学び始めるなら、表の「ライターが決めること」にある項目から手を付ければ、執筆だけの案件と構成からの案件には応募できます。
原稿で押さえるSEOの5つの要点
原稿で押さえるSEOの要点は、検索結果から読者の疑問を拾う、見出しに検索される言葉を入れる、見出しの直後で答える、事実の出典を確かめる、上位の記事にない情報を足す、の5つです。

検索結果を開いて読者の疑問を書き出す
書き始める前に、狙うキーワードで実際に検索し、上位10件ほどの記事の見出しを並べます。多くの記事が扱っている疑問は読者が知りたいことなので原稿でも答え、どの記事も答えていない疑問は、上位にない答えとして書ける候補になります。
検索結果に出る「他の人はこちらも質問」の欄も、読者の疑問を拾う材料です。検索意図の読み方は検索意図の分析方法で詳しく扱っています。
タイトルと見出しに検索される言葉を入れる
タイトルと見出しには、読者が検索窓に打つ言葉を入れます。検索した人は、検索結果に並ぶタイトルを見て、自分の疑問の答えがあるかを判断してクリックするからです。
ただし、同じ語を不自然に繰り返す書き方は、Googleのスパムに関するポリシーで「キーワードの乱用」とされ、順位が下がる対象になります。タイトルの付け方はWebライティングのタイトルの付け方にまとめました。
見出しの直後の1文目で答える
見出しの直後の1文目には、見出しが立てた問いの答えを書きます。読者は目次から目当ての見出しへ飛び、1文目を読んで続きを読むかを決めるためです。
たとえば見出し「確定申告が必要な会社員」の下を「確定申告が必要かは人によって違います。」で始めると、読者は答えを得られません。「会社員で確定申告が必要になるのは、給与の年収が2,000万円を超える人や、副業などの所得が年20万円を超える人などです。」と書けば、1文目で自分が当てはまるかを判断できます。
数字と固有名詞は出典で確かめる
記事に書く数字・制度・固有名詞は、官公庁や企業の公式サイトなど、情報を出した本人のページで確かめます。上位の記事から数字を写すと、写した元の記事が古い数字や誤った数字を載せていたとき、誤りまで写すことになります。
出典を確かめたら、いつ時点の数字かと、確かめたページのURLを原稿に添えて発注する側に渡します。発注する側は、添えられたURLを開くだけで事実を確かめられます。
上位の記事にない情報を足す
Googleは、ほかの情報源を参考にしたコンテンツに、書き換え以上の価値を求めています。検索セントラルでは、評価されるコンテンツかを見直すための質問として、次の文を挙げています。
コンテンツが他のソースを参考にしたものである場合は、単なるコピーや書き換えではなく、付加価値とオリジナリティを十分に示すものですか。
※ 出典:Google 検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」

足せる情報は、自分が実際に試した手順と結果、取材で聞いた話、発注者の社内にある事例や数字です。発注者に「お客様からよく受ける質問」を聞くと、上位の記事に書かれていない疑問と答えが手に入ります。上位の記事を並べ替えただけの原稿は、検索結果に同じ答えを1本増やすだけです。
発注する側がSEO原稿で直すところ
発注する側がSEO原稿で直すのは、文章の上手下手より、読者の疑問と原稿の中身が食い違っている箇所です。弊社が構成案と原稿に入れる赤も、多くは次の5つに当たります。
- 見出しが、検索した人の疑問ではなく書き手の言いたいことになっている
- 見出しの直後に前置きが続き、答えが3文目以降に出てくる
- 上位の記事と同じ順番の見出しを、言い回しだけ変えて並べている
- 数字や制度の説明に出典がなく、いつ時点の話か分からない
- 字数を埋めるための一般論(「状況によって異なります」など)が入っている
見出しのずれ、前置き、字数を埋める一般論は、書く前に検索結果を読んで読者の疑問を書き出しておけば、初稿の段階で防げます。
検索上位の見出しを毎回手で書き出す作業に、時間を取られていませんか
一気通貫Proは、狙うキーワードの検索上位の見出しと関連キーワードを取り込んで、SEO記事の構成と本文を生成するためのプロンプトツールです。見出しを集める作業を省き、どの疑問に答えるかを選ぶ判断と事実確認に時間を使いたい方に向いています。
字数を指定されたときの足し方
字数について、Googleは検索セントラルで次の質問を挙げ、優先する文字数は無いと書いています。
Google が優先する文字数があるとどこかで聞いたか読んだかしたために、特定の文字数になるように記事を書いていますか(そのような設定は存在しません)。
※ 出典:Google 検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」
それでも字数を条件にする発注者はいるため、ライターからは次のような相談を受けます。
クライアントから「上位記事の平均文字数以上で」と指定されています。書くことが尽きて字数が足りないときは、どうすればいいでしょうか。
編集部
字数の条件は契約なので守ります。ただ、足すのは言い換えや一般論ではなく、読者が次に抱く疑問への答え、手順、当てはまらない条件です。それでも届かないときは、足せる中身の候補を添えて字数を相談すると、発注する側も判断しやすくなります。
SEO記事を書けるWebライターになる順番
SEO記事を書けるWebライターになるには、検索結果を読む練習から始め、構成案づくり、1本書いて直してもらう経験の順で進めます。いきなり本文を書くと、見出しと検索意図がずれていても自分では気づけないためです。
記事は書かず、キーワードを1つ決めて上位10件ほどの見出しを書き出し、読者の疑問を箇条書きにします。
見出しと検索意図のずれは、書いた本人には見つけにくいものです。添削のある講座か、編集者が赤を入れてくれる案件で直しを受けます。
自分のブログに書いた記事なら、Googleサーチコンソールで、どの検索語で何位に表示されたかを確かめられます。納品した記事の順位は発注する側しか見られないため、公開後の順位を教えてもらえるかを依頼の段階で聞いておきます。
ライター名の出ない記事は、ポートフォリオに載せる前に発注する側の許可を取ります。
学ぶ教材の選び方や独学で補いにくい部分は、SEOライティングの勉強法で詳しく扱っています。
WebライターのSEOに関するよくある質問
SEOの知識や資格が無くても、執筆だけを任される案件には応募でき、生成AIで下書きする場合も事実確認は書き手の仕事として残ります。
応募はできます。執筆だけを任される案件ではキーワードと構成案が渡されるため、見出しの直後で答える書き方と、出典の確かめ方を身につけていれば書き進められます。構成から任される案件に応募する前には、検索結果から構成案を作る練習をしておきましょう。
資格がなくても、SEO記事の仕事はできます。発注する側がライターを選ぶときに見るのは、公開された記事や構成案の実物であることが多いためです。主な資格ごとの中身は「SEOライティングの資格は必要か」の記事で比べています。
Googleは2023年2月に、コンテンツがどのように作られたかではなく品質を重視するという方針を示しています。AIで下書きを作る場合も、事実の確認と、経験や取材で得た情報を足す作業は書き手に残ります。
まとめ|SEOは原稿で決まる範囲から
WebライターがSEOで受け持つのは、主に構成・見出し・本文・事実確認です。キーワード選定やサイトの技術的な設定まで覚えてから応募する必要はありません。
検索結果を開いて読者の疑問を書き出し、見出しの直後で答える練習から始め、1本書いたら第三者に直してもらいましょう。上位の記事にない情報を足す作業は、AIで下書きを作る場合も書き手の仕事として残ります。
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