「成果報酬型なら、上位に出なかった月は払わずに済むから、損はしなさそう」。料金の案内に「上位に表示された日だけ費用がかかります」とあると、うまくいかなくても出費の無い契約に見えます。ところが、成果報酬型のSEOで「成果」とされるのは多くの場合、指定したキーワードでの検索順位で、そのキーワードで問い合わせが来るかは別の話です。
本記事では、成果報酬型の「成果」の中身から、契約の前に社長が決めておくこと、業者に聞く質問まで、SEO対策を請け負う会社の視点で順を追ってお伝えします。
- 成果報酬型のSEOで費用がかかる条件は多くの場合順位で、問い合わせの数は条件に入っていない
- 検索する人が少ないキーワードや調べもののキーワードでは、順位が上がっても問い合わせは増えにくい
- 契約の前に、問い合わせの数え方を決め、狙うキーワードの順位を記録しておく
- 業者には、どのキーワードで何位になると何件の問い合わせが見込めるかを、計算の根拠と一緒に聞く
- 1年に払う額を同じ式で出すと、成果報酬型と月額固定型を問い合わせ1件あたりの費用で比べられる
成果報酬型のSEOで「成果」とされるもの
成果報酬型のSEOで「成果」とされるのは、多くの場合、契約で指定したキーワードでGoogleの検索結果の決まった順位に入ることです。たとえば、10位以内に入った日ごとに日額がかかる形や、1か月に何日入ったかで月の料金が決まる形があります。
1か月に払う額に上限を決めた契約や、アクセス数を成果にする契約もあります。順位を成果にする契約では、問い合わせの数は払う条件に入っていません。
上位に出なければ払わなくていいのなら、損はしないはずですよね。
編集部
上位に出なかった月に払わずに済むのは確かです。ただ、払う条件は順位なので、上位に出ても問い合わせが来なかった月にも費用はかかります。損をしないかどうかは、指定したキーワードで上位に出たときに、問い合わせが来るかで決まります。
順位が上がっても問い合わせが増えない理由
順位が上がっても問い合わせが増えない理由は、キーワードの選び方とページの作りにあり、3つに分けられます。どれも、順位が契約の条件を満たしたまま起こります。

検索する人が少ないキーワード
検索する人が少ないキーワードでは、1位になっても、サイトに来る人はほとんど増えません。月に数回しか検索されないキーワードなら、1位でクリックされても、来る人は月に数人です。
順位を成果にする契約では、業者は順位を取れた日にしか報酬を受け取れません。業者には順位を取りやすいキーワードを選ぶ理由があり、検索する人が少ないキーワードは狙う会社も少ないので、順位を取りやすくなります。
払う条件が順位だと、選ぶキーワードが社長と業者でずれることがあるので、キーワードを業者に任せきりにせず、社長が選んだキーワードを契約に入れます。
調べものの段階で使われるキーワード
言葉の意味や自分でやる方法を調べるキーワードでは、検索する人がまだ頼む先を探していないことがあります。
たとえば、リフォーム会社が「浴室 カビ 取り方」で1位になっても、検索した人は自分で掃除する方法を探しています。見積もりを頼む先を探している人は、「地域名+浴室リフォーム」のように、地域や費用の言葉を入れて検索します。
問い合わせの方法が見つからないページ
検索から来た人が問い合わせの方法を見つけられないページでは、順位が上がっても、読んで帰る人が増えるだけです。料金の目安や対応する地域、電話番号、フォームへのボタンが見えないと、比べている途中の人は次の会社のページへ移ることがあります。
成果報酬型の契約では、ページを直す作業が成果の条件に入っていないことがあります。指定したキーワードでスマートフォンから検索し、自社のページを開いて、電話番号と問い合わせのボタンが最初の画面に見えるかを社長が自分で確かめます。
順位の報告は届くのに、問い合わせの数は変わっていませんか
当社のSEO対策は、1か月目に現状の分析と設計を行い、2か月目から実行して、毎月の報告と見直しを行います。彦根市とその周辺は訪問し、県外はオンラインで対応します。順位の保証はしていません。
契約の前に社長が決めておくこと
契約の前に社長が決めておくことは3つあり、どれも業者に会う前に社内で決められます。決めておくと、業者の見積もりを順位ではなく、問い合わせの数で比べられます。
成果として数える問い合わせ
成果として数える問い合わせは、お客さんになりうる人からの連絡だけにし、営業の連絡は数えません。フォームから届く売り込みまで数えると、問い合わせが増えたように見えてしまうためです。
月ごとに書く欄は、次の表の6つです。
欄 | 書くこと |
|---|---|
フォーム | フォームから届いた問い合わせの件数 |
電話 | 新しいお客さんからかかってきた電話の件数 |
見積もり依頼 | 見積もりを頼まれた件数 |
検索から来た件数 | フォーム・電話・見積もり依頼のうち、検索で会社を知った人の件数 |
受注 | 問い合わせから契約や購入になった件数 |
売上 | 受注した分の売上の額 |
記録表は表計算のシートに1か月1行で作り、業者に頼む前の月から書き始めます。検索で会社を知ったかは、フォームに「当社を何で知りましたか」の選択肢を足し、電話では話の最後に聞くと分かります。
狙うキーワードと契約前の順位の記録
狙うキーワードは、問い合わせてくるお客さんが検索窓に入れそうな言葉で、社長が選びます。最近問い合わせてきたお客さんに、何と入れて検索したかを聞くと、候補が見つかります。
選んだキーワードの契約前の順位は、Googleの無料のツール「Search Console」の平均掲載順位で確かめます。Search Consoleは、自社のサイトが検索結果に何回表示され、何回クリックされたかを見られるツールです。
Search Consoleにログインして自社のサイトを選び、検索パフォーマンスのレポートを開きます。開いた直後は、過去3か月のGoogle検索でのクリック数と、インプレッション数(検索結果にサイトが表示された回数)が出ます。
グラフの上に並ぶ数字のうち「平均掲載順位」を押すと、グラフと表に順位が加わります。
レポートの上の「フィルタを追加」から「クエリ」を選び、「次を含むクエリ」にキーワードを入れて「適用」を押します。スペースの有無まで文字どおりに絞り込まれるので、「外壁塗装 費用」と「外壁塗装費用」は別に調べます。
表の「クエリ」のタブで、キーワードごとのクリック数、インプレッション数、平均掲載順位を、調べた日と期間を添えて記録表に写します。
「エクスポート」のボタンで表を書き出し、調べた日をファイル名に入れて保存します。
(参考:検索パフォーマンス レポート(検索結果): 概要と基本設定(Search Console ヘルプ))
表にキーワードが出てこないときは、「出てこない」と記録します。業者に頼む前の数字を、社長の手元に残します。頼んだ後に順位が上がったと報告されたとき、この記録と見比べられます。クエリの表の読み方は、サーチコンソールの上位のクエリの見方にまとめました。
毎月の報告に入れる数字
毎月の報告には、次の4つが1枚に並ぶようにします。
- 狙うキーワードごとの順位
- 同じキーワードのクリック数とインプレッション数
- その月に業者がした作業
- 社長の記録表にある問い合わせの数
電話や見積もり依頼の数は、業者からは見えません。社長が毎月の記録表を業者に渡し、順位と同じ表に並べてもらいます。

見積もりと契約で業者に確かめること
見積もりと契約の段階では、業者に確かめることが3つあり、どれも答えを書面かメールで受け取ります。口頭の説明だけでは、請求が来たときに条件を見比べられないためです。
契約書にある成果の定義
契約書で「成果」の定義を確かめる箇所は、次の4つです。どれかが書かれていなければ、契約の前に書き足してもらいます。
- 対象のキーワード:成果の条件になるキーワードが、スペースの有無まで1字ずつ書かれているか
- 順位の条件:何位以内に入った日に費用がかかり、順位によって金額が変わるか
- 計測の方法と頻度:どの道具で、どの地域と端末から、1日に何回測るか
- 上限額:1か月に払う額の上限と、初期費用があるか
計測の方法が決まっていないと、どちらの順位で払うかが決まりません。検索結果は、検索した時間や場所、端末、その人の最近の履歴で変わります。業者の道具が測った順位と、社長が自分のスマートフォンで見た順位が違うのは、測る条件が違うためです。
業者に聞く質問
業者に聞く質問は、次の4つです。
- キーワードごとに、何位になると月に何件の問い合わせが見込めるか
- 毎月、サイトの中と外にどんな作業をするか
- 毎月の報告に、社長が渡した問い合わせの数を順位と並べて載せるか
- 解約の条件と、解約した後に業者が作ったページやリンクがどうなるか
何件の問い合わせが見込めるかは、次の掛け算で出せます。
見込める問い合わせの件数=キーワードが月に検索される数×その順位でクリックされる割合×サイトに来た人が問い合わせる割合
業者には、3つの数字をそれぞれどこから持ってきたかも聞きます。サイトに来た人が問い合わせる割合は、記録表の「検索から来た件数」のうち、Googleの検索で会社を知った人の件数を、同じ期間のSearch Consoleのクリック数で割ると、おおよその自社の数字が出せます。
毎月の作業で「外のサイトからのリンクを増やします」と答えた業者には、リンクをどう作るかまで聞きます。ランキングを上げるためにリンクを売り買いすることは、Googleのスパムに関するポリシーに反します。ポリシーに反したサイトは、検索結果の順位が下がったり、表示されなくなったりすることがあり、その影響を受けるのは社長のサイトです。
(参考:Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー(Google 検索セントラル))
Googleの検索で1位に出ることは、誰にも保証できません。「必ず上位にします」と言われたら、何をして上位にするのかと、上位に出なかったときに何をするのかを聞きます。
(参考:SEO 業者の利用を検討する(Google 検索セントラル))
成果報酬型に限らない、SEO会社の選び方と商談での聞き方は、SEO会社の選び方と注意点にまとめました。
1年に払う額の比べ方
1年に払う額は、成果報酬型と月額固定型を同じ式に入れ、問い合わせ1件あたりの費用で比べます。
記入する数字 | 成果報酬型 | 月額固定型 |
|---|---|---|
初期費用 | 契約書の金額 | 契約書の金額 |
1か月の支払い | キーワードごとの日額×条件の順位に入った日数の合計、上限まで | 月額 |
1年の支払い | 初期費用+1か月の支払い×12 | 初期費用+月額×12 |
1年で見込む問い合わせ | 業者から聞いた月の件数×12 | 業者から聞いた月の件数×12 |
問い合わせ1件あたりの費用 | 1年の支払い÷1年で見込む問い合わせ | 1年の支払い÷1年で見込む問い合わせ |
仮に、3つのキーワードの日額の合計が3,000円で、どれも毎月20日ずつ条件の順位に入ると、1か月の支払いは6万円、1年で72万円です。相場ではなく、計算の形を見るための仮の数字です。
1年の支払いが最も大きくなるのは毎月上限まで払ったときなので、月額固定型と比べるときは、初期費用に上限額の12か月分を足した額も並べます。
見込む問い合わせが0件のキーワードでは、1件あたりの費用は出せません。そのキーワードの費用は、問い合わせではなく順位に払うお金です。

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