「うちは商品ページを作り込んでいるから、ブログまでは要らない」。商品ページには写真も説明もレビューも載せてあるため、検索から来る客には商品ページで足りると考えがちです。ところが、買う前の客は、商品名やジャンル名で探すより前に、「革靴 サイズ 選び方」のような悩みの言葉でも検索します。商品ページだけでは、悩みで検索する人に店を見つけてもらいにくいのです。
本記事では、ECサイトにブログを書かない5つの理由への答えから、テーマの出し方、GA4での成果の数え方まで、ブログの設計から公開までを請け負う記事制作会社の視点でお伝えします。
- 商品名や型番の検索には商品ページ、ジャンルと属性の組み合わせにはカテゴリページ、買う前の悩みの検索には記事が出やすい
- ブログが要るかは業種では決まらず、買う前の客から質問が届いているかで決まる
- 書く時間は、記事の型とテーマの一覧を先に決めると、1本ごとに考える分が減る
- 売上につながったかは、記事の後に商品ページが表示された数と、記事から入った訪問の注文をGA4で確かめる
ECサイトにブログを書かない5つの理由
自社ECにブログを書いていない理由に当てはまるものを、次の5つから選んでください。
- 商品ページで十分
- 業種は関係ない
- 書く時間がない
- 書くことがない
- 売上につながるか分からない
どの理由にも、店の問い合わせメールやGA4の数字で確かめられる答えがあります。「業種は関係ない」については、確かめた結果、ブログを書かなくてよいと分かる店もあります。
「商品ページで十分」「業種は関係ない」への答え
商品ページで足りるのは、客が商品名や型番を知ったうえで検索するときです。買う前の悩みで検索する客に店を見つけてもらうには、悩みに答える記事が要ります。
「商品ページで十分」への答え
検索結果に出やすいのは、商品名や型番、ブランド名の検索なら商品ページ、「メンズ 革靴 黒」のようにジャンルと属性を組み合わせた検索ならカテゴリページです。悩みや比較、選び方の検索で出やすいのは記事です。自分の商品に関わる悩みを「革靴 雨 シミ」のように1つ検索し、上位が答えを書いた記事で埋まっていれば、商品ページで上位に出るのは難しく、記事で答える必要があります。
ブログの記事は、悩みで検索した人に店を見つけてもらい、記事の中のリンクから商品ページへ案内する入口です。商品ページは名前で探す人を、記事は悩みで探す人を店に案内します。

商品ページとカテゴリページ、記事の役割の分け方は、「ECサイトのSEOは商品ページより先にカテゴリ設計」で詳しく紹介しています。
「業種は関係ない」への答え
ブログが要るかどうかは、業種ではなく、買う前の客から質問が届いているかで決まります。サイズや使い方、手入れなどの問い合わせが来ているなら、同じ疑問を検索している人もいるはずです。
型番を指定して買い直す消耗品のように、購入前の質問がほとんど届かない商品なら、ブログより先に商品ページの型番や対応機種の記載をそろえます。型番で探す客が注文するかどうかは、検索して出てきた商品ページで決まるためです。
うちは部品を型番で注文されることが多いんです。それでもブログは要りますか?
編集部
型番で探す人には商品ページが出るので、型番の検索のためのブログは要りません。ただ、「自分の機械にはどの型番が合うのか」という問い合わせが来ているなら、型番を知る前に検索している人もいます。型番選びの疑問に答える記事があれば、型番を知らない客も商品ページへ進めます。
「書く時間がない」「書くことがない」への答え
書く時間とテーマの悩みは、どちらも、記事の型とテーマの一覧を先に決めておけば減らせます。
「書く時間がない」への答え
記事を書く時間は、テーマと話の順番を決める時間と、文章を書く時間に分かれます。テーマと順番を先に決めておけば、書く日にかかるのは文章を書く時間だけです。
話の順番は、次の4つの型に固定します。
順番 | 書くこと | 材料 |
|---|---|---|
悩み | 客がどんな場面で困っているか | 問い合わせメール、レビュー |
答え | 悩みへの答えを最初の一文で | 店の知識 |
選び方 | どの条件なら、どの商品が合うか | 商品の仕様、客の使い方 |
商品ページへのリンク | 選び方に合う商品のページ | 今ある商品ページ |
商品ページへのリンクは今あるページを使うので、新しく書くのは悩みと答え、選び方の3つです。1本の字数は決めず、選び方まで書き終えたら公開します。
公開の間隔は、繁忙期も続けられる本数で決めます。毎日書く必要はありません。テーマが10個あれば、週に1本の間隔で2か月半ほど、次に何を書くかを考えずに済みます。
「書くことがない」への答え
書くことは、店に届いた問い合わせメールとレビューの中に、客の言葉で残っています。たとえば「普段のスニーカーは24.5cmですが、この革靴も同じサイズでいいですか」という問い合わせがあれば、「革靴 サイズ 選び方」が1本のテーマになります。
記事のテーマは、店の話題ではなく、客が買う前に困ったことから選びます。問い合わせやレビューに何度も出てくる質問は、先に書くテーマです。
入荷やセールのお知らせ、店長の日記は、店をすでに知っている客に向けた内容です。店名を知らない人はお知らせの言葉で検索しないため、新しい客に店を見つけてもらう記事にはなりにくいのです。以前ブログを書いても検索から人が来なかった店は、書いた記事がお知らせや日記に偏っていなかったかを見返してください。
型とテーマを決めても、書く時間を店の仕事から割けないなら
IKKI-Plusでは、どのキーワードで何を書くかというブログの設計を当社の代表が行い、記事を毎日公開します。料金は月額10万円〜(税別・3か月〜)です。
「売上につながるか分からない」への答え
ブログが売上につながっているかは、記事から商品ページへ進んだ数と、記事から入った訪問で生まれた注文の2つを、GA4で数えると分かります。記事が読まれているのに商品ページへ進む数が少なければ、記事の選び方の部分と商品ページへのリンクを直します。商品ページへは進んでいるのに注文が無ければ、直すのは商品ページの側です。
公開した記事が検索結果の上位に出るまでには、一般に3〜6か月ほどかかると言われ、サイトの状態や狙う言葉の競合で前後します。2つの数は、記事に検索からの訪問が付き始めてから見ます。
記事から商品ページへ進んだ数の数え方
記事の後に商品ページが表示された数の目安は、GA4の経路データ探索で確かめます。
GA4の左のメニューの[探索]から[新しいデータ探索を開始]を開き、[経路データ探索]のテンプレートを選びます。
右上の[最初からやり直す]を押し、[始点]で「ページパス」を選んで、数えたい記事のパスを指定します。パスは、記事のURLのうちドメインより後ろの部分です。
[ステップ + 1]の上のメニューで、表示の種類を「ページパス」に切り替えます。記事の後に開かれたページが、多い順に5つまで並びます。
並んだページのうち、商品ページの数字が、記事の後に商品ページが表示されたイベント数です。
数字には、記事の中のリンクから進んだ分のほか、サイトのメニューなどから商品ページへ移った分も入ります。
記事から入った訪問で生まれた注文の数え方
記事から入った訪問で生まれた注文は、GA4のランディング ページ レポートで数えます。ランディング ページは、訪問の最初に開かれたページのことです。[レポート]の[エンゲージメント]から[ランディング ページ]を開き、表の上の検索バーに記事のパスを入れます。記事の行の[セッション]が記事から入った訪問の数で、[総収益]はその訪問で発生した購入や広告などの収益の合計です。
(参考:[GA4]ランディング ページ レポート(アナリティクス ヘルプ))
購入のイベント(purchase)は、初期設定でキーイベントになっています。[キーイベント]の列の[すべてのイベント]からpurchaseを選ぶと、注文の件数だけを見られます。
購入があった期間でも[総収益]の合計が0なら、purchaseのイベントと、valueとcurrencyのパラメータがGA4に届いているかを確かめてください。先に見るのは、カートの管理画面にあるGA4との連携の設定です。
ランディング ページ レポートは訪問ごとに数えるため、記事を読んだ人が後日、別のページから始まった訪問で買った注文は記事の行に入りません。

始めると決めたら最初にやること
ブログを始めると決めたら、最初にやるのは記事のテーマを10個出すことです。購入前の質問が届いている店なら、5つの理由に答えた後に残る判断は、いつ始めるかだけです。
過去の問い合わせメールと商品レビューを読み、買う前の客が困っていたことを10個、客の言葉のまま書き出します。
レビューに「雨の日に履いたら色が変わった」とあれば「革靴 雨 シミ」のように、客が検索窓に入れそうな2〜3語に直します。
Googleの検索窓に商品のジャンル名を入れると、下に候補が並びます。候補の中から選び方や手入れ、困りごとを表す言葉を拾い、10個に足りない分を補います。
10個の言葉をそれぞれ検索し、自分の店の商品ページが上位に出ていないものを、記事のテーマとして残します。
問い合わせが多かった悩みを1本目にし、悩み、答え、選び方、商品ページへのリンクの順で書きます。
記事は、今のECサイトと同じドメインの中に置きます。ドメインは、URLの「〇〇.com」や「〇〇.jp」にあたる部分です。記事と商品ページの両方に同じGA4のタグが入り、ページの表示が記録されていれば、記事から商品ページへの移動を、今の設定のまま数えられます。使っているカートにブログやページを足す機能があるかは、カートの管理画面で確かめられます。

書く時間が取れないときの任せ方
書く時間が取れない店がブログを始めるには、何を書くかの設計から記事の公開までを、まとめて任せる方法があります。自社ECのブログは、商品名で探す前の悩みで検索している人に店を見つけてもらい、商品ページへ案内する入口です。始めるかどうかは、買う前の客から質問が届いているかで決まります。
テーマの出し方から数え方まで、自分で始めるのに必要なことは書きました。店の運営で書く時間が取れない場合は、当社のIKKI-Plusがブログの設計から毎日の公開までを月額10万円〜(税別・3か月〜)で引き受け、成果を毎月、検索からのアクセスの数字で報告します。
テーマ出しから毎日の公開まで、店の外に任せたいなら
どのキーワードで何を書くかの設計は、当社の代表が行います。毎月の報告では、公開した記事と、検索からのアクセスの数字をお伝えします。







