「コンテンツ力を上げるには、文章をもっと上手に書けばよさそう」。「力」という言葉から書き手の腕前を思い浮かべやすいため、コンテンツ力は文章や企画のセンスを磨く話だと受け取られがちです。
ところが、上手に書いた記事でも、検索結果に表示されなければ読まれず、読まれても問い合わせにつながらなければ事業の成果になりません。コンテンツ力は3つの力に分け、数字で測って直します。
本記事では、コンテンツ力の分け方から、Search ConsoleとGA4で見る指標、弱い力を見分ける手順まで、累計8,000記事以上を制作してきた記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- コンテンツ力は決まった定義のある言葉ではなく、読者の疑問に答え切る力、届ける力、成果につなげる力の3つに分けると直す場所が決まる
- 届ける力はSearch Consoleの表示回数とクリック率、答え切る力はGA4のエンゲージメント率、成果につなげる力はGA4のキーイベントの数で測る
- 弱い力は、検索した人が通る順に数字を見て、最初に数字が落ちる段階で見分ける
- エンゲージメント率では読者が答えを得たかまでは分からないため、答え切る力は本文を読んで確かめる
コンテンツ力とは何を指す言葉か
コンテンツ力は、記事や動画などのコンテンツが、人を集めて目的の行動まで動かす力を指して使われる言葉です。決まった定義のある言葉ではなく、個人の発信の面白さを指す人もいれば、企業のWebサイトが問い合わせを集める力を指す人もいます。
企業のWebサイトに載せる記事に限ると、コンテンツ力は次の3つの力に分けて考えられます。3つの分け方は決まった定義ではなく、弱いときに直す場所ごとに分けた一つの考え方です。
- 読者の疑問に答え切る力:検索した人の疑問に、記事の中で最後まで答える力
- 届ける力:記事を検索結果に表示させ、検索した人に選ばれる力
- 成果につなげる力:読んだ人を、問い合わせなどの次の行動へ進める力
3つに分けるのは、力ごとに直す場所が違うからです。答え切る力が弱ければ本文を、届ける力が弱ければ狙うキーワードとタイトルを、成果につなげる力が弱ければ記事から次の行動への案内を直します。

文章の出来だけでは、コンテンツ力は決まりません。
上司から「うちの記事はコンテンツ力が足りない」と言われました。文章をもっと上手に書けば解決しますか?
編集部
検索した人の疑問に答え切れていない記事なら、本文を書き直すと効果があります。ただ、記事が検索結果に表示されていない場合や、読まれているのに問い合わせが来ない場合は、書き直す前に届ける力と成果につなげる力を数字で確かめるほうが先です。
コンテンツという言葉そのものの意味や種類は、コンテンツとは?意味・種類・具体例と「良質」の条件で紹介しています。
3つの力を測る指標とツール
3つの力は、検索した人が記事を見つけてから問い合わせるまでの順に、Search ConsoleとGA4で力ごとに次の指標を見て測ります。
力 | 見る指標 | 見るツールと画面 |
|---|---|---|
届ける力 | 表示回数、クリック率 | Search Consoleの検索パフォーマンスのレポート |
読者の疑問に答え切る力 | エンゲージメント率 | GA4のランディングページのレポート |
成果につなげる力 | キーイベントの数 | GA4のランディングページのレポート |
届ける力を測る表示回数とクリック率
届ける力は、Search Consoleの検索パフォーマンスのレポートで、記事ごとの表示回数とクリック率を見て測ります。表示回数は記事が検索結果に表示された回数で、クリック率はクリック数を表示回数で割った値です。
Search Consoleのヘルプは、掲載順位だけを見るのではなく、表示回数とクリック数の傾向に注目するよう勧めています。掲載順位は届ける力の目標にせず、クリック率が低い原因を探すときの手がかりにします。
※ 出典:Search Console ヘルプ「検索パフォーマンス レポート(検索結果): 概要と基本設定」、Search Console ヘルプ「パフォーマンス レポート(検索結果): 一般的なタスクとユースケース」
答え切る力を測るエンゲージメント率
答え切る力は、GA4のランディングページのレポートで、記事ごとのエンゲージメント率を見て測ります。エンゲージメント率は、セッションのうちエンゲージメント セッションが占める割合で、エンゲージメント セッションは次の3つのどれか1つを満たすセッションです。
- 10秒以上の継続
- キーイベントの発生
- 2回以上のページビュー
エンゲージメント率は、GA4のほとんどのレポートに初めから表示されていません。表示されていないときは、編集者か管理者の権限で[レポートをカスタマイズ]から指標を加えます。
エンゲージメント率は、読者が答えを得たかを直接示す数字ではありません。知りたい答えを冒頭で見つけ、10秒未満で記事を閉じた人のセッションも、エンゲージメント セッションに数えられないためです。
※ 出典:アナリティクス ヘルプ「エンゲージメント率と直帰率」
成果につなげる力を測るキーイベントの数
成果につなげる力は、GA4のランディングページのレポートで、記事ごとのキーイベントの数を見て測ります。キーイベントは、問い合わせの完了のように、ビジネスの成果にとって特に重要な行動を数えるイベントです。
ランディングページのレポートには[キーイベント]の列があり、記事から入った訪問で起きたキーイベントの数を記事ごとに数えられます。問い合わせの完了などのイベントにキーイベントの印を付けておかないと数えられないため、印の付け方はGA4のコンバージョン設定で確かめてください。
「〜とは」の記事のように、読者がまだ問い合わせを考えていない段階の記事では、キーイベントが少なくても成果につなげる力が弱いとは限りません。問い合わせを考える前の読者が読む記事は、関連する記事やサービスの紹介ページへ進んだ数で見ます。記事の役割ごとに置く指標は、コンテンツマーケティングのKPIの決め方にまとめています。
アクセスの多い記事は、コンテンツ力が高いと考えていいですか?
編集部
アクセスが多い記事は、届ける力が高い記事です。ただ、読んだ人が問い合わせに進んでいなければ、成果につなげる力は弱いままです。キーイベントの数を記事ごとに並べると、アクセスの多さと問い合わせの数が釣り合っていない記事が見つかります。
弱い力を見分ける4つの手順
弱い力は、記事ごとに、検索した人が通る順に4つの数字を見て、最初に数字が落ちる段階で見分けます。後ろの段階の数字は前の段階を通った人の中で数えるため、前の段階で人が少ない記事は、後ろの数字だけでは良し悪しを決められません。
比べる相手は、同じサイトの中で同じ時期に公開した記事にします。公開から日が浅い記事ほど、表示回数は少なく出るためです。
Search Consoleの検索パフォーマンスのレポートで[ページ]のタブを開き、記事ごとの表示回数を見ます。同じ時期に公開した記事より表示回数が少ない記事は、届ける力が弱い記事です。狙ったキーワードがほとんど検索されていないか、記事の中身がキーワードで検索する人の疑問とずれていないかを見直します。
表示回数が多いのにクリック率が低い記事は、検索結果に表示されても選ばれていません。タイトルと説明文を、記事の中身と検索した人の疑問に合わせて直します。クリック率は検索結果の上の方に出る記事ほど高く出やすいため、掲載順位が近い記事どうしで比べます。
検索結果の説明文は、Googleが主にページの本文から作ります。メタディスクリプションのほうがページを正確に表すとGoogleが判断したときは、メタディスクリプションが使われることもあります。
クリックされている記事は、GA4のランディングページのレポートで、検索からの流入に絞ってエンゲージメント率を見ます。同じサイトのほかの記事より低い記事は答え切る力が弱い候補なので、本文を読み直し、検索した人の疑問ごとに答えの文があるかを確かめます。
エンゲージメント率が高いのにキーイベントが少ない記事は、成果につなげる力が弱い記事です。読み終えた人が次に知りたいことに合う案内が本文の流れの中にあるかを見て、問い合わせやサービスの紹介ページへの案内を置き直します。
※ 出典:Google 検索セントラル「スニペットの管理・メタ ディスクリプションについて」
4つの手順で弱い力が2つ以上見つかった記事は、検索した人が通る順で前にある力から直します。

表示回数が少ない記事がサイトの多くを占めるときは、記事を1本ずつ書き直す前に、どのキーワードを狙うかを見直すほうが先です。
表示回数が少ない記事が多いなら、狙うキーワードから見直しませんか
記事コンテンツの制作支援のKW戦略設計では、検索意図を読み、勝てるキーワードから優先して攻めるロードマップを作ります。狙うキーワードと書く順番が決まると、書き直す記事と新しく書く記事を分けて進められます。
答え切る力を本文で確かめる方法
答え切る力は、検索した人の疑問を書き出し、それぞれに答える文が記事の中にあるかを1つずつ確かめて判断します。本文を読むときは次の4つを確かめ、4つとも満たしていれば、答え切れている記事と判断します。
- 検索した人の疑問ごとに、答えを書いた文がある
- 見出しのすぐ下の1文目に、節の答えがある
- 答えが条件で変わるときは、条件ごとの答えがある
- 読み終えた人が、同じ疑問でもう一度検索しなくて済む
とりわけ見落とされがちなのが、見出しのすぐ下の1文目です。目次から節へ飛んできた読者は、見出しと1文目を読んで答えを探すため、1文目に答えのない節は読み飛ばされやすくなります。
Googleの「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」でも、読み終わったユーザーが目的を果たすのに十分な情報を得たと感じられるかが、自己評価の質問に挙げられています。より良い情報を得るためにもう一度検索する必要があるとユーザーに感じさせるかどうかも、作り方を見直すよう警告する質問に入っています。
答え切るために、文字数を増やす必要はありません。Googleは同じページで、Googleが優先する文字数という設定は存在しないと書いています。

書き手が複数いるサイトでは、4つの確認を記事ごとに同じ基準でかけ続けないと、書き手によって答え切る力に差が出ます。
書き手が増えても、どの記事も疑問に答え切れていますか
記事ごとの確認を同じ基準で続けるには、書き方の決まりと確認の手順を、書き手全員で共有する必要があります。記事コンテンツの制作支援の制作体制の構築では、編集者・ライター・監修者のチームを編成し、レギュレーションを策定して、品質管理フローを作ります。
コンテンツ力のよくある質問
コンテンツ力について、よくある3つの質問に答えます。
個人のSNS発信でも同じ考え方?
個人のSNSの発信でも、3つの力に分ける考え方は使えます。投稿が表示された数で届ける力を、投稿が最後まで読まれたり見られたりしたかで答え切る力を、フォローや問い合わせなどの行動で成果につなげる力を見ます。
見られる数字の名前と取り方はSNSごとに違うため、各SNSの分析画面で確かめます。
AIで書いた記事はコンテンツ力が低い?
AIで書いたかどうかだけでは、コンテンツ力は決まりません。Googleは「AI生成コンテンツに関するGoogle検索のガイダンス」で、コンテンツの制作方法ではなく品質に重点を置くと説明しています。AIや自動化は、適切に使用している限りガイドラインの違反にならないとされています。
ただし、検索ランキングの操作を主な目的としてAIでコンテンツを作ることは、スパムに関するポリシーへの違反とみなされます。AIで書いた記事も、人が書いた記事と同じ指標で3つの力を測って直します。
直した効果はいつ確かめる?
直した効果は、直した日の前と後で同じ長さの期間を取り、数字を並べて確かめます。Search Consoleのヘルプでも、変更の効果は過去の同様の期間と比べ、改善が変更した時期の近くで起きているかで確かめるよう説明されています。
検索の数字は、ニュースや競合サイトの改善など、直したこと以外の理由でも上下します。直した日付は、記事ごとに記録しておきます。日付が残っていないと、どの変化が直したことによるものかを後から見分けられません。
まとめ|コンテンツ力は3つの力に分けて測る
コンテンツ力は決まった定義のある言葉ではありませんが、次の3つの力に分けると、数字で測って直す場所を決められます。
- 読者の疑問に答え切る力:GA4のエンゲージメント率で候補を見つけ、本文で答えの文を確かめる
- 届ける力:Search Consoleの表示回数とクリック率で測り、狙うキーワードとタイトルを直す
- 成果につなげる力:GA4のキーイベントの数で測り、記事から次の行動への案内を直す
まずはSearch Consoleで記事ごとの表示回数とクリック率を書き出し、同じ時期に公開した記事どうしで比べてください。弱い力が分かれば、書き直す記事と直す場所を決められます。
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