「SEO検定は4級から順番に受けて、1級まで取れば一人前になれそう」。公式サイトの案内は4級・3級・2級・1級と階段のように並んでいるため、下の級から一段ずつ上がるのが当然の進め方だと受け止める方は多いはずです。資格の取り方を調べ始めたばかりの段階では、級の数字がそのまま実力の目盛りに見えるものです。
しかし、弊社はこれまで多くのSEO記事を制作し、ライターや企業のWeb担当者がSEOを学ぶ過程にも立ち会ってきました。その経験から言えるのは、SEO検定の価値は、何級を持つかより4冊のテキストをどこまで読み込んだかで決まるということです。上位の級ほど下の級のテキストまで試験範囲に含む仕組みなので、読み込みの進み具合に合わせて3級や2級から受けても遅くありません。
本記事では、SEO検定の試験の基本から各級の違い、難易度と合格率、何級から受けるかの判断基準、合格後に知識を自社の記事で試す方法までを、SEO記事の制作と書き手の育成を続けてきた立場で順を追ってお伝えします。
- SEO検定の主催団体と、各級に共通する試験のルール
- 4つの級それぞれの出題範囲と合格率の推移
- 上位の級ほど試験範囲が広がる仕組みと、何級から受けるかの決め方
- 受験費用、オンライン受験の条件、勉強の進め方
- 合格後に知識を自社の記事で試すための手順
SEO検定とは?主催団体と試験の基本
SEO検定は、一般社団法人全日本SEO協会が主催・認定する民間資格です。同協会は2002年から全国でSEO対策のセミナーを開いており、そこで蓄積してきた技術を4級から1級までのカリキュラムにまとめています。カリキュラムの監修は、東京理科大学工学部情報工学科の古川利博教授が務めています。
国家資格ではないため、持っていないとSEOの仕事ができないわけではありません。ただ、検索エンジンの仕組みから内部対策、外部対策、コンテンツ制作までを1つの体系で学べる教材は多くないため、独学の順番を決める目安としても使えます。
各級に共通する試験のルールは次のとおりです。
項目 | 内容 |
|---|---|
受験資格 | 学歴、職歴、年齢、国籍などの制限なし |
出題形式 | 選択式80問 |
試験時間 | 60分 |
合格基準 | 得点率80%以上 |
合否の通知 | 試験日から14日以内に郵送 |
資格の有効期限 | なし(協会への入会義務もなし) |
※ 出典:全日本SEO協会「SEO検定1級 試験概要」「SEO検定4級 試験概要」、同協会「よく頂くご質問」

合格すると認定証が無料で発行され、名刺やWebサイトに載せられる認定ロゴもダウンロードできます。希望すれば協会の公式サイト内に合格証明ページを作ってもらうことも可能です。
4つの級の違いと出題範囲
SEO検定は4級から1級まで4段階に分かれ、級ごとに公式テキストのテーマが異なります。まずは全体像を表で確認しましょう。
級 | 公式テキストのテーマ | 公式サイトが示す対象者 |
|---|---|---|
4級 | SEOの基礎知識 | SEOを1から学びたい方 |
3級 | キーワードリサーチと内部要因最適化 | 今の知識を確認したい方 |
2級 | コンテンツSEOと外部要因最適化 | 今の知識を確認したい方、プロとして活躍している方 |
1級 | AI時代のSEOとモバイルSEO | プロとして活躍している方 |
※ 出典:全日本SEO協会「SEO検定」公式サイトの各級紹介
4級は、Webと検索エンジンの仕組みから内部要素・外部要素の概要まで、SEOの全体像をつかむ内容です。3級では狙うキーワードの調べ方と、ページ内のキーワードの書き方やサイト内リンクの組み方を扱います。2級はコンテンツの作り方と被リンクなどの外部要因、1級は生成AIの活用やモバイルSEO、ローカルSEOへと広がります。
記事制作の現場から見ると、日々の業務に直結しやすいのは3級と2級の範囲です。キーワードの選び方と記事の中身の作り方は、SEO記事を1本書くたびに判断を求められるからです。
SEO検定の難易度と合格率
SEO検定の合格率は、直近5年間でおおむね6割台から7割台で推移しています。全日本SEO協会が公表している級別の合格率は次のとおりです。
年 | 1級 | 2級 | 3級 | 4級 | 全級平均 |
|---|---|---|---|---|---|
2025年 | 64% | 73% | 67% | 76% | 70% |
2024年 | 63% | 71% | 68% | 73% | 69% |
2023年 | 64% | 69% | 70% | 69% | 68% |
2022年 | 65% | 68% | 71% | 72% | 69% |
2021年 | 70% | 63% | 68% | 81% | 70% |
※ 出典:全日本SEO協会「過去の合格率」

同じページでは2019年の全級平均が82%、2020年が81%と公表されており、2021年以降は7割前後に下がりました。下がった理由は公表されていないため、ここでは推測を控えます。
合格基準は得点率80%以上です。80問なら64問以上の正解が必要で、落とせるのは16問までと考えられます。合格率が7割前後でも、テキストの一部を読み飛ばしたまま受かる試験ではありません。
ただし、1級の試験範囲は4冊分のテキストに及びます。合格率の数字だけを並べて級ごとの難しさを比べると、準備に必要な学習量を見誤るでしょう。
上位の級ほど範囲が広がる積み上げ式の出題
ここで見落とされがちなのが、試験範囲の組み立て方です。公式サイトの試験概要では、2025年以降の試験範囲が次のように定められています。
- 3級:3級と4級の公式テキスト
- 2級:2級・3級・4級の公式テキスト
- 1級:1級・2級・3級・4級の公式テキスト
つまり、1級の試験範囲は、1級から4級までの公式テキスト4冊分です。1級のテキストだけを読んで1級に臨むと、下の級の範囲から出る問題で点を落とします。

裏を返せば、4級から順に受けるかどうかは、受験の回数と費用の問題にすぎません。4冊を読み通す学習量は、4級から順に受けても1級から受けても同じだからです。
※ 試験範囲は公式テキストの版によって変わります。受験前に各級の試験概要ページで最新の範囲を確認してください。
何級から受けるかの判断基準
公式サイトのよくある質問では、どの級からでも申し込めると明記されています。同日に時間をずらして別の級を受けることもでき、2級が不合格でも1級は合格という結果もありえるとの回答です。
そのうえで何級から受けるかは、4冊のうちどこまで読み込めるかで決めると迷いにくくなります。
- SEOという言葉を業務で初めて聞いた:4級から受け、SEOの全体像を先に押さえる
- キーワードを選んで記事を書いた経験がある:3級から受け、4級の範囲は3級の準備で読む
- 記事の制作や改善を1年以上担当している:2級から受け、弱い分野を問題集で確かめる
- 4冊を読み通す時間を先に確保できる:1級を目標に据え、下の級は理解度の確認に使う

未経験でWeb担当になりました。上司に資格を取るよう言われていますが、いきなり3級から受けても大丈夫でしょうか。
編集部
受けること自体はできます。3級の範囲には4級のテキストも入っているので、4級のテキストから読み始めて、問題集で8割取れるようになってから3級に申し込めば、4級を受ける費用と日程を1回分省けます。ただ、SEOの用語に初めて触れる段階なら、4級を受けて合格という区切りを作ったほうが学習を続けやすい方もいます。
SEO検定のメリットと限界
SEO検定を受ける価値は、知識の抜けを見つけられる点にあります。実務で必要になった項目だけを調べて覚えてきた方ほど、体系立てて学ぶと自分の知らなかった分野に気づきます。一方で、資格では証明できないことも押さえておきましょう。
- 検索エンジンの仕組みから外部対策までを決まった順番で学べる
- 得点率80%の基準で、理解できていない分野が点数に出る
- 認定証やロゴで、学んだ範囲を社内外に示せる
- 資格に有効期限がなく、更新費用がかからない
- 自社サイトで実際にどのキーワードを選ぶかは、試験では確かめられない
- 選択式の試験のため、記事を書く力は測られない
- 公式テキストの版が改まるまでの間、新しい検索の動きは反映されない
とりわけ実務との差が出るのが、狙うキーワードの決め方です。3級のテキストは目標キーワードの設定方法まで扱いますが、試験が確かめるのはその知識です。実務では、自社の商品と読者の悩みが重なるキーワードを選び、書かないキーワードを決める判断が求められます。
SEOの知識は増えたのに、自社で何を書くかが決まっていませんか
Writers-hubのSEOキーワード戦略設計では、サイト全体のキーワードを調べ、競合の状況と読者の悩みを照らし合わせたうえで、どの記事から書くかの順番をまとめます。検定で学んだキーワードリサーチの知識を、自社の記事計画に落とし込む段階からお手伝いします。
受験費用と申し込みの流れ
受験費用は、会場受験かオンライン受験か、教材を別に買うかどうかで変わります。公式サイトの価格早見表をもとに、税込の金額をまとめました。
級 | 会場受験 | オンライン受験 | ダウンロード学習コース |
|---|---|---|---|
1級 | 9,900円 | 11,000円 | 22,000円 |
2級 | 7,700円 | 9,900円 | 19,800円 |
3級 | 6,600円 | 8,800円 | 15,400円 |
4級 | 6,600円 | 8,800円 | 13,200円 |
※ 出典:全日本SEO協会「価格早見表」。ダウンロード学習コースには公式テキスト(PDF)、問題集・模擬試験問題(PDF)、動画講座、受験料1回分が含まれます。再受験には同額の受験料がかかります。
会場試験は東京、名古屋、大阪、神戸、福岡で日曜日に開かれ、東京は毎月1回の開催予定です。オンライン試験は2月・4月・6月・8月・10月・12月の日曜日に予定されています。申し込みは次の順で進めます。
公式サイトの試験日程ページで、会場かオンラインか、受験日を決めます。申込締切は試験日の1週間ほど前に設定されています。
公式テキストと問題集を買うか、ダウンロード学習コースを申し込みます。受験する級より下の級のテキストも範囲に入る点に注意します。
各級のお申込みページから申し込みます。受験票は届かず、お申し込み番号がそのまま受験番号になります。
会場では受付で身分証明書を提示します。合否は試験日から14日以内に郵送で届きます。
オンライン試験は、カメラとマイクが使えるパソコンで受けます。タブレットやスマートフォン、ヘッドセットやイヤホンは使えず、ブラウザはGoogle ChromeかMicrosoft Edgeの最新版に限られます。途中で接続が切れるとその時点で試験終了となるため、公式サイトの案内に沿って受験環境テストを事前に済ませてください。

SEO検定の勉強方法
SEO検定の勉強は、公式テキストと問題集を軸に進めるのが基本です。試験範囲が公式テキストの全ページと定められているため、市販のSEO入門書を何冊も読むより、テキストを繰り返すほうが得点に結びつきます。
受ける級の範囲に入るテキストを、4級から順に1回通して読みます。この段階では覚えるより、分からない用語に印を付けることを優先します。
公式問題集・模擬試験問題を解き、間違えた問題のページをテキストで読み返します。合格基準と同じ8割を安定して超えるまで繰り返します。
タイトルの付け方や内部リンクなど、テキストで学んだ項目を自社サイトのページで実際に確認します。
3つ目の手順は試験対策としては遠回りに見えますが、理解の定着に役立つはずです。テキストの説明を実際のページと見比べると、用語が具体的な画面の要素と結びつきます。
公式テキストと問題集はKindle版も出ています。移動中に読み進めたい方は、紙の版と使い分けると学習時間を確保しやすくなります。
SEOライティングも含めて学ぶ順番を整理したい方は、SEOライティングの勉強法の記事もあわせてご覧ください。Googleが公開している検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイドも、無料で読める一次資料として役立ちます。
合格後に知識を実務へ移す方法
ここで、SEO記事を制作してきた立場から本音を言えば、SEO検定に合格した方がすぐに検索順位を上げられるとは限りません。試験が確かめるのは知識の範囲で、実務で求められるのは、限られた本数と期限の中で何を優先するかの判断だからです。
合格だけでは身に付かない優先順位の判断
合格が示すのは知識の範囲で、成果を出す手順は自社の記事で試して身に付きます。弊社が書き手を育てる際も、資格の有無より、実際に書いた記事と、公開後に順位や表示回数をどう確かめたかの記録を見ています。
- 合格したことを理由に、既存記事をまとめて書き直す
- テキストに載っている施策を、優先順位を付けずに全部試す
- 公開後の表示回数や順位を確かめずに、次の記事へ進む
学んだ項目を記事1本で試す進め方
試す範囲を記事1本に絞ると、どの変更が数字に表れたのかを見分けやすくなります。

進め方は、学んだ項目を1つ選び、自社サイトの記事1本で試すことです。たとえば3級で学ぶページ内のキーワードの書き方とサイト内リンクの組み方で既存記事を1本見直し、Search Consoleで表示回数と掲載順位の変化を数週間追えば、知識が自社のサイトでどう働くかを確かめられます。社内でこの流れを回す体制づくりは、SEOの内製化を工程ごとに進める記事で詳しく扱っています。
検定で学んだ知識を、社内の記事制作で回せる体制にしたくありませんか
Writers-hubのSEO記事内製化支援では、キーワードの選び方から構成、執筆、公開後の確認までの工程を社内に移し、自社でSEO記事を作れる体制を3か月で整えます。担当者がSEO検定で学んだ内容を、実際の記事制作の手順として定着させる段階を伴走します。
SEO検定でよくある質問
SEO検定について、受験を検討している方から寄せられやすい質問に短く答えます。
書けます。民間資格のため、「SEO検定2級(一般社団法人全日本SEO協会)合格」のように主催団体と級をあわせて書くと、読み手に伝わりやすくなります。
ありません。全日本SEO協会のよくある質問で、有効期限がなく協会への入会義務もないと回答されています。ただし検索の仕組みは変わり続けるため、知識は合格後も更新が必要です。
できます。公式サイトでも、公式テキストと問題集だけで学ぶ独学での受験が可能と案内されています。動画講座が必要かどうかは、テキストを読んで理解できない箇所の多さで判断するとよいでしょう。
あります。全日本SEO協会のよくある質問では認定SEOコンサルタント養成スクールも案内されており、他の団体が主催する資格もあります。主な資格の中身はSEOライティングの資格を比べた記事で整理しています。
資格は判断材料の1つになりますが、それだけで決めるのはおすすめしません。依頼前に、そのライターが書いた記事と、狙ったキーワードで公開後にどう確かめたかを見せてもらうほうが、仕上がりを見通しやすくなります。
まとめ|SEO検定は級よりどこまで読むかで選ぶ
SEO検定は、全日本SEO協会が主催する4級から1級までの民間資格です。どの級も選択式80問・60分・得点率80%以上で合否が決まり、直近5年の合格率は6割台から7割台で推移しています。
押さえておきたいのは、上位の級ほど下の級のテキストも試験範囲に入るという点です。何級から受けるかは、4冊のうちどこまで読み込めるかで決めれば、受験の回数と費用を無理なく調整できます。そして合格後は、学んだ項目を自社サイトの記事1本で試し、Search Consoleで結果を確かめるところまで進めましょう。
私たち合同会社Writers-hubは、SEO記事の制作とあわせて、企業が自社でSEO記事を作れるようにする内製化支援を行っています。担当者が検定で学んだ知識を、キーワードの選定から公開後の確認までの社内の手順に組み込むところからご相談いただけます。
担当者の学習と社内の記事制作を、どうつなげるか整理しませんか
担当者の方の現在の知識と、社内で記事を作るために使える時間を伺い、どの工程を社内で担い、どこを社外に任せるかの切り分けを一緒に整理します。







