「キーワードツールで月間検索数の大きい語を選べば、YouTubeでも見られる動画になるはず」。ブログのSEOでキーワードツールを使い慣れた担当者ほど、動画の企画も同じ画面の数字で決めようと考えがちです。
しかし、これまで多くの企業の検索キーワードを調べ、記事を制作してきた弊社の立場から言えるのは、キーワードプランナーの月間検索数はGoogle検索の数字で、YouTubeの検索窓で打たれた回数ではないということです。YouTubeで狙う語は、YouTubeの検索窓とYouTube検索のデータで確かめる必要があります。
本記事では、YouTubeの検索窓のサジェストで候補を集める方法から、YouTubeでの検索の多さの調べ方、上位の動画を見て狙うかを決める方法まで、キーワードの調査を記事の企画の起点にしてきた制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- YouTubeのキーワードは、サジェストで候補を集め、検索の多さを比べ、上位の動画を見て決める
- YouTubeでの検索の多さは、GoogleトレンドのYouTube検索とYouTube Studioの[トレンド]タブで無料で比べられる
- キーワードプランナーの数字はGoogle検索のもので、YouTubeで多く検索される語とは食い違う
- 上位に登録者の少ないチャンネルや古い動画が並ぶ語は、新しい動画でも上位を狙いやすい
- 公開後は、アナリティクスで動画が見られた検索語句を確かめ、次の候補に加える
YouTubeのキーワードを調べる3つの手順
YouTubeで狙うキーワードは、候補を集める、YouTubeでの検索の多さを比べる、上位の動画を見て狙うかを決める、の3つの手順で調べます。手順ごとに見る場所が違い、候補はYouTubeの検索窓、検索の多さはGoogleトレンドかYouTube Studio、狙うかどうかはYouTubeの検索結果で確かめます。
自社の商品やサービスに関わる語をYouTubeの検索窓に打ち、下に出る検索候補を書き出します。
集めた候補を、GoogleトレンドのYouTube検索や、YouTube Studioの[トレンド]タブで比べます。
候補の語で検索し、上位の動画の再生回数と投稿時期から、自社の動画でも上位に並べるかを判断します。
3つの手順のうち、時間をかけたいのは上位の動画の確認だと見ています。検索の多い語でも、上位を登録者の多いチャンネルの新しい動画が占めていれば、後から出す動画は検索結果の下のほうに並ぶからです。

検索窓のサジェストで候補を集める方法
YouTubeの検索窓のサジェストは、語を打つ途中で検索窓の下に出る検索候補で、YouTubeで検索されている言い回しを無料で集められます。ブログ向けのキーワードツールには出てこない「〇〇 やってみた」「〇〇 開封」のような動画ならではの言い回しも、サジェストには並びます。
候補を集めるときは、次の4つのやり方を組み合わせると、1つの語から数十の候補が出てきます。
- 軸の語のあとにスペースを入れて、続けて検索される語を出す
- スペースのあとに「あ」「か」などの1文字を足して、候補を入れ替える
- 「やり方」「比較」「レビュー」など、動画で答えやすい語を足して候補を出す
- ログインしていないブラウザで調べ、自分の検索履歴を候補に混ぜない
手で打つと時間がかかるため、候補の一覧は無料ツールでまとめて取るのが早道です。ラッコキーワードのYouTubeサジェスト取得ツールは、入力した語に対するYouTubeのサジェストを一覧にします。Keyword Toolも、無料版でYouTubeのサジェストから集めた候補を表示し、検索数の表示は有料のKeyword Tool Proに限られます。
YouTubeでの検索の多さを調べる3つのツール
YouTubeでの検索の多さは、Googleトレンド、YouTube Studioの[トレンド]タブ、YouTubeのデータを持つ有料ツールの3つで調べられます。無料の2つは検索の回数を示さないため、候補同士を並べて多い順を決める使い方になります。
| 料金 | 分かること | 数字の形 | |
|---|---|---|---|
| GoogleトレンドのYouTube検索 | 無料 | 候補同士の検索の多さと推移 | 最も多い時点を100とした相対値 |
| YouTube Studioの[トレンド]タブ | 無料 | 自分の視聴者とYouTube全体で検索されている語 | 回数は出ない |
| AhrefsのKeywords Explorer | 有料 | YouTubeでの月間検索数の推定値 | 推定の回数 |
GoogleトレンドのYouTube検索
Googleトレンドは、グラフの上の「ウェブ検索」を「YouTube 検索」に切り替えると、YouTubeの中で検索された多さの推移を表示します。数値は、選んだ期間で最も多く検索された時点を100とした相対値で、検索の回数ではありません。
最大5つの語を並べて比べられるため、サジェストで集めた言い回しのうち、どれが多く検索されているかを決めるのに向いています。画面下の「関連キーワード」には、YouTubeで一緒に検索されている語が並び、候補を足す材料にもなります。

YouTube Studioの[トレンド]タブ
YouTube Studioの[トレンド]タブは、左のメニューで[アナリティクス]を選び、上部のタブから開きます。以前は[リサーチ]という名前だったタブで、自分のチャンネルの視聴者の検索と、YouTube全体で検索されている語を確かめられます。
自分の視聴者の検索には、過去28日間の視聴者の検索内容をもとにした上位の検索キーワードが並びます。視聴者が探しても合う動画が少ない検索には「コンテンツ ギャップ」の印が付き、次の動画で答える疑問を選ぶ材料になります。ただし、一部の分析情報は特定の国・言語・デバイスでしか表示されないため、チャンネルによっては出ない項目があります。
YouTubeのデータを持つ有料ツール
検索の回数の目安が要るときは、YouTubeでの検索数を推定して表示する有料ツールを使います。AhrefsのKeywords Explorerは、検索エンジンにYouTubeを選ぶと、YouTubeでの月間検索数の推定値を国ごとに表示します。
有料ツールの検索数は、ツールごとに集計の方法が違う推定値です。ツールをまたいで数字を比べず、同じツールの中で候補同士の大小を比べてください。
Googleの検索ボリュームを流用する落とし穴
キーワードプランナーが表示する月間検索数は、Google検索で打たれた回数の目安で、YouTubeの検索窓で打たれた回数ではありません。ブログ向けのキーワードツールに出る検索ボリュームも、どの検索エンジンの数字かを確かめずに動画の企画に使うと、YouTubeでは検索されていない語を選ぶことになります。

Googleで多く検索されるのは、意味や料金、営業時間のように、文章や表で答えが済む疑問だと見ています。YouTubeでは、手順や使い方、実物の比較のように、見て確かめたい疑問が検索されやすいはずです。同じ語をGoogleトレンドで「ウェブ検索」と「YouTube 検索」に切り替えて並べると、2つの検索で多さが食い違う語が見つかります。
ブログで使っているキーワードツールで、月間検索数の大きい語から順に動画の企画を決めています。このままで大丈夫でしょうか。
編集部
まず、ツールの説明で、月間検索数の欄がどの検索エンジンの数字かを確かめてください。Google検索の数字なら、候補を捨てる必要はありません。GoogleトレンドをYouTube検索に切り替えて、候補の順番を並べ直してから企画を決めましょう。
月間検索数がどの検索の数字かを先に確かめると、Googleで多くYouTubeで少ない語も見分けられます。YouTubeで少ない語は、動画でなく記事で答える候補として残しておくと、調べた手間が無駄になりません。
Googleでは検索されるのに、動画にしにくい語が残っていませんか
Writers-hubのSEO記事コンテンツ作成では、Google検索で多く調べられている語の検索結果から読者の疑問を書き出し、見出しのすぐ下で答える記事を制作します。動画の企画から外れた語を、記事で拾う相談にも対応します。
上位の動画から狙えるキーワードを見分ける方法
狙えるキーワードかどうかは、候補の語でYouTubeを検索し、上位に並ぶ動画の再生回数、チャンネルの登録者数、投稿時期を見て判断します。検索の多さが同じ2つの語でも、上位の顔ぶれで、後から出す動画が上に並べるかが変わります。
次の4つのうち当てはまるものが多い語ほど、新しい動画でも上位を狙いやすいと見ています。
- 上位に、登録者の少ないチャンネルの動画も並んでいる
- 上位の動画が数年前の投稿で、その後の料金改定や画面の変更に触れていない
- 上位の動画のタイトルが、検索した言い回しと合っていない
- 上位の動画が、検索した人の疑問の一部にしか答えていない
検索結果のフィルタで人気の高い順に並べ、アップロード日を今年に絞ると、最近の動画でも見られている語かが分かります。登録者数を大きく上回って再生されている動画があれば、その語は登録者以外の人にも検索やおすすめから見られていると読めます。
とりわけ見落とされがちなのが、同じ分野のチャンネルの動画一覧です。チャンネルページの動画一覧を人気の順に並べると、そのチャンネルで多く見られている動画のタイトルが上に並び、サジェストでは拾えなかった語が見つかります。

公開後に動画が見られた検索語句を確かめる方法
公開した動画がどの検索語句で見られたかは、YouTube Studioのアナリティクスで、トラフィックソースの「YouTube 検索」を開くと確かめられます。公開前に調べた語と、実際に動画が見られた語が違うことは珍しくありません。
YouTube Studioの[アナリティクス]で詳細モードを開き、トラフィックソースの一覧から「YouTube 検索」を選ぶと、動画が見られた検索語句と、語句ごとの視聴回数が並びます。
想定していなかった語で見られていれば、その語をサジェストとGoogleトレンドで調べ直し、次の動画の候補に加えます。狙った語で見られていない動画は、タイトルに狙った語が入っているかを確かめます。タイトルや説明欄への語の入れ方は、動画SEOの対策で扱いました。
YouTubeのキーワードでよくある質問
YouTubeのキーワードの調べ方について、よく寄せられる3つの質問に答えます。
無料のツールだけでも、候補を集めて候補同士の検索の多さを比べるところまでは調べられます。YouTubeのサジェスト、GoogleトレンドのYouTube検索、YouTube Studioの[トレンド]タブは無料で使えます。検索の回数の推定値が要るときは、Ahrefsなどの有料ツールが必要です。
検索の少ないキーワードでも、自社の商品を買うか迷っている人や、買った後に使い方を調べる人が打つ語なら狙う価値があります。検索の多い語は上位に大きなチャンネルが並びやすく、少ない語のほうが上位に並べる場合もあります。
競合の動画に設定されたタグは、YouTubeの画面には表示されません。vidIQやTubeBuddyのようなブラウザの拡張機能を入れると、再生ページでタグを確かめられます。YouTubeのヘルプでは、タグは綴りを間違えやすい語を補う用途を除き、動画が見つかるうえで小さな役割しか持たないと説明されています。
まとめ|YouTubeのキーワードはYouTubeの数字で選ぶ
YouTubeのキーワードは、検索窓のサジェストで候補を集め、GoogleトレンドのYouTube検索やYouTube Studioの[トレンド]タブで多さを比べ、上位の動画を見て狙うかを決めます。キーワードプランナーの数字だけで動画の企画を決めないことが、YouTubeで検索されない動画を作らないための条件です。
公開した後は、アナリティクスのトラフィックソースで動画が見られた検索語句を確かめ、次の候補に加えてください。Googleで多くYouTubeで少ない語は、記事で答える候補として残せます。
私たち合同会社Writers-hubは、検索キーワードの調査から、読者の疑問に答える記事の制作までを支援してきました。動画と記事のどちらで答えるかを語ごとに決めておくと、同じ調査の結果を両方の企画に使えます。
動画と記事で、どのキーワードをどちらが担うか決めかねていませんか
Writers-hubのSEOキーワード戦略設計では、検索キーワードを調べて読者の疑問ごとに整理し、どの語をどのページで答えるかを一覧にして決めます。YouTubeで調べた語を記事の企画と分担させる設計の相談にも対応します。







