「コーポレートサイトのSEOは、ブログで記事を増やしていけば進むはず」。コーポレートサイトの更新といえば、お知らせや新しい記事を足すことくらいなので、SEOも記事の本数で進むと思われがちです。ところが、コーポレートサイトを開く人は、何で検索したかによって、知りたいことも着いてほしいページも違います。コーポレートサイトのSEOは、3種類の人が見るページを分けて整え、トップページの役割を決めることから始めます。
本記事では、3種類の検索と着いてほしいページの対応から、ページごとの整え方、Search Consoleで最初に直すページを決める手順まで、記事制作の会社の視点で順を追ってお伝えします。
- コーポレートサイトを検索で探すのは、会社名で調べる人、事業内容で探す人、採用で探す人の3種類で、着いてほしいページがそれぞれ違う
- トップページは会社名で探す人が着くページと決め、タイトルには会社名と何の会社かを入れる
- 会社名を知らない見込み客には、事業ごとのページのタイトルと見出しを、見込み客が検索で使う言葉で書いて答える
- 求人の検索に出したい求人は1件ずつのページに分け、JobPosting構造化データを入れる
- 最初に直すページは、Search Consoleで会社名を含む検索と含まない検索を分けて見て決める
コーポレートサイトを検索で探す3種類の人
コーポレートサイトを検索で探す人は、検索に使う言葉で3種類に分かれ、種類ごとに着いてほしいページが違います。
探し方 | 検索の例 | 探している人 | 着いてほしいページ |
|---|---|---|---|
会社名で調べる | 「〇〇株式会社」「〇〇 会社概要」 | 商談前の取引先、応募を考える人、株主 | トップページ、会社概要 |
事業内容で探す | 「業務用 計量器 メーカー」「金属加工 試作 小ロット」 | 会社名をまだ知らない見込み客 | 事業ごとのページ |
採用で探す | 「〇〇株式会社 採用」「設備保全 求人 名古屋」 | 応募する会社を探す人 | 採用ページ、求人ごとのページ |
3種類の人は、知りたいことも、読んだ後にすることも違います。会社名で調べる人は、何をしている会社かと連絡先を確かめてから、商談や応募に進みます。事業内容で探す人は、自分の困りごとを頼める会社かを比べて、問い合わせ先を決めます。採用で探す人は、仕事の内容と条件を見て、応募するかを決めます。
1つのページで3種類の人に答えようとすると、どの人も自分の答えを探して、ページの中を読み進めることになります。

会社名で探す人が着くトップページ
トップページは、会社名で探す人が着くページと決めて整えます。2026年10月にメーカー5社の社名で検索すると、5社とも検索結果の1番目は自社サイトのトップページでした。
会社名で探す人がトップページで確かめたいのは、何をしている会社かと、次に開くページです。トップページの上のほうには、次の4つを置きます。
- 会社名と、何をしている会社かを書いた1文
- 事業ごとのページへのリンク
- 会社概要と採用のページへのリンク
- 問い合わせの窓口
トップページのタイトル
トップページのタイトルには、会社名と、何をしている会社かを短く入れます。Googleのタイトルリンクの説明では、ホームページのタイトルは、サイトに関する追加情報を置くのに適した場所とされています。Googleは、ホームページに「ホーム」とだけ付けるような曖昧なタイトルを避けるよう求めています。
計量器のメーカーなら、「〇〇株式会社|業務用の計量器の設計と製造」のように書きます。トップページ以外のページは、ページの中身をタイトルにして、会社名を先頭か末尾に区切り文字で分けて添えます。
迷いやすいのが、主力の事業のキーワードをトップページのタイトルに並べるかどうかです。事業の言葉で探す人が知りたいのは、対応できる範囲や進め方など、1つの事業の詳しい中身です。トップページには、事業ごとの詳しい中身まで載せきれません。事業内容の検索には、トップページではなく事業ごとのページで答えます。
トップページのタイトルに主力の事業のキーワードを3つとも入れておけば、その検索でもトップページが上に出ませんか?
編集部
トップページに事業の詳しい説明がないと、事業の言葉で探す人は、着いた後にもう一度ページを探すことになります。トップページのタイトルは会社名と何の会社かにとどめ、事業の言葉は事業ごとのページのタイトルに入れるのがおすすめです。
検索結果に出るサイト名
検索結果で、ページのタイトルとは別に出るサイト名は、ホームページに置くWebSite構造化データで指定します。Googleのサイト名の説明によると、サイト名はホームページの内容などから自動で決まり、希望のサイト名を伝える手段ではWebSite構造化データが最も重要です。
サイト名には、一般に知られている簡潔な名前を使います。Googleは、「Google, Inc.」ではなく「Google」のような名前を例に挙げ、ホームページのタイトルや見出しでも同じ名前を使うよう求めています。取引先から「株式会社」を付けずに呼ばれている会社なら、付けない名前がサイト名の候補になります。略称がある会社は、WebSite構造化データのalternateNameに略称を入れておくと、希望の名前が選ばれなかったときにGoogleが略称を検討します。
会社名で探す人が見る会社概要とお知らせ
会社名で探す人が会社の事実を確かめるページは、会社概要です。2026年10月にメーカー5社の社名で検索すると、自社サイトのトップページの下には、Wikipediaや株価の情報、社員の口コミのサイトなどが並びました。ほかのサイトに古い情報が載っていても、会社概要に今の事実を書いておけば、会社名で探す人は自社のサイトで確かめられます。
会社概要のページ
会社概要のページには、取引先が契約や与信の前に確かめる事実を書きます。少なくとも、次の6つは欠かさず載せます。
- 正式な会社名
- 所在地
- 設立年月
- 代表者名
- 事業内容
- 連絡先
会社概要の事実は、Organization構造化データでもGoogleに伝えられます。Googleの組織の構造化データの説明は、ホームページか、会社概要のような組織の説明を載せた1つのページに置くことをすすめています。必須の項目はなく、住所や電話番号など、組織に当てはまる項目をできるだけ多く入れるよう求めています。
Organization構造化データのnameには、サイト名と同じ名前を入れます。登記上の正式名称がnameと違うときは、正式名称をlegalNameに入れます。logoを指定すると、検索結果やナレッジパネルに出すロゴを、Googleが正確に把握しやすくなります。
社名や住所の書き方を、SNSや取引先のサイトに載っている自社のプロフィールとそろえる手順は、「エンティティSEOの意味と対策|社名や著者の情報をそろえる手順」で扱っています。
お知らせのページ
お知らせのページは、会社名で探した人が、会社の最近の動きを確かめるページです。事業の言葉で新しい見込み客を集めるページではないので、事業のキーワードを入れるより、何があったかが分かるタイトルを付けます。
「お知らせ」「ニュース」とだけ付けたページが並ぶと、検索結果でどのページも同じに見えます。Googleも、サイトのすべてのページに同じタイトルを付けると、ユーザーはページを区別できなくなるとしています。「新製品〇〇の発売について」「2026年11月の本社移転について」のように、出来事をタイトルに書きます。
新製品や新しいサービスの詳しい説明は、お知らせではなく事業ごとのページに書き足し、お知らせからそのページへリンクします。お知らせは新しい記事が増えるほど一覧の後ろに下がるので、事業の言葉で探す人が読むのは事業ごとのページです。
事業内容で探す人に向けた事業ページ
会社名を知らない見込み客には、事業ごとに1ページを作り、見込み客が検索で使う言葉をタイトルと見出しに入れて答えます。製品名で探される会社なら、製品ごとのページにします。
事業ページを整える手順は、次の5つです。
社内で扱っている事業や製品を書き出し、問い合わせにつなげたい順に並べます。
問い合わせのメールやフォームに客が書いた言葉、営業が商談で聞かれる言葉、Search Consoleで会社名を含まない検索語句を集めます。社内で「精密計量ユニット」と呼んでいる製品も、見込み客は「計量器 組み込み」のような言葉で探すことがあります。
集めた言葉ごとに、答えるページを1つ決めます。2つのページが同じ言葉に答えていると、サイトを見た人はどちらを読めばよいか迷います。
ページのタイトルと大見出しに、集めた言葉を入れます。会社名は、タイトルの末尾に区切り文字で分けて添えます。
トップページと、関係する事業のページから、リンク先の中身が分かる短い言葉でリンクを張ります。
事業ページの本文には、対応できる範囲や依頼から納品までの流れなど、見込み客が問い合わせ先を決めるのに使う情報を書きます。集めた言葉とページの対応を表にまとめる方法は、「サイトのSEO対策とは?キーワードとページの対応表から始める進め方」で扱っています。
事業ページへのリンクは、会社名の検索で出るサイトリンクにも関わります。Googleのサイトリンクの説明によると、サイトリンクは自動で選ばれ、サイト側から指定はできません。Googleは、サイトリンクの質を高める方法として、重要なページに関連するページからリンクすることと、リンクの文字を簡潔にしてリンク先の内容に合わせることを挙げています。

事業ページのタイトル、社内の呼び名のままになっていませんか
事業の一覧と、事業ごとのページのURLを見せてください。見込み客が検索で使う言葉とページのタイトルや見出しが合っているかと、同じ言葉に2つのページで答えていないかを、一緒に確かめます。
採用で探す人に向けた2つのページ
採用で探す人に向けて整えるページは、会社名と「採用」で探す人が着く採用ページと、職種や勤務地で求人を探す人が着く求人ごとのページの2つです。
採用ページ
会社名と「採用」で探す人は、会社を知ったうえで、募集中の職種と応募の方法を確かめに来ます。2026年10月にメーカー2社の社名と「採用」で検索すると、2社とも1番目は自社の採用ページで、上位4件には求人サイトにある会社のページも入っていました。
採用ページのタイトルは「採用情報」だけにせず、「採用情報|〇〇株式会社」のように会社名を入れます。ページの上のほうには、募集中の職種の一覧と、職種ごとの求人のページへのリンクを置きます。
求人ごとのページ
職種や勤務地で探す人は、会社名を知らないまま求人を比べています。会社名を知らない求職者に向けては、求人を1件ずつのページに分け、JobPosting構造化データを入れます。Googleの求人情報の構造化データの説明では、求人情報のページにJobPosting構造化データを加えると、求人情報がGoogleの求人検索の機能に表示される対象になるとされています。
JobPosting構造化データは、1件の求人を載せたページだけに入れます。複数の求人を並べた一覧のページに入れると、Search Consoleに構造化データのポリシー違反のメッセージが届くことがあります。
とりわけ見落とされがちなのが、募集を終えた求人のページです。
募集を終えた求人は、次のどれかの方法で終了させます。終了させないまま放っておくと、Googleが手動による対策を行うことがあります。
- validThroughに終了の日時を入れ、その日時を過ぎた状態にする
- ページを削除し、404か410のステータスコードを返す
- ページからJobPosting構造化データを外す
会社名を含む検索を分ける2つの方法
会社名を含む検索と含まない検索は、Search Consoleの検索パフォーマンスのレポートで分けて見られます。分ける方法は、ブランドクエリのフィルタと、正規表現のフィルタの2つです。
ブランドクエリのフィルタ
ブランドクエリのフィルタは、ブランド名とその誤字、ブランドの製品名を含む検索を「ブランド」に、それ以外を「ブランド以外」に分ける機能です。Googleは2025年11月に、検索パフォーマンスのレポートへブランドクエリのフィルタを加え、2026年3月にはすべての対象サイトで使えるようになったとしています。「ブランド以外」では、Googleがブランドに関係しないと分類した検索語句を確かめられます。AIを使った分類のため、誤って分類される検索語句もあります。
ブランドクエリのフィルタが使えるのは、example.comのようにサイトのいちばん上の階層で登録したプロパティだけで、URLのパスやサブドメインで登録したプロパティでは使えません。検索の数と表示回数が少ないサイトにも出ません。
正規表現のフィルタ
正規表現のフィルタは、クエリのフィルタで「カスタム(正規表現)」を選び、会社名の表記ゆれを指定して分ける方法です。ブランドクエリのフィルタが表示されないときは、正規表現のフィルタを使います。
Googleの正規表現のフィルタの紹介でも、会社名の複数の書き方を指定して、会社を知っている人の検索を分ける使い方が挙げられています。「まるまる工業|マルマル工業|marumaru」のように「|」でつなぎ、一致するものと一致しないものを切り替えて見ます。
最初に直すページの決め方
最初に直すページは、会社名を含む検索と含まない検索を分けた結果と、実際に会社名で検索した結果から、次のように決めます。
確かめること | 当てはまったら直すページ | 直すこと |
|---|---|---|
会社名で検索すると、1番目に自社のトップページが出ない、またはサイト名が会社名と違う | トップページ | タイトルに会社名と何の会社かを入れ、WebSite構造化データで希望するサイト名を伝える |
「ブランド以外」の検索語句を表示回数の多い順に並べても、事業を表す言葉が出てこない | 事業ごとのページ | 事業ごとに1ページを作り、見込み客が使う言葉をタイトルと見出しに入れる |
会社名と「採用」で検索すると、求人サイトのページが自社の採用ページより上に出る | 採用ページ | タイトルに会社名を入れ、求人を1件ずつのページに分ける |
2つ以上に当てはまるときは、トップページから直します。トップページのタイトルとサイト名は1つのページを直せば済み、会社名で探す人は商談や応募の手前にいるためです。事業ごとのページは事業の数だけ作業があるので、問い合わせにつなげたい事業から1ページずつ進めます。採用ページは、募集中の職種があるときに直します。

Search Consoleの数字から、直すページを決めかねていませんか
Search Consoleの検索パフォーマンスから書き出した、検索語句とページの一覧を見せてください。会社名を含む検索と含まない検索に分け、トップページ、事業ごとのページ、採用ページのどれから直すかを一緒に決めます。
コーポレートサイトのSEOでよくある質問
コーポレートサイトのSEOでよくある3つの質問に答えます。
ブログの記事は書いたほうがいい?
ブログの記事は、事業ごとのページを整えた後に書きます。事業ページがないまま記事を増やすと、記事を読んだ見込み客が、次に開いて問い合わせ先を決めるページがないためです。
記事で答えるのは、見込み客が会社を探す前に持つ疑問のうち、事業ページだけでは答えきれないものです。記事の本文からは、関係する事業ページへリンクします。ブログをコーポレートサイトの中に置くか別のサイトにするかの決め方は、「自社メディアと自社サイトの違い|置き場所の決め方と続ける体制」で扱っています。
採用サイトは別に作ったほうがいい?
採用サイトを別に作るかどうかで検索順位が変わるかは、公式には確認できていません。Googleの説明で変わると分かるのは、検索結果に出るサイト名です。
Googleのサイト名は、ドメインかサブドメインのサイトごとに1つで、サブディレクトリには付けられません。recruit.example.comのようなサブドメインに置けば採用サイト用のサイト名の希望を別に伝えられ、example.com/recruit/のようなサブディレクトリに置くと、会社のサイトと同じサイト名になります。別に作るかは、採用情報を誰が更新するかと、採用サイトに会社と別の名前を付けたいかで決めます。
効果が出るまでどのくらい?
タイトルやサイト名を直した結果が検索結果に出るまでには、Googleがページを再クロールして処理するのに、数日から数週間かかることがあります。事業ごとのページが事業の言葉で上位に出るまでには、一般に3〜6か月ほどかかると言われます。期間は、サイトの今の状態と、同じ言葉を狙うほかのサイトの数で変わります。
直したページは、Search ConsoleのURL検査ツールから再クロールをリクエストできます。トップページのタイトルとサイト名を直したら、トップページのURLでリクエストします。
まとめ|コーポレートサイトのSEOは役割分けから
コーポレートサイトのSEOで先にすることは、記事を増やすことではなく、検索する3種類の人が着くページを分けて整えることです。トップページは会社名で探す人が着くページと決め、タイトルには会社名と何の会社かを入れます。
会社名を知らない見込み客には事業ごとのページで答え、職種で探す人には求人ごとのページで答えます。直す順番は、Search Consoleで会社名を含む検索と含まない検索を分けて見て決めます。
私たち合同会社Writers-hubは、累計8,000記事以上を制作してきた記事制作の会社です。コーポレートサイトのどのページから整えるかの相談を受け付けています。
3種類の検索で、自社のどのページが出ていますか
サイトのURLと、主な事業、募集中の職種を教えてください。会社名、事業内容、採用の3つの検索で今どのページが出ているかを見たうえで、トップページの役割と最初に直すページを一緒に決めます。







