「参考事例のような見栄えのよいサイトに作り直せば、依頼は増えそう」。士業のホームページの事例集には、所長の写真を大きく載せた事務所や落ち着いた配色の事務所が見本として並ぶため、見た目を近づければ選ばれる事務所に見えると思われがちです。ところが、依頼者が問い合わせる前に、見た目より先にサイトで確かめているのは、自分の困りごとを扱っているか、いくらかかるかといった6つの項目です。事例を集める前に、6つの項目に〇×を付け、×から直します。
本記事では、6つの項目の確認表から、料金や相談の流れの書き方、今日直す手順とかかる時間まで、月額制でホームページを作る制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- 依頼者が問い合わせる前に見るのは、扱う困りごと、料金、相談の流れ、代表の顔、対応地域、問い合わせ方法の6つです
- 6つが抜けるのは、資格や取扱業務の一覧など、事務所が伝えたい順にサイトを作るためです
- 料金は報酬と実費に分け、報酬が変わる条件を添えると、額が案件で変わる業務でも載せられます
- 経歴や事例を載せる前に、所属会の広告に関する規程で書けることを確かめます
- ×が3つなら、〇×を付けてから書き足して見直すまでの作業時間の目安は3時間ほどです
士業のホームページに6つの項目は載っているか
士業のホームページに載っているかを確かめる項目は、依頼者が問い合わせる前に見る次の6つです。
項目 | 〇を付ける基準 | 探す場所 |
|---|---|---|
扱う困りごと | 依頼者の言葉で書いた困りごとが、業務ごとに載っている | トップページ、業務のページ |
料金 | 業務ごとに、報酬と実費の額か目安が載っている | 業務のページ、料金のページ |
相談の流れ | 問い合わせから着手までの順番と、費用がかかる時点が載っている | 業務のページ、相談の流れのページ |
代表の顔 | 代表の顔写真と、困りごとに関係する経歴が載っている | トップページ、事務所の案内 |
対応地域 | 出向ける市区町村と、オンラインで相談できるかが載っている | トップページ、事務所の案内 |
問い合わせ方法 | 電話の受付時間とフォームが、どのページからも開ける | 各ページの上と下 |
探すときは、パソコンではなくスマートフォンで開きます。スマートフォンでは、パソコンで横に並んでいたメニューが折りたたまれ、料金や相談の流れのページがメニューの中に隠れるためです。
入口は、事務所名で検索して出るトップページと、問い合わせの多い業務のページの2つにします。業務の名前で探した依頼者は、トップページを通らずに業務のページから入るからです。
入口のページから2回のタップで見つからない項目は×にします。2回は、メニューを開いて項目を選ぶまでの回数です。

6つの項目が載っていない理由
6つの項目が抜けるのは、事務所が伝えたいことの順にサイトを作り、依頼者が確かめたいことの順に作っていないためです。事務所が伝えたいのは、所長の挨拶や事務所の理念、資格と登録番号、取扱業務の一覧などです。依頼者が確かめたいのは、自分の件を頼めるか、いくらかかるか、相談したら何が起きるかといったことです。
たとえば取扱業務に「不動産登記」とだけ書かれていると、親の家の名義を変えたい依頼者は、自分の件が当てはまるかを判断できません。

項目が抜ける理由は、所長が載せる必要を考えていなかったか、載せられないと思っていたかの2つに分かれます。
抜けた理由 | 当てはまる項目 | 所長が考えていたこと |
|---|---|---|
載せる必要を考えていなかった | 扱う困りごと、相談の流れ、対応地域、問い合わせ方法 | 業務の名前や事務所の住所を載せれば伝わる |
載せられないと思っていた | 料金、代表の顔 | 料金は案件ごとに額が変わる、写真を出すのは士業らしくない |
考えていなかった4つは、所長にとって毎日のことなので、依頼者が知らないことに気づきにくい項目です。
料金は相続の財産や会社の規模で毎回変わるので、サイトには載せようがないと思っていました。
編集部
額が毎回同じでなくても載せられます。基本の報酬と、額が上がる条件を分けて書き、登録免許税のような実費は別の欄にします。
依頼者から見た6つの項目の書き方
6つの項目は、事務所の側からではなく、依頼者が問い合わせるかを決める材料として書きます。
扱う困りごと
扱う困りごとは、業務の名前ではなく、依頼者が自分の状況を話すときの言葉で書きます。依頼者は「相続登記」という言葉を知らなくても、「親が亡くなって、実家の名義を変えないといけない」とは言えるからです。
業務の名前の横に、その業務で解決する困りごとを1行ずつ添えると、依頼者は自分の件を頼めるかを判断できます。
- 相続登記:親が亡くなり、実家の土地と建物の名義を変えたい
- 建設業許可:元請けの会社から、許可を取るよう求められた
- 法人の決算と申告:会社を作って、初めての決算を迎える
扱わない業務と、その場合に紹介できる先も書いておくと、依頼者は問い合わせる前に別の事務所を探せます。
料金
料金は、業務ごとに報酬と実費を分けて載せます。分けて載っていれば、依頼者は相談する前に、自分の件でかかる額の見当を付けられます。
料金の欄は、報酬、変わる条件、実費、総額の例の4つに分けます。相続登記を例にすると、次のように書きます。
書く欄 | 書く中身 | 相続登記の例 |
|---|---|---|
報酬 | 事務所に払う額と、その額で行う作業 | 戸籍の収集から登記の申請までの額 |
報酬が変わる条件 | 額が上がる条件と、上がる額 | 不動産や相続人の数が基準を超えたときの加算 |
実費 | 事務所が依頼者に代わって払う費用 | 登録免許税、戸籍謄本などの取得費、郵送費 |
総額の例 | よくある依頼1件の合計 | 土地と建物が1件ずつで、相続人が3人のときの合計 |
料金表の元になる基準は、士業によってはすでに事務所にあります。
- 行政書士:行政書士法で、報酬の額を事務所の見やすい場所に掲示することになっている
- 司法書士:司法書士法施行規則で、依頼を受ける前に報酬の基準を依頼者に示すことになっている
- 弁護士:日本弁護士連合会の規程で、報酬の基準を作って事務所に備え置くことになっている
掲示や備え置きをしている基準から業務ごとの報酬を写し、登録免許税などの実費を書き足せば、料金のページの下書きになります。
相談の流れ
相談の流れは、問い合わせから着手までを番号付きで書き、どの段階で費用がかかるかを添えます。依頼者は、問い合わせてもすぐに依頼が決まるわけではないことと、どこで断れるかが、問い合わせる前に分かります。
- 問い合わせ:電話かフォームで、困りごとを簡単に伝えてもらう
- 初回面談:面談の時間、相談料の有無、持ってくる書類を前もって伝える
- 見積もり:報酬と実費の額を示し、依頼するかを依頼者に決めてもらう
- 委任契約と着手:契約を結び、作業を始める日と終わるまでの目安を伝える
初回面談の相談料も書いておきます。無料か有料かと、有料なら30分あたりの額を書いておけば、依頼者は面談の申し込みの前に費用を確かめられます。
代表の顔と経歴
代表の顔と経歴は、顔写真と、依頼者の困りごとに関係する経歴から載せます。依頼者は、面談で会う人を問い合わせる前に確かめられます。
経歴は、登録の年や出身校から書き始めず、依頼者の困りごとに関係する経験から書きます。たとえば相続の相談を受けたい司法書士なら、登録の年より先に、相続登記や遺言書の作成に携わってきた年数を書きます。
顔写真を大きく載せるのは、士業の事務所らしくない気がして、ためらっていました。
編集部
大きさは選べます。スーツで正面を向いた上半身の写真なら、面談の場で会う姿と同じです。依頼者は、電話に出る人や面談で会う人の顔を、問い合わせる前に確かめられます。
対応地域
対応地域は、出向ける市区町村の名前と、オンラインで相談できる業務を書きます。隣の市に住む依頼者が、自分の件を頼めるかを問い合わせる前に判断できます。
「全国対応」とだけ書くと、面談に来てもらえるのか、郵送とオンラインで済ませるのかが、依頼者には分かりません。面談に出向く地域と、郵送とオンラインで受ける地域を分けて書きます。
問い合わせ方法
問い合わせ方法は、電話番号と受付時間、フォームを、どのページからも1回の操作で開ける場所に置きます。業務のページから入った依頼者が、トップページに戻らずに連絡できます。
スマートフォンでは、電話番号を押せばそのまま電話がかかるようにします。フォームの入力欄は名前と連絡先、相談したい内容くらいに絞り、返信までの日数を書きます。
料金や相談の流れを、事務所の管理画面で書き足せますか
当社のホームページ制作は、料金や相談の流れなどの文章と写真を、事務所の管理画面で差し替えられる作りです。サービスのページは滋賀のお店向けの案内で、県外の事務所とはオンラインで打ち合わせます。
今日直す手順とかかる時間
今日直す手順は次の5つで、×が3つなら、作業時間の目安は合わせて3時間ほどです。

×の項目は、料金と相談の流れから先に直します。依頼者が問い合わせるかを決める材料で、所長の手元の資料だけで書けるためです。
かかる時間は15分です。確認表を手元に置き、トップページと業務のページを入口にして、6つの項目に〇か×を付けます。
かかる時間は30分です。料金なら報酬の基準、相談の流れなら初回面談で使っている説明、代表の顔なら写真と経歴の下書きを用意します。写真が手元に無ければ撮影の日を決め、その項目は×のまま次へ進みます。
かかる時間は30分です。経歴、事例、料金に関わる条文(事実と違う表示や誇大な表示の禁止、依頼者や扱った案件の表示の制限など)を読み、書こうとしている文が禁じられた表現に当たらないかを確かめます。
かかる時間は1項目30分ほどです。文章を直せる管理画面があれば、そのまま書き足します。制作会社に直しを頼むサイトなら、書いた文と載せる場所をまとめて送ります。
かかる時間は10分です。スマートフォンで同じ入口から開き、×だった項目が2回のタップで見つかるかを確かめます。
所属会の広告の規程は士業ごとに違うので、原文を開いて確かめます。たとえば弁護士は、日本弁護士連合会の規程で、次の3つが決まっています。
- 広告に、弁護士の氏名と所属弁護士会を表示する
- 訴訟の勝訴率は表示できない
- 顧問先や依頼者の名前は、書面か電磁的方法による同意がなければ表示できない
(参考:弁護士等の業務広告に関する規程(日本弁護士連合会))
税理士や司法書士など、ほかの士業は、所属する会や連合会が定めた規則を開きます。会ごとの例と、経歴や件数の書き方で制限される表現は、士業のSEO対策は業務の名前で狙う|業務ページの作り方と広告の決まりにまとめています。
制作会社が原稿を書いた場合も、公開の前に所長が所属会の規程に合っているかを確かめます。経歴、事例、件数を書いた文は、所長が自分で読みます。
手が回らない項目の任せ方
手が回らない項目は、所長が決める中身を手元に残し、ページを作る作業だけを任せます。料金の額や経歴の中身は、事務所の外の人には決められないためです。所長の手元に残すのは、次の3つです。
- 業務ごとの報酬と実費の額
- 経歴に書く経験と年数
- 公開前の規程に照らした確認
写真の撮影やページの作成、スマートフォンでの表示の調整、問い合わせのフォームの設置などは、制作会社に任せられます。
ここに挙げた項目は、どれも自分で直せます。全部を直す時間が取れない場合は、当社が初期費用0円・月額19,800円(税別・最低2年)で事務所のサイトを作り、料金や相談の流れの文章と写真は事務所の管理画面で書き足せるようにします。
作るのは10ページまでで、ブログやお知らせの個別のページは数えません。毎月30分までの打ち合わせがあり、2年後にサイトとドメインが事務所のものになります。運用を続ける場合は月額5,000円か年5万円(税別)で、2年の途中で解約するときは制作費の残りを払います。打ち合わせはオンラインで行い、滋賀県彦根市とその周辺の事務所には訪問もできます。
×の項目を直す時間が、今月は取れそうにありませんか
当社が事務所のサイトを作り、料金や相談の流れは事務所の管理画面で書き足せるようにします。サービスのページは滋賀のお店向けの案内で、県外の事務所にもオンラインで対応しています。







