「せっかく作り直すなら、受けている分野は全部トップに載せておきたい」。事務所案内のパンフレットも取扱分野を並べて載せるので、サイトも同じ形にすれば相談を取りこぼさないように思えます。ところが、「離婚 慰謝料 相場」のように分野の言葉で探す人は、分野が並ぶトップより、自分の悩みの答えが載ったページを読んで相談先を選びます。作り直しを、今の受任の中から重点の分野を1つ選び、その分野で探す人に向けたページから始めると、何の事務所かが伝わります。
本記事では、重点の分野の選び方から、分野のページに書く項目、ほかの分野を広げる順番まで、ホームページを月額制で作っている会社の視点で順を追ってお伝えします。
- 重点の分野は、過去1〜2年の受任を分野ごとに数え、件数と報酬と、今後も受けたいかで1つ選ぶ
- 分野のページの見出しには、依頼者が検索に使う言葉を使う
- 分野のページには、費用の目安、初回相談の流れ、解決までの期間の目安、よくある質問を書く
- 公開前に、勝訴率の表示や、規程の例外に当たらないのに依頼者の同意なく載せた事例など、業務広告規程に反する書き方がないかを確かめる
- ほかの分野は取扱分野としてトップに残し、1つ目のページが仕上がってから1分野ずつページを足す
取扱分野を全部トップに並べた弁護士のサイト
取扱分野を全部トップに並べたサイトとは、離婚、相続、交通事故、債務整理などの分野を同じ大きさで並べ、各分野の説明を2〜3行にとどめた作りです。今のサイトが次のどれかに当てはまるなら、全部を並べた作りになっています。
- トップに取扱分野が5つ以上、同じ大きさで並んでいる
- 分野ごとのページがないか、あっても説明が数行しかない
- 費用は、全分野をまとめた報酬表の1ページにしか書いていない
- ポータルサイトへの掲載やリスティング広告、SNSを、作り直しと同じ時期に始めようとしている
全部を並べるのは、どの分野の相談も受けたいからで、考え方そのものは間違っていません。合っていないのは並べ方で、分野の言葉で探す人の探し方とずれています。
分野を全部並べると何の事務所か伝わらない理由
分野を全部並べたサイトで何の事務所かが伝わらないのは、分野の言葉で探す人が知りたい費用や流れを、トップの2〜3行には書けないからです。
「離婚 慰謝料 相場」で探す人は、慰謝料がいくらになりそうか、弁護士に頼むといくらかかるか、どれくらいで終わるかを知りたがっています。検索結果の上位には、慰謝料や費用、期間の問いに答えたページが並びやすくなります。分野を並べただけのトップはどの分野の問いにも答えていないので、分野の言葉の検索に出にくく、出ても読んだ人は相談するかを決められません。

全分野のページを一度に作ろうとすると、続かなくなるという問題も起きます。分野のページに書く4つの項目を8分野で書けば32項目になり、どれも弁護士が中身と業務広告規程に合うかを確かめなければなりません。
ポータルサイトへの掲載や広告を同じ時期に始めれば、確かめる文章はさらに増えます。
重点にする分野の決め方
重点の分野は、過去1〜2年に受任した事件を分野ごとに数え、件数と報酬と、今後も受けたいかの3つで1つ選びます。用意するのは、事件の受付簿か管理の台帳と、会計の記録です。
過去1〜2年に受任した事件を、受付簿から分野ごとに数えます。分野ごとに、受け取った着手金と報酬金の合計も書き出します。法律相談だけで終わった件は、受任の件数に入れません。
分野ごとに、今後も受けたいかを○か×で付けます。件数が多くても、事務所の体制や弁護士の関心から今後は増やしたくない分野は×にします。
最近の依頼者に、事務所を選んだ理由を聞きます。初回相談のメモに残っていれば、メモから拾います。理由に出てくる言葉は、選んだ分野のページで事務所を紹介する文章に使います。
○を付けた分野のうち、報酬の合計が最も大きい分野を選びます。合計の差が1割ほどなら、件数の多い分野にします。件数が多いほど、費用や期間の目安、よくある質問を、事務所で扱った事件から書けるためです。
記入例は、過去2年の受任を4つの分野で数えた事務所のものです。
分野 | 受任の件数 | 報酬の合計 | 今後も受けたいか |
|---|---|---|---|
離婚 | 24件 | 720万円 | ○ |
相続 | 15件 | 750万円 | ○ |
交通事故 | 30件 | 600万円 | × |
債務整理 | 20件 | 300万円 | ○ |
※ 件数と金額は記入の例で、相場ではありません。受付簿と会計の記録の数字に入れ替えてください。
交通事故は件数が最も多くても、今後は増やしたくない分野なので外れます。残る3つのうち、離婚と相続は報酬の合計がほぼ同じなので、件数の多い離婚を重点の分野にします。
離婚を重点にすると、相続や交通事故の相談は来なくなりませんか。
編集部
ほかの分野も、取扱分野としてトップに載せたままにします。変わるのは、トップでいちばん大きく見せる分野と、ページを作る順番です。離婚のページを仕上げてから、相続のページを足していきます。
選んだ分野のページの見せ方
選んだ分野のページは、依頼者が検索に使う言葉を見出しにし、費用、相談の流れ、解決までの見通しを1ページで読める形にします。公開の前には、業務広告規程に反する書き方がないかも確かめます。
見出しに使う依頼者の言葉
依頼者が検索に使う言葉は、初回相談のメモや問い合わせのメールから書き出します。法律の用語より、自分の状況の言葉で探す人もいるためです。Googleの検索窓に分野の名前を入れたときに出る候補も、言葉を集める材料になります。
書き出した言葉は、助詞を補って、次のように分野のページの見出しに使います。
- 離婚 慰謝料 相場:離婚の慰謝料の相場と金額の決まり方
- 離婚 弁護士 費用:離婚を弁護士に頼むときの費用の目安
- 離婚 調停 期間:離婚調停から解決までの期間の目安
分野のページに書く4つの項目
分野のページに書く項目は次の4つで、どれも依頼者が相談を申し込む前に知りたいことです。
項目 | 書く内容 |
|---|---|
費用の目安 | 相談料、着手金、報酬金、実費の別と、報酬金の算定方法 |
初回相談の流れ | 申込みの方法、相談の時間と相談料、持ってくる書類 |
解決までの期間の目安 | 協議、調停、訴訟の段階ごとに、事務所で扱った事件のおおよその期間 |
よくある質問 | 初回相談で実際に聞かれた質問と答え |
費用の目安は、最低額だけを書かず、算定方法と、別にかかる手数料や実費まで書きます。解決までの期間は「3か月で解決」のように断定せず、幅で書き、長くなる場合の条件を添えます。

業務広告規程で表示できないことと控えること
分野のページで表示できないことと表示を控えることは、日本弁護士連合会の「弁護士等の業務広告に関する規程」と「業務広告に関する指針」で決まっています。重点の分野を前に出すページでは、次の5つの書き方をしていないかを、公開前に1ページずつ確かめます。
- 選んだ分野を「専門」「スペシャリスト」「エキスパート」と書く(表示を控えることが望ましいとされています)
- 訴訟の勝訴率を書く
- 依頼者や顧問先の名前を、書面か電磁的方法による同意なく書く
- 架空の解決事例や、実際の結果より脚色した解決事例を載せる
- 「業界最低水準の報酬」「着手金0円〜」のように、報酬をあいまいに書く
受任中や過去の事件も、原則は依頼者から書面かメールなどの電磁的方法で同意を得てから載せます。依頼者が特定されず、依頼者の利益を損なうおそれもない書き方なら、同意がなくても載せられます。この場合も、書面か電磁的方法での同意を得るように努めます。
「専門」は、何を基準に専門と認めるかの客観的な基準がなく、読んだ人を誤導するおそれがあるため、表示を控えます。重点の分野は、「取扱い分野」のほか、実際に得意なら「得意分野」、経験がまだ多くなければ「積極的に取り組んでいる分野」と書きます。
(参考:業務広告に関する指針(日本弁護士連合会))
「専門」の代わりに使える言い方や、解決事例の載せ方は、弁護士のSEO対策と業務広告規程の注意点で紹介しています。
業務広告規程で表示が必要なこと
業務広告規程で表示が必要なのは、弁護士の氏名と所属弁護士会です。分野のページは検索から直接読まれるので、どちらも分野のページにも表示します。弁護士法人なら、法人の名称と事務所の名称、所属弁護士会です。電話やメールで依頼を受けることを広告する場合は、次の3つも表示します。
- 受任する法律事務の範囲
- 報酬の種類、金額、算定方法、支払時期
- 委任契約を途中で解除できることと、途中で終わったときの清算の方法
(参考:弁護士等の業務広告に関する規程(日本弁護士連合会))
分野のページの費用や相談の流れを、事務所で書き換えられる形にしたいですか
当社のホームページ制作では、作った後の文章や写真を、事務所が管理画面で差し替えられます。報酬の基準を改めたときや、よくある質問を足したいときに、制作会社に頼まずに直せます。サービスのページは滋賀のお店向けの案内ですが、県外の事務所にはオンラインで対応しています。
選んだ後に分野を広げる順番
ほかの分野のページは、1つ目の分野のページが仕上がってから、1分野ずつ足していきます。
ほかの分野は、作り直しの最初から取扱分野としてトップに載せておきます。トップの最初の画面には重点の分野の見出しと、分野のページへの入り口を置きます。ほかの分野は、その下に一覧で並べます。
2つ目の分野のページは、1つ目のページに4つの項目がそろい、初回相談で聞かれた質問をよくある質問に足す作業が回り始めてから作ります。1つ目のページで、書いて確かめて直す手間がどれくらいかかるかが分かるので、2つ目からは作る時間を見積もれます。
2つ目に選ぶのは、○を付けた分野の中で、報酬の合計が次に大きい分野です。記入例なら、離婚の次は相続、その次は債務整理になります。

1つ目のページが読まれているかは、相談の申込みフォームに「事務所を何で知ったか」の欄を設けるか、初回相談で聞いて受付簿に残すと分かります。検索で知った依頼者には、どんな言葉で探したかも聞いておくと、次に足す分野のページの見出しにも使えます。
ページを作る時間が取れないときの任せ方
分野のページを作る時間が取れない場合は、制作を任せ、弁護士は分野を選ぶことと、中身が規程に合うかを確かめることに時間を使います。どの分野を選ぶかと、費用や期間の目安の数字は、事務所の記録を持つ弁護士にしか決められないためです。
任せる前に用意する4つの資料
任せる前に次の4つを用意しておくと、制作会社が分野のページの原稿を書き始められます。
- 重点の分野を選んだときの表
- 依頼者が検索に使う言葉の一覧
- 選んだ分野の報酬の基準と相談料
- 初回相談で聞かれた質問のメモ
任せても事務所が保存する記録
任せる場合も、サイトは弁護士の広告なので、業務広告規程で決まった記録は、広告が終わってから3年間、事務所が保存します。作り直しで画面を一新するときは、作り直す前と後のサイトのデータを、どちらも保存します。制作会社との契約書や見積書、請求書、支払いの記録も保存します。契約書と支払いの記録の保存は、2026年7月1日から加わった決まりです。
当社に任せる場合の費用
私たち合同会社Writers-hubに任せる場合の費用は、初期費用のかからない月額制です。途中で解約するときは、制作費の残りを払っていただきます。
弁護士のホームページは、取扱分野を全部並べる前に重点の分野を1つ選び、その分野のページから作ります。選ぶ1つは、今の受任の中にあります。選んだ分野のページを含むサイトの作り直しを任せたい場合は、当社が初期費用0円・月額19,800円(税別・最低2年)で作り、費用やお知らせは事務所の管理画面で直せるようにします。
重点の分野を決めたら、そのページから作り直しませんか
作るのは10ページまでで、ブログやお知らせの個別のページは数えません。重点の分野のページと取扱分野の一覧、弁護士の紹介、相談の申込みのページが10ページに収まるかを、サービスのページで見比べてください。サービスのページは滋賀のお店向けの案内で、彦根市とその周辺は訪問もでき、県外はオンラインで対応しています。







