「プレスリリースを配信サービスに載せれば、被リンクが付いてSEOにも効きそう」。リリースの本文に自社サイトのURLを書けば、配信先のページから自社サイトへリンクが張られるので、配信するだけで被リンクが1本増えると思われがちです。ところが、配信サービスのページに載ったリンクをGoogleが順位にどう使うかは、Googleの公式な説明では確認できていません。プレスリリースのSEO効果は、配信後に3つの数字で判断します。
本記事では、プレスリリースのリンクについてGoogleが示していることから、Search Consoleでの確かめ方、次に直す場所の決め方まで、企業サイトのSEOを現状の分析から手がける会社の視点で順を追ってお伝えします。
- 確かめる数字は、被リンク、社名を含む検索、サイトへの流入の3つ
- 検索キーワードをリンクの文字にしたプレスリリースの配布は、Googleがリンクスパムの例に挙げている
- 被リンクは、配信サービスのページと、記者や書き手の記事からのリンクを分けて数える
- どの数字も、配信前に控えた数字と比べて判断する
プレスリリースにSEO効果はあるか
プレスリリースにSEO効果があったかは、配信後に被リンク、社名を含む検索、サイトへの流入の3つが増えたかで確かめます。Googleの公式ドキュメントで、プレスリリースを出すことが順位にどう影響するかの説明は確認できていません。
3つの数字が増えたときに分かることと、確かめる場所は次のとおりです。
数字 | 増えたときに分かること | 確かめる場所 |
|---|---|---|
被リンク | 自社サイトへリンクを張ったページが増えた | Search Consoleのリンクレポート |
社名を含む検索 | 社名を知った人がGoogleで社名を検索した | Search Consoleの検索パフォーマンスのレポート |
サイトへの流入 | 検索結果やリリースのリンクから人がサイトに来た | 検索パフォーマンスのレポートとアクセス解析ツール |
被リンクを数えるのは、Googleがページの関連性の判断と新しいページの発見に、リンクをシグナルとして使うとリンクに関するベストプラクティスで説明しているためです。

どの数字も、配信の前後で比べないと、リリースで増えたのか、ほかの施策で増えたのかを分けられません。
プレスリリースのリンクに関するGoogleの説明
プレスリリースのリンクについて、Googleの公式ドキュメントに書かれているのは、リンクスパムに当たる例です。
Googleのスパムに関するポリシーは、他のサイトで配布するプレスリリースの中の、作為的なアンカーテキストのリンクを、リンクスパムの例に挙げています。例として載っているのは、「結婚指輪」「結婚式」のような検索キーワードをリンクの文字にした文章です。リリースの中のリンクの文字には、社名かページの名前を使います。
掲載料を払って載せる記事広告も、順位の評価を渡すリンクを含む場合は、同じポリシーでリンクスパムの例に挙げられています。リンクにrel="sponsored"かrel="nofollow"を付けていれば、違反にはなりません。
配信サービスのページに載ったリンクを、Googleが順位にどう使うかは、公式には確認できていません。自社のリリースが載ったページを開いてページのソースを表示すると、自社サイトへのリンクにnofollowなどのrel属性が付いているかを確かめられます。rel属性はリンク先との関係をGoogleに伝える値です。外部リンクのrel属性のページによると、nofollowなどを付けたリンクは一般にGoogleにたどられません。
配信サービスにリリースを載せたら、被リンクが1本増えたと報告していいですか?
編集部
配信サービスのページのリンクは自社で載せたリンクなので、リリースが外に広まった数とは分けておきます。報告する数字にするのは、リリースを読んだ記者や書き手が、自分の記事に自社サイトへのリンクを張ったものです。
配信前に控えておく3つの数字
プレスリリースの効果を前後で比べるには、配信前に次の3つの数字を控えておきます。
- 被リンク:リンクレポートの「最新のリンク」を書き出し、配信日を入れた名前で保存する
- 社名を含む検索:社名を含むクエリの、配信前の4週間の表示回数とクリック数を控える
- 流入:リリースからリンクするページの、配信前の4週間のクリック数を控える
リリースからリンクするページは1つに決め、本文に書くURLもそのページにします。リンク先が1つなら、被リンクも流入も、そのページの数字を見れば確かめられます。

リンクレポートで被リンクを確かめる手順
プレスリリースで増えた被リンクは、Search Consoleのリンクレポートで、配信日より後に検出されたリンクを抜き出し、リンク元ごとに分けて確かめます。

確かめる手順は次の4つです。
リンクレポートを開き、「エクスポート」から「最新のリンク」を選びます。最近検出されたリンクが検出日の順に並んだファイルを書き出せます。
書き出したファイルを配信前に保存したファイルと見比べ、配信前のファイルに無いリンク元を抜き出します。
抜き出したリンクを、配信サービスのページと、記者や書き手が書いた記事のページに分けて数えます。
リンクレポートの「上位のリンク元テキスト」で、自社サイトへのリンクの文字が、社名やページの名前になっているかを確かめます。
リンクレポートの数字を読むときは、レポートが載せる範囲に気をつけます。
Search Consoleのリンクレポートのヘルプによると、リンクレポートはサイトへのすべてのリンクではなく、Googleが検出したリンクのサンプルを載せています。リンクにnofollowが付いているかは表示されず、すでに削除されたリンクが残っていることもあります。nofollowかどうかは、リンク元のページを開いて確かめます。
社名を含む検索を確かめる手順
社名での検索が増えたかは、Search Consoleの検索パフォーマンスのレポートで、社名を含むクエリを配信前の4週間と比べて確かめます。
「フィルタを追加」から「クエリ」を選び、「次を含むクエリ」に社名を入力して「適用」をクリックします。
日付のフィルタを開いて「比較」を選び、配信後の4週間と配信前の4週間を指定します。
比べると表に差の列が出るので、表示回数とクリック数が配信前からどれだけ増えたかを見ます。
検索パフォーマンスのレポートのフィルタのヘルプによると、「次を含むクエリ」は大文字と小文字を区別しませんが、スペースは入力したとおりに一致させます。社名をカタカナと英字の両方で書く会社は、「カスタム(正規表現)」を選び、2つの表記を縦線で区切って入力すると、まとめて絞れます。
クエリで絞ると、プライバシーを守るためにレポートから外される匿名化されたクエリが合計に入らなくなります。そのため、社名を含む検索の数は、実際より少なく出ることがあります。
表示回数が十分にあるサイトでは、ブランドクエリのフィルタでも、ブランド名を含む検索を分けられます。ただし、検索パフォーマンスのレポートのディメンションのヘルプには、一部の検索語句で、ブランドかどうかの分類を誤ることがあると書かれています。社名の検索の意味と増やし方は、指名検索の調べ方の記事にまとめています。
サイトへの流入を確かめる手順
リリースからリンクしたページへの流入は、Google検索からのクリックをSearch Consoleで、リリースや掲載記事のリンクから来た訪問をアクセス解析ツールで確かめます。
Search Consoleの検索パフォーマンスのレポートで見られるのは、Google検索からの流入だけです。検索パフォーマンスのレポートで「フィルタを追加」から「ページ」を選び、リリースからリンクしたページのURLで絞ります。そのうえで、社名を含む検索と同じように、配信前の4週間とクリック数を比べます。
リリースの本文や掲載記事のリンクから来た訪問は、アクセス解析ツールの参照元で確かめます。GA4での確かめ方は、referralの確認手順の記事で紹介しています。
数字の動きで決める次の打ち手
配信後に確かめる3つの数字は、どれが動いたかで、次に直す場所が変わります。
数字の動き | 読み取れること | 次に確かめる場所 |
|---|---|---|
配信サービスのページからのリンクしか増えない | 記者や書き手の記事にリリースが取り上げられていない | リリースに、記事にできる新しい事実が書かれているか |
記事のページからのリンクが増えた | 記者や書き手がリリースを読み、自社サイトを紹介した | リンクされたページから、読者が次に読むページへ進めるか |
社名を含むクエリの表示回数は増え、クリック数は増えない | 社名で検索した人が、検索結果で自社サイトをクリックしていない | 社名で検索したときに出る自社サイトのタイトルと説明文 |
社名を含むクエリのクリック数が増えた | 社名を知った人が、検索から自社サイトに来た | 社名で検索した人が着くページに、リリースで知らせた内容へのリンクがあるか |
とりわけ見落とされがちなのが、社名で検索した人が着くページです。社名で検索した人は、リリースからリンクしたページではなく、トップページに着くことがあります。Search Consoleで社名を含むクエリを選び、「ページ」のタブに切り替えると、どのページに着いているかが分かります。
社名で検索して来た人が、トップページから先へ進めていますか
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プレスリリースのSEO効果でよくある質問
プレスリリースのSEO効果を確かめるときに、迷いやすい3つの質問に答えます。
nofollowの付いたリンクは意味がない?
nofollowの付いたリンクにも、サイトへの入口としての意味があります。読んだ人がそのリンクから自社サイトに来れば、アクセス解析ツールの参照元に表れるためです。nofollowの扱いは、nofollowの記事で詳しく紹介しています。
リンクの無い掲載記事は数えなくていい?
リンクの無い掲載記事も、社名を含む検索の数字に表れることがあるので、記録しておきます。掲載記事に自社サイトへのリンクが無いと、リンクレポートには出ません。ただし、記事で社名を知った人がGoogleで社名を検索すれば、社名を含むクエリの表示回数に入ります。リンクの無い言及の扱いは、サイテーションの記事にまとめています。
配信前と後を比べる期間はどう決める?
配信前と後を比べる期間は、同じ長さで、曜日がそろう週単位にします。Search Consoleのヘルプには、2つの期間を比べるときは週単位か月単位で集計すると、曜日による違いが薄まると書かれています。4週間を目安にするのは、曜日がそろう週単位のうち、配信の直後から1か月ほどを見られる長さだからです。
まとめ|プレスリリースの効果は配信後の3つの数字で判断する
プレスリリースのSEO効果は、配信後に被リンク、社名を含む検索、サイトへの流入の3つが、配信前より増えたかで判断します。配信サービスのページのリンクを順位にどう使うかは公式に確かめられないので、被リンクは記者や書き手の記事からのリンクを分けて数えます。リリースの中のリンクの文字は、検索キーワードではなく、社名かページの名前にします。
次にプレスリリースを出す前に、進めることは次の3つです。
- リリースからリンクするページを1つに決める
- リンクレポートの最新のリンクを書き出し、配信日を入れた名前で保存する
- 社名を含むクエリと、リンクするページのクリック数を、配信前の4週間分控える
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