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自社の強みはフレームワークで見つかる?枠を埋める前に集める客の言葉

SWOTや3Cの枠を社内の会議だけで埋めると、強みの欄にはどの会社も書ける「技術力」「丁寧な対応」が並びやすいと考えています。枠を埋める前に、最近の受注と失注の記録から、客が何と比べて何を理由に決めたかを書き出し、その材料を枠に入れることをおすすめします。

社長が机の上にSWOTの4つの枠を書いた紙を広げ、受注のメールや断りの連絡のメモ、見積書の控えから抜き出した客の言葉の付箋を、枠の中に貼っている様子。

「SWOT分析のシートを埋めれば、うちの強みもはっきりするはず」。SWOT分析は経営の研修や本でよく紹介される方法なので、枠を埋めれば強みが出てくると思われがちです。ところが、SWOTや3Cは手元にある情報を枠に分けて並べる道具で、手元に無い強みを見つけてはくれません。強みの欄を同業と違う文にするには、先に客が自社を選んだ理由と失注の理由を集め、枠に入れます。

本記事では、社内の会議で埋めたSWOTに同業と同じ言葉が並ぶ理由から、枠に入れる材料の集め方、材料を入れたSWOTと3Cの記入例まで、ホームページや記事の文章を作る制作会社の視点で順を追ってお伝えします。

この記事でわかること
  • 強みの欄に書く前に、客が比べた相手と、決めた理由か断った理由を書き出す
  • 社内の会議だけで埋めると、強みの欄に同業も書ける「技術力」「丁寧な対応」が並びやすい
  • 枠に入れる材料は、最近の受注3件と失注3件の記録と、見積もりで比べられた点から集める
  • 3Cの顧客を考える入口として、業種名ではなく、どんな場面で困っている誰かを1文で書く
  • 強みの欄は「誰の・どんな場面で・何がどう違うか」の文に書き換え、同業のサイトと見比べる

「フレームワークを埋めれば強みが分かる」は本当か

フレームワークを埋めて分かる強みは、枠に入れた材料の中にある強みだけです。SWOT分析は、強み・弱み・機会・脅威の4つの枠に、自社の内側と外側の事情を書き出して整理する方法です。3C分析は、顧客・競合・自社の3つの枠で、誰に何をどう売るかを整理します。

社内の会議だけで枠を埋めると、強みの欄には「技術力が高い」「丁寧な対応」「地域密着」のような言葉が並びやすくなります。同業のサイトにも同じ言葉があれば、客には違いが見えません。見積もりを並べても違いが分からなければ、客は値段で比べることになりがちです。

自社のSWOTで同じことが起きているかは、強みの欄の言葉を同業の会社のサイトで探す次の3つの手順で確かめられます。

1
STEP
同業3社の選び方

Googleで市町村名と業種を並べて検索し、客が見積もりを並べそうな同業の会社を上から3社選びます。広告の枠に出る会社も、客が見比べる相手なので含めてかまいません。

2
STEP
強みの言葉の探し方

3社のサイトのトップページと会社案内のページを開き、ブラウザのページ内検索で、強みの欄に書いた言葉を1つずつ探します。「丁寧」のように言葉の一部で探すと、「丁寧な説明」「丁寧に仕上げます」のような言い回しの違いも見つかります。

3
STEP
結果の見方

複数の会社が同じ言葉を書いていれば、その言葉だけでは客に違いが伝わりにくいので、具体的な行動や条件に書き換えます。同じ言葉が見つかった欄は、枠に入れる材料が足りていない欄です。

社内の会議で埋めたSWOTが同業と同じになる理由

社内の会議で埋めたSWOTの強みの欄が同業と同じ言葉になるのは、会議に出る社長や社員には、客が見比べた相手が見えていないからです。社内の人が知っているのは、自社の仕事の中身です。客が見積もりを並べたほかの会社の金額や返事の早さ、説明の仕方は、客にしか見えていません。

強みは、客が他社と比べて自社に決めた理由の中にあります。

会議では、出席者の誰も反対しない言葉に話がまとまりやすいことも、同じ言葉が並ぶ理由の1つです。「技術力」「丁寧な対応」は誰も否定しないかわりに、同業の会社もそのまま名乗れます。

とりわけ見落とされがちなのが、失注の理由です。断られた仕事の理由は、営業の担当者に聞かないと分からないことがあります。理由が分からないままだと、弱みと脅威の欄まで「人手が足りない」「価格競争」のような、どの会社にも当てはまる言葉で埋まります。

社内の会議で埋めたSWOTと、客の言葉を入れたSWOTの違いを示す図

集めた材料を整理する道具としてのフレームワーク

SWOTや3Cなどのフレームワークは、集めた材料を決まった枠に分けて並べ、材料どうしを見比べやすくする道具です。強みを見つける手がかりは枠ではなく枠に入れる材料の側にあるので、材料を先に集めてから枠に入れます。

強みを考えるときによく使われる3つのフレームワークについて、分ける枠と、枠に入れる材料を並べると次のとおりです。

フレームワーク

分ける枠

枠に入れる材料

SWOT分析

自社の内側の強みと弱み、外側の機会と脅威

受注と失注の理由、見積もりで比べられた点

3C分析

顧客、競合、自社

客が困っていた場面、客が比べた相手、客が決めた理由

VRIO分析

経済価値、希少性、まねのしにくさ、組織

SWOTの強みの欄に入れた候補

VRIO分析は、強みの候補が長く続くかを4つの問いで確かめる方法です。候補が「技術力」のままでは、まねされにくいかどうかを確かめようがありません。

経営者経営者

SWOTを埋めても強みが出てこないのは、選んだフレームワークが合っていないからでしょうか。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

目的に合わせて枠を選ぶことは大切です。ただ、枠を替えても、入れる言葉が会議で出た言葉のままなら、出てくる強みは変わりません。

枠を替える前に、枠に入れる材料を替えます。どの枠に入れる材料も、集める先は同じ受注と失注の記録です。

SWOTの枠に入れる3つの材料

この記事で強みを言葉にするために最初に集める材料は3つで、どれも営業の記録やメールと、担当した社員の記憶から書き出せます。集める範囲は、最近受注した3件と、最近断られた3件です。

最近の案件ほど記録が残っていて、担当者も客が何と言ったかを覚えています。1件だけに出てくる理由は、1人の客の事情のこともあります。複数件に共通する理由を、強みの候補にします。

書き出すときは、6件を1枚の表にまとめます。下の表の2行は、地域の印刷会社で書いた場合の例です。

案件

客が比べた相手

決めた理由か断られた理由

書いてあった場所

受注1

市内の同業2社

ほかは刷り上がりが3日後と言われた

受注のお礼のメール

失注1

ネット印刷

部数が多く、値段の差が大きかった

担当者が断りの電話で聞いたこと

受注と失注と見積もりの記録から材料を集め、SWOTの4つの枠に入れる流れの図

客が自社を選んだ理由

客が自社を選んだ理由は、受注した3件の商談のメモ、見積もりを出した後のメール、受注のお礼のやり取りから書き出します。書き出すのは、客がほかにどこと比べていたかと、決めたときに何と言ったかの2つです。比べた相手は同業の会社とは限らず、ネットで注文する、自分で作る、頼まずに済ませる、ということもあります。

記録に「対応が良かった」としか残っていなければ、担当した社員に、客がその言葉を言った場面を聞きます。社内に記録が無いときは、客に直接聞く方法もあります。聞き方と質問の順番は、自社の強みを客に聞いて1文に直す手順にまとめています。

失注の理由

失注の理由は、断られた3件の断りのメールと、担当した社員への聞き取りから書き出します。「今回は見送ります」としか書かれていないときは、客が何社で比べていたか、最後の連絡で何と言っていたかを担当者に聞きます。分からない項目は「不明」と書き、推測で埋めません。

失注の理由は、弱みの欄か脅威の欄に入ります。客がほかの会社に決めた理由からは、客が何を大事にして会社を選ぶかも分かります。強みの欄に書く違いを選ぶ手がかりにもなるはずです。

⚠

失注の理由を担当した社員に聞くときは、落ち度を探す場にしないことです。責められると思うと、担当者は値段の差や返事の遅れのような本当の理由を話しにくくなります。これから断られたときは、連絡を受けた日に、比べた相手と理由を1行で残すと決めておくと、次にSWOTを書き直すときの材料がたまります。

見積もりで比べられた点

見積もりで比べられた点は、見積もりを出した後に客から聞かれたことと、値引きを頼まれた項目から書き出します。「ほかの会社は配送料が込みだった」「納期はもっと早くなりませんか」のような言葉からは、客がどの項目で会社を見比べているかが分かります。

比べられた項目は、3Cの競合の欄に入れ、強みと弱みの欄の候補にもします。客が比べた項目で、自社のほうが早い、含む範囲が広いといった違いがあれば強みの欄に、ほかの会社のほうが上なら弱みの欄に書きます。

材料を入れたSWOTと3Cの記入例

材料を入れたSWOTと3Cでは、強みの欄が「誰の・どんな場面で・何がどう違うか」を書いた文になります。例として、店のチラシや名刺を刷る地域の印刷会社で書きます。業種と中身は、自社のものに入れ替えて読んでください。

SWOTの記入例

社内の会議だけで埋めたとき、この印刷会社の強みの欄は「技術力が高い」「丁寧な対応」、弱みの欄は「人手が足りない」だったとします。集めた材料を4つの欄に入れ直すと、次のように書けます。

欄

もとにした材料

書き直した文

強み

受注2件で「ほかは3日後と言われた」

週末のセールのチラシを急ぐ店の店主に、入稿の翌日に刷り上がりを店まで届ける

弱み

失注2件で「部数が多く、値段の差が大きかった」

数千部を超える注文は外の工場に頼むため、ネット印刷より見積もりが高くなる

機会

見積もりのときに2人から「ネットで頼んだら色が画面と違った」と聞いた

刷る前に色を確かめたい店が、ネット印刷のほかに頼む先を探している

脅威

見積もりで「ネットならもっと安かった」と言われた

部数の多い注文は、ネット印刷の値段と並べて比べられる

書き直した文は、同業3社のサイトでもう一度ページ内検索をして、同じ言い回しが無いかを確かめます。

SWOTの強みの欄の言葉が、客の材料をもとに1文へ書き換わる図

3Cの記入例

この記入例では、3Cの顧客を考える入口として、業種名ではなく、どんな場面で困っている誰かを1文で書きます。「地元の小売店」と業種名で書くと、小売店の中の誰が何に困って頼むのかが決まらず、自社の欄に書く違いを選べないためです。

枠

会議だけで書いた例

材料を入れて書いた例

顧客

地元の小売店

週末のセールのチラシを、木曜までに手元に欲しい店の店主

競合

市内の印刷会社

客が見積もりを並べたネット印刷と、市内の印刷会社2社

自社

技術力と丁寧な対応

入稿の翌日に刷り上がりを店まで届け、刷る前に色を店で見てもらえる

💡

強みの欄と機会の欄のどちらに書くか迷ったら、自社がしていることは強みの欄に、客の側に起きている変化は機会の欄に書きます。材料の無い欄は会議で出た言葉で埋めずに空けておくと、次に集める材料の目印になります。

強みの欄に書いた文を、人に見せる文章にまとめる時間はありますか

受注と失注の記録から集めた客の言葉を、EdicoのAI編集者「Eddy」に話すと、社長の言葉のまま強みを書いた文章を作れます。フリープランは0円です。

手が回らないときに話した内容から文章を作る方法

フレームワークは、材料さえそろえば社内で使えます。集めた材料を文章にまとめる時間が取れない場合は、社長が私たち合同会社Writers-hubのEdico(フリープランは0円)でAI編集者「Eddy」に材料を話せば、Eddyが話した内容から社長の言葉のまま強みを書いた文章を作ります。

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この記事を書いた人

米山拓真

米山拓真

合同会社Writers-hub 代表社員

滋賀県立大学工学研究科の修士課程を修了後、大手制作会社の編集部を経て2019年にWebライターとして独立。2020年に記事制作を手順化した「ハブ式SEOライティングメソッド」を開発し、これまでに200人以上のライターを育成しました。2022年3月に合同会社Writers-hubを設立し、会社として累計8,000記事以上のSEO記事制作に携わっています。2024年にAIライティングシステム「一気通貫Pro」、2025年から書き手の文体を再現するAI編集者「Edico」を開発。このブログでは、クライアント案件と自社サイトで実際に試したことを書いています。

読んで終わりにしないために

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