「社労士のSEOは、法改正や助成金の解説記事を増やして、労務に詳しい事務所だと検索エンジンに伝えること」。法改正のたびに書く題材が出てきて、記事の本数も目に見えて増えるので、まず記事から手を付けたくなります。ところが、2026年10月に「就業規則 作成 社労士 大阪」で検索すると、上位10件に解説記事は1件も無く、9件が社労士事務所のページでした。社労士のSEOは、地域名と業務で探す事業主に向けた業務ページとGoogleマップから整え、書く内容は社会保険労務士の広告の決まりに合わせます。
本記事では、社労士を探す人が使う検索から、業務ページの中身、広告の決まり、Googleマップの事務所情報まで、記事制作の会社の視点で順を追ってお伝えします。
- 社労士を探す事業主は地域名と業務で検索し、上位には事務所の業務ページが並ぶ
- 業務ページには、対象の事業主、依頼の流れ、報酬の基準、資格で受けられる範囲を書く
- 業務の内容や報酬について、著しく事実と違う広告は、社会保険労務士法施行規則が禁じている
- サイトとGoogleマップの事務所名は、社会保険労務士会に登録した名前にそろえる
- 口コミは、謝礼を付けず、書く内容を指定せずに頼む
社労士を探す人が使う検索と事務所が出る場所
社労士のSEOで狙うのは、「就業規則 作成 社労士 大阪」のように、地域名と頼みたい業務を組み合わせた検索です。事務所が出る場所は、業務ごとのページと、Googleマップの事務所情報の2つになります。
2026年10月に、地域名と業務を組み合わせた3つの検索で、上位10件に並んだページを調べました。
検索 | 上位10件に並んだページ |
|---|---|
就業規則 作成 社労士 大阪 | 社労士事務所のページが9件で、うち7件は就業規則の作成を案内するページ |
助成金 社労士 福岡 | 社労士会とポータルサイトのページのほかは、助成金の申請の代行を案内するページ |
労務相談 札幌 | 社労士事務所のページは0件で、市や労働局、労働組合などの無料の相談窓口 |
「労務相談」のように働く人も使う言葉の検索結果には、公的な相談窓口や労働組合の相談センターも並びます。業務ページのタイトルと1文目には、「事業主の方の労務相談」のように依頼する人が分かる言葉を入れておくと、事業主が自分向けのページだと判断できます。
Googleマップについては、現在地付近の店舗や場所を検索すると、GoogleマップとGoogle検索にローカル検索結果を表示するとGoogleが説明しています。同じ時期に、6つの市の名前と「社労士」か「社会保険労務士」でGoogleマップを調べると、どの市でも社労士事務所や社労士会が10件ずつ表示されました。
士業の名前の検索と業務の名前の検索で、上位に入るページを士業ごとに比べた結果は、「士業のSEO対策は業務の名前で狙う|業務ページの作り方と広告の決まり」で扱っています。

社労士事務所の業務ページに書く中身
社労士事務所のサイトには、就業規則の作成、助成金の申請、労務相談、給与計算のように、受けたい業務ごとにページを作り、タイトルに地域名と業務の名前を入れます。
対象の事業主と依頼の流れ
業務ページの冒頭には、どんな事業主から依頼を受けるかを書きます。業種や従業員の数、出向ける地域のように事務所が受ける範囲を書いておくと、読んだ事業主は自社が対象かをすぐに判断できます。
続けて、依頼から納品までの流れと、それぞれにかかる期間の目安を書きます。就業規則の作成なら、聞き取りから案の作成、修正、届出までのうち、どこを事務所が受け持ち、どこで事業主に確認してもらうかを書きます。
報酬の基準
社会保険労務士法施行規則は、社労士が業務を受任しようとするときに、あらかじめ報酬額の算定の方法などの報酬の基準を示すよう定めています。業務ページに載せる報酬は、受任の前に示す報酬の基準と同じ内容にそろえます。
報酬を「要相談」とだけ書いたページでは、事業主は問い合わせる前に費用の見当が付けられません。顧問料のように従業員の数で変わる報酬は、何人までならいくらという区切りで書くと、事業主が自社に当てはめられます。
資格で受けられる業務の範囲
業務ページは、社会保険労務士法第2条が定める業務の範囲で書きます。労働局の紛争調整委員会などでのあっせんの手続きのように、社会保険労務士法第2条第1項第1号の4から第1号の6までに定められた手続きで当事者を代理する業務は、紛争解決手続代理業務試験に合格し、付記を受けた特定社会保険労務士だけが行えます。
労働トラブルのページで手続きの代理を案内するなら、事務所に特定社会保険労務士がいることをページに書きます。第2条は、ほかの法律で制限されている事務は社労士の業務に含まれないとも定めているので、ほかの士業に頼む部分がある相談は、事務所で受ける部分と分けて書きます。
助成金の制度の情報
助成金のページに制度の名前や支給額、要件を載せるなら、厚生労働省の「事業主の方のための雇用関係助成金」のページや労働局の窓口で、今の内容を確かめてから載せます。助成金の内容は改定されることがあり、古い内容が残ったページでは、事業主が依頼の判断に使う情報が実際と食い違います。
確かめた日をページに書いておくと、読んだ事業主も、いつの時点の情報かを判断できます。
「就業規則 作成」と地域名で調べて、事務所のページは出ていますか
事務所のサイトのURLと、依頼を増やしたい業務を3つほどお知らせください。業務の名前と地域名で検索したときに事務所のどのページが出ているかを調べ、対象の事業主や報酬の書き方も含めて、足りないページを一緒に確かめます。広告の決まりに合うかは、所属の社会保険労務士会で確かめてください。
社労士の広告に当てはまる決まり
社労士事務所のサイトに当てはまる広告の決まりは、主に社会保険労務士法施行規則と、全国社会保険労務士会連合会の会則に書かれています。社会保険労務士法の本文には、広告についての条文がありません。
決まり | 定めていること |
|---|---|
社会保険労務士法施行規則の第12条の11第2項 | 業務の広告で、重要事項について、著しく事実に相違する表示や、実際より著しく優良・有利と人に誤認させる表示をしない |
連合会の会則の第43条の4第3項 | 誇大または虚偽の事項で相手方を欺くおそれがある方法で、広告や宣伝をしない |
連合会の会則の第43条の4第4項 | 相手方の承諾を得ずに、電子メールで広告を送らない |
景品表示法の第5条 | サービスの内容や取引条件を、一般消費者に実際より著しく優良・有利と誤認させる表示をしない |
社労士は、所属する社会保険労務士会の会則と連合会の会則を守る義務を、社会保険労務士法で負っています。施行規則は法に基づく命令なので、違反すると、法第25条の3により戒告、1年以内の業務の停止、失格処分のいずれかの懲戒処分を受けることがあります。

業務の内容と報酬の表示
施行規則が「重要事項」と呼ぶのは、業務の内容や報酬のように、依頼しようとする人の判断に影響する事項です。業務ページと報酬のページは、受けている業務と報酬のとおりに書きます。
連合会は、社会保険労務士白書2026年版で、会員の広告などの情報発信に、違法あるいは脱法的な表現で利用者を誤認させるものや、過度な期待を持たせる表現があってはならないとしています。助成金の受給や手続きの結果を約束するように読める言い回しは、公開する前に所属の社会保険労務士会に確かめます。

登録した事務所名
開業社労士は、事務所の名称と所在地を社会保険労務士名簿に登録し、業務を行う事務所は原則として1か所に限られます。運営者の表示とGoogleマップの事務所名には、登録した事務所名をそのまま使います。
障害年金の相談を増やしたいので、事務所とは別に「○○障害年金相談センター」という名前のサイトを作ろうと考えています。問題はありますか?
編集部
茨城県社会保険労務士会のFAQは、登録した事務所名と違う屋号で広告することを、実際には存在しない事務所名での虚偽の広告に当たるとしています。サイトを分けるとしても、事務所名は登録した名前のまま書き、名前の付け方は所属の会に確かめてください。
茨城県社会保険労務士会のFAQは、登録した事務所名と違う事務所名で社労士業務を引き受けることは社会保険労務士法違反になるとも書いています。
公正な立場と労使関係
2025年の改正で社会保険労務士法第1条に置かれた社労士の使命は、事業の健全な発達と、労働者等の福祉の向上などに資することです。第1条の2は、社労士に公正な立場で誠実に業務を行うよう求め、連合会の会則は、適正な労使関係を損なう行為を禁じています。
経営者の側に立つことを強く打ち出す言い回しや、解雇や退職の進め方を扱う解説記事を載せるときも、公開する前に所属の社会保険労務士会に確かめます。
連合会は、「社労士の職業倫理に照らし不適切と考えられる情報発信に関する指導指針」を2016年に作り、2025年に改定しました。連合会は、改定した指針の趣旨を、会員向けのページと倫理研修のテキストに載せています。連合会は全国の会員のホームページなどを検索するシステムを運用し、結果を都道府県の社会保険労務士会と共有しています。
個人向けの業務と景品表示法
障害年金の請求の手続きのように、個人から依頼を受ける業務のページには、景品表示法も関わります。景品表示法は、サービスの内容を実際より著しく優良と一般消費者に示す表示や、取引条件を著しく有利と誤認させる表示を、不当な表示として禁じています。
消費者庁は、合理的な根拠がなく事実と異なる「No.1」の表示は景品表示法上問題になるとしています。故意ではなく誤って表示した場合も規制の対象になると説明しています。
Googleマップの事務所情報の整え方
Googleマップに出す事務所の情報は、Googleビジネスプロフィールで整えます。Googleは、ローカル検索結果は主に関連性、距離、知名度で決まるとし、オーナー確認を済ませて情報を正確に充実させるほど、表示される可能性が高くなると説明しています。
関連性は検索語句とプロフィールが合う度合いで、知名度にはリンクしているサイトの数や口コミの数なども含まれます。距離は検索した人がいる場所で決まるため、事務所が手を入れられるのは関連性と知名度です。

事務所名とカテゴリ
事務所名の欄には、登録した事務所名だけを入れます。Googleのガイドラインは、看板などで一貫して使っている実際の名称を使うよう求め、ビジネス名に不要な情報を含めるとプロフィールが停止される場合があるとしています。
事務所名の後ろに「助成金」「障害年金」のような業務の名前や、「○○駅前」のような所在地を足さないでください。Googleのガイドラインは、サービスの情報と所在地の情報を、ビジネス名に追加できない情報の例に挙げています。
カテゴリは、中心となる事業を示す最も具体的なものを、できるだけ少なく選びます。2026年10月に6つの市でGoogleマップを調べると、表示された社労士事務所57件のカテゴリは「コンサルタント」が29件、「人事コンサルティング」が10件で、「社会保険労務士」と表示された事務所はありませんでした。登録の画面でカテゴリ名を入れて候補を見比べ、事務所の中心の業務に最も近いものを選びます。
住所と営業時間
住所の欄には、社会保険労務士会に登録した事務所の所在地を入れます。見落とされがちですが、Googleに住所を載せるなら、その住所に事務所名の看板を常に出しておく必要があります。郵送先として借りているだけで実際にはサービスを提供しない住所は、登録できません。
看板を出さずに顧問先へ出向いて仕事をする事務所は、住所を表示しない非店舗型のプロフィールにして、サービスを提供する地域を指定します。
営業時間には、相談を受け付ける通常の時間を入れます。完全予約制の事務所は、Googleのガイドラインでは営業時間を指定しないビジネスに当たります。
口コミの頼み方
Googleの口コミのポリシーは、口コミの投稿と引き換えに、割引や無料のサービスなどのインセンティブを付けることを禁じています。肯定的な口コミを選んで募ることや、その場で書くことを要求したり強要したりすること、書く内容を指定することも禁じられています。
インセンティブを付けず、口コミの内容に影響を与えようとせずに、実体験に基づく口コミを募ることは、同じポリシーで許可されています。
Googleマップの事務所名と住所、登録どおりになっていますか
Googleビジネスプロフィールの画面と、事務所のサイトのトップページのURLを見せてください。事務所名・住所・電話番号・営業時間のうちサイトと食い違っている所と、事務所名の欄に業務の名前や地域名を足していないかを、一緒に確かめます。
社労士のSEOでよくある質問
社労士のSEOでよくある3つの質問に答えます。
労務の解説記事は書いたほうがいい?
労務の解説記事は、業務ページとGoogleマップの事務所情報を整えた後に書き、記事の最後に関係する業務ページへの案内を置きます。解説記事を読んだ事業主が依頼に進む先として、業務ページが要るためです。
法改正を扱う記事には、どの時点の法令に基づく内容かを書きます。改正の前の内容のまま残った記事を読んだ事業主は、古い手続きのまま準備を進めてしまいます。
顧問先の名前や事例を載せてもいい?
社会保険労務士法第21条は、開業社労士が、正当な理由なく、業務に関して知り得た秘密を漏らすことを禁じています。顧問先の名前や相談の中身をサイトに載せるのは、顧問先の了解を得てからにします。
名前を伏せた事例でも、業種や地域、従業員の数を重ねると、どの会社か分かることがあります。どこまで書けるかは、了解を得るときに顧問先と決めます。
効果が出るまでどのくらい?
SEOの効果が出るまでには、一般に3〜6か月ほどかかると言われます。期間は、事務所のサイトの今の状態と、狙うキーワードの競合の強さで変わります。
事務所のパソコンで「社労士」と地域名を検索すると、事務所が近いため、Googleマップの一覧で上に出やすくなります。Googleは、ローカル検索結果の距離を、検索した人がいる場所をもとに決めるとしています。順位は、顧問先が多い地域の駅などで検索して確かめます。
まとめ|社労士のSEOは業務ページとGoogleマップから
社労士のSEOで先にすることは、解説記事を増やすことではなく、地域名と業務で探す事業主が見る業務ページと、Googleマップの事務所情報を整えることです。業務ページには対象の事業主、依頼の流れ、報酬の基準、資格で受けられる範囲を書き、事務所名はサイトでもGoogleマップでも登録した名前にそろえます。
書く内容は、施行規則と連合会の会則にある広告の決まりに合わせ、業務の内容と報酬を実際どおりに書きます。
私たち合同会社Writers-hubは、累計8,000記事以上を制作してきた記事制作の会社です。社労士事務所のサイトとGoogleマップの事務所情報を、どこから整えるかの相談を受け付けています。
地域名と業務の名前で調べたとき、事務所のどのページが出ていますか
事務所のある地域の名前と、受けたい業務を3つほどお知らせください。地域名と業務の名前の検索で今どのページが出ているかを見たうえで、Googleマップの事務所情報と業務ページのどこから整えるかを一緒に決めます。







