「今の制作会社には見切りをつけて、評判のよい会社を探し直そう」。対応の遅さや追加の費用を何度も経験すると、原因は相手の会社にあったと考えるのが自然です。ところが、問い合わせが来ない、データをもらえない、修正が遅いといった困りごとの多くは、頼む前に目的・範囲・サイトの持ち主・誰が更新するかを決めないまま契約したことから起きます。4つを決めないまま次の会社と契約すれば、評判のよい会社に替えても、同じ困りごとが起きることがあります。
本記事では、今のサイトのドメインとログイン情報の確かめ方から、次に頼む前に決めること、見積もりと契約で確かめる項目まで、月額制でお店のホームページを作る制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- 今のサイトは、ドメインの名義と有効期限をWhoisで調べ、サーバーの契約者とログイン情報は制作会社に文面で尋ねます
- 次に頼む前に、誰に何をしてほしいか、ページの数、文章と写真を用意する人、公開後に更新する人を紙1枚に書きます
- 契約では、サイトとドメインの持ち主、修正の窓口と反映までの日数、毎月の報告の中身、解約の条件を確かめます
ホームページ制作会社がひどいと感じる4つの場面
ホームページ制作会社をひどいと感じるきっかけになりやすいのは、次の4つの場面です。
- 作ったのに、サイトから問い合わせが来ない
- アクセスの数字やサイトのデータを頼んでも、渡してもらえない
- 文章の修正を頼んでから、サイトに載るまで何日もかかる
- 上がってきたページの誤りを、自社で細かく指摘し続けることになる
どの場面に当たる場合も、次の会社を探す前に、これまでの経緯を書き出しておきます。書き出すのは、日付、頼んだこと、返事の有無の3つで、メールや電話の記録を見ながら1行に1件ずつ書きます。
日付 | 頼んだこと | 返事の有無 |
|---|---|---|
5月8日 | 営業時間の変更をメールで依頼 | 返事なし |
5月15日 | 同じ変更を電話で再び依頼 | 返事あり、6月2日にサイトへ反映 |
書き出した経緯は、制作会社と話し合うときにも、次の会社に相談するときにも使えます。返金や契約の解除で争いになっているときは、自社で判断せず、書き出した経緯と契約書を持って弁護士に相談します。
頼む前に決めていなかった4つのこと
問い合わせが来ない、データを渡してもらえない、修正が遅い、細かい指摘が続くという4つの場面は、多くの場合、頼む前に目的・範囲・サイトの持ち主・誰が更新するかの4つを決めないまま契約したことから起きます。決めずに頼むと、4つとも制作会社の標準のやり方で決まります。
困る場面 | 決めていなかったこと | 起きる理由 |
|---|---|---|
問い合わせが来ない | 目的(誰に何をしてほしいか) | 会社の案内を並べる作りになり、電話や予約のボタンを置く場所が後回しになる |
データを渡してもらえない | サイトの持ち主 | 名義やデータの扱いが契約に無いと、渡し方や範囲をめぐって争いになることがある |
修正が遅い | 誰が更新するか | 更新するのが制作会社だけなら、どの修正も制作会社の作業の順番を待つ |
細かい指摘が続く | 範囲(ページの数と、文章と写真を誰が用意するか) | 店の事情を知らない人が書いた原稿を、経営者が1か所ずつ直すことになる |

とりわけ見落とされがちなのが、サイトの持ち主です。目的や更新する人は公開した後でも話し合って変えられますが、名義やデータの扱いは、契約が終わる場面で初めて問題になります。契約書に名義やデータ、著作権の扱いが書かれていなければ、契約が終わるときに、データの受け渡しや利用できる範囲をめぐって争いになることがあります。
今のサイトでまず確かめる3つの項目
今のサイトについて、次の会社を探す前に確かめる項目は3つです。3つを確認したうえで、ドメインの変更に必要な認証コードとロックの状態、サイトのデータの受け渡しの条件も確かめると、今のドメインのまま作り直せます。
ドメインの名義と有効期限
ドメインは、「〇〇〇.co.jp」のような、サイトの住所にあたる文字列です。ドメインの登録情報と有効期限は、Whois(ドメインの登録者などを調べられる仕組み)で、公開されている範囲なら制作会社に尋ねずに調べられます。
ドメインの末尾が「.jp」なら、日本のドメインを管理する日本レジストリサービスのJPRS WHOISを開きます。末尾が「.com」「.net」などなら、ICANN Lookupを開きます。
JPRS WHOISでは、検索タイプで「ドメイン名情報」を選び、検索キーワードにドメインを入れて「検索」を押します。ドメインは「https://」と「www.」を除いた形で入れます。
「.co.jp」などのドメインは「組織名」の欄が名義で、「状態」の欄の括弧の中の日付が有効期限です。「.jp」だけで終わるドメインは、「登録者名」と「有効期限」の欄を見ます。ICANN Lookupの検索結果でも、公開されている登録者と有効期限を確かめます。
(参考:JPRS WHOIS(日本レジストリサービス)、ICANN Lookup(ICANN))
名義の欄に自社の名前が無く、制作会社の名前が出ていたら、ドメインの名義は自社ではありません。「.com」などでは登録者の欄に代理の連絡先が出る設定があり、「.jp」だけで終わるドメインにも登録者を表示しない設定があります。この2つの場合はWhoisだけでは名義が分からないので、制作会社に尋ねます。
有効期限が近いときは、次の更新の費用を誰が払うかも、あわせて尋ねます。名義が制作会社のまま契約が終わり、制作会社がドメインの更新を止めると、そのドメインのサイトとメールが使えなくなることがあります。
サーバーの契約者
サーバーは、サイトのデータを置いておく場所で、サーバー会社と年や月ごとに契約して借ります。サーバーの契約者はWhoisでは分からないので、制作会社に尋ねます。
契約者が制作会社なら、自社のサイトは制作会社が借りている場所に置かれています。制作会社との契約が終わると、制作会社が借りているサーバーは使えなくなることがあり、データを別のサーバーへ移さなければ、サイトは表示されなくなります。
管理画面のログイン情報
管理画面は、サイトの文章や写真を直すための画面です。ログインのIDとパスワードが自社の手元にあれば、制作会社に頼まずに営業時間や料金を直せます。サイトが管理画面の無い作りなら、ログイン情報の代わりに、サイトのデータ一式を受け取れるかを尋ねます。
名義やパスワードを尋ねたら、制作会社との関係がこじれませんか。
編集部
名義や契約者を尋ねるのは、自社のサイトを管理するための確認です。今後の運用を社内で考えるため、と理由を添えて文面で尋ねれば、相手を責める話にはなりません。
サーバーとログイン情報は、ドメインの名義とまとめて、1通のメールで尋ねます。制作会社に送る文例は次のとおりです。
件名:ホームページの契約内容の確認のお願い
〇〇株式会社 ご担当者様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。今後のホームページの運用を社内で検討するため、次の3点を教えていただけますでしょうか。
- ドメイン(〇〇〇.co.jp)の登録者の名義と、更新の費用を誰が払っているか
- サーバーの契約者の名義と、契約が終わったときにサイトのデータを受け取れるか
- 管理画面のログインIDとパスワード(パスワードは別のメールでお送りください)
お手数ですが、〇月〇日までにご返信いただけますと助かります。
返事が届いたら、日付と中身を、書き出した経緯に加えます。ログイン情報が見つからないときの取り戻し方は、ホームページを自分で更新できない4つの原因|直すか作り直すかの決め方で手順を紹介しています。
次に頼む前に自社で決める4つのこと
次の制作会社に頼む前に自社で決めることは4つです。4つを紙1枚に書いて見積もりの場に持っていけば、どの会社にも同じ条件で見積もりを頼め、出てきた金額を比べられます。次の記入表を紙に写し、書き方の例の列に自社の答えを書き込みます。
決めること | 書き方の例 |
|---|---|
誰に何をしてほしいか | 市内で整体院を探している人に、電話かWebで予約してほしい |
何ページ作るか | トップ、施術の内容、料金、アクセス、予約の5ページ |
文章と写真を誰が用意するか | 文章は打ち合わせで話して制作会社に書いてもらい、写真は自社で撮る |
公開後に誰が更新するか | 料金と休みの案内は受付のスタッフが直し、ページの追加は制作会社に頼む |

誰に何をしてほしいか
サイトの目的は、誰に何をしてほしいかを1文で書くと決まります。「会社の信頼を高めたい」のような書き方では、制作会社はどのページに何を置けばよいかを決められません。電話や問い合わせのフォーム、来店の予約など、どの行動をしてほしいかまで書けば、ボタンや電話番号を置く場所が決まります。
何ページ作るか
ページの数は、お客様が頼む前に知りたいことから数えます。料金や場所、営業時間など、お客様が電話で聞いてくることを1つずつページか欄にすると、必要なページの数が出ます。ページの数を決めずに見積もりを頼むと、会社ごとに想定するページの数が違い、金額を並べても比べられません。
文章と写真を誰が用意するか
文章と写真を誰が用意するかで、見積もりの金額と、公開までの日数の両方が変わります。自社で用意するなら、いつまでに渡すかも決めます。制作会社に書いてもらうなら、打ち合わせで店の事情を話す時間を取ります。話した事情が原稿に入るほど、経営者が直す箇所は減ります。
公開後に誰が更新するか
公開後の更新は、自社で直すものと制作会社に頼むものに分けて決めます。変わったその日に伝えたい情報は、自社で直せる作りにします。
パソコンが苦手なので、更新は全部制作会社に任せたいのですが。
編集部
任せてかまいません。その場合は、頼んでから何日でサイトに載るかを契約で決めておきます。臨時休業の案内のように急ぐものだけでも自社で直せる作りにしておけば、当日のうちにお客様へ知らせられます。
見積もりと契約で確かめる4つの項目
見積もりと契約で確かめるのは、頼む前に決めたことを、制作会社がそのとおりに引き受けるかです。確かめる項目は4つで、どれも契約の前に答えをそろえます。
確かめる項目 | 見積書や契約書で見る所 | 書かれていないときに尋ねること |
|---|---|---|
サイトとドメインの持ち主 | ドメインとサーバーの名義、サイトのデータと著作権の扱い | 契約が終わったら、ドメインとデータを自社へ移せるか |
修正の窓口と反映までの日数 | 修正を頼む先と方法、反映までの日数、月額に含む修正の範囲 | 営業時間の変更を頼んだら、何日でサイトに載るか |
毎月の報告の中身 | 報告に載る数字 | 問い合わせの数や、電話番号が押された数が報告に載るか |
解約の条件 | 最低の契約期間、途中で解約したときの費用、解約後のデータの扱い | 契約期間の途中でやめたら、いくら払い、何を受け取れるか |
契約が終わった後に、サイトとドメインを誰のものにするかは、契約が終わった後のサイトとドメインの扱いの記事で詳しく取り上げています。

修正の項目では、回数より反映までの日数を見ます。契約書に月額に含む修正の回数だけが書かれ、日数が無ければ、営業時間の変更がサイトに載る日は制作会社の都合で決まります。
毎月の報告は、報告書が届くかどうかより、載る数字を見ます。アクセスの数だけが載る報告では、サイトから問い合わせが来ているかは分かりません。
契約書に無いことを尋ねたときは、答えをメールでもらい、契約書と一緒に保管します。
契約書に、ドメインを自社へ移す条件は書かれていますか
当社のお店向けのホームページ制作では、2年後にサイトとドメインがお客様のものになります。2年たった後も運用を続けるなら、月額5,000円か年5万円(税別)です。サービスのページは滋賀のお店向けの案内ですが、県外のお店ともオンラインで打ち合わせます。
項目ごとの当社の答えと任せる場合
次の記入表と契約で確かめる4つの項目に使う時間が取れない経営者には、サイトの持ち主と、公開後に誰が更新するかの2つだけを先に決め、残りは制作会社との打ち合わせで決める方法があります。サイトの持ち主は契約書の中身に、更新する人はサイトの作りに関わり、どちらも作り始めた後からは変えにくいためです。
当社のお店向けのホームページ制作の条件を、確かめる項目に沿って並べると次のとおりです。
確かめる項目 | 当社の答え |
|---|---|
サイトとドメインの持ち主 | 2年後にサイトとドメインがお客様のものになる |
修正の窓口と反映までの日数 | 文章と写真はお店が管理画面で差し替えられるので、当社の作業を待たずに載せられる |
毎月の打ち合わせ | 毎月30分まで |
解約の条件 | 最低2年で、途中で解約するときは制作費の残りを払う |
ページの数 | 10ページまでで、ブログやお知らせの個別のページは数えない |
Googleマップの店の情報 | サイトを作るときに、店名、住所、営業時間、料金をサイトと同じ内容にそろえる |
打ち合わせはオンラインで行い、彦根市とその周辺のお店には訪問もできます。
見積もりと契約で確かめる4つの項目は、どの会社に頼む場合にも使えます。当社のお店向けのホームページ制作(初期費用0円・月額19,800円、税別・最低2年)では、お店が管理画面で文章や写真を差し替えられ、2年後にサイトとドメインがお客様のものになります。
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10ページまでのサイトを作り、毎月30分までの打ち合わせをします。サービスのページは滋賀のお店向けの案内ですが、県外のお店にもオンラインで対応しています。







