「司法書士事務所のSEO対策は、相続や登記の解説記事をブログで増やしていくこと」。相続登記の期限や必要書類は記事にしやすく、記事が増えるほど検索に出る機会も増えそうに見えるため、SEOは記事から始めるものと思われがちです。ところが、2026年10月23日に「相続登記 彦根」で検索すると、上位10件には司法書士事務所の相続のページが、法務局や市役所のページと並んでいました。司法書士事務所のSEOは、業務ページとGoogleマップの事務所情報から整えます。
本記事では、先に狙う検索の決め方から、業務ページとGoogleマップの整え方、広告の決まりに沿った書き方まで、SEO記事を作る会社の視点で順を追ってお伝えします。
- 業務の名前と地域名で探す人に向けたページから作る
- 業務ページには、手続きの名前と「不動産の名義変更」のような依頼者の言葉の両方を書く
- Googleマップの事務所名には実際の名称だけを入れ、業務の名前や地域名を足さない
- 口コミは見返りを付けずに頼み、返信では依頼の中身に触れない
- 報酬は実費と分けて書き、裏付けの無い「No.1」や結果を約束する言葉は使わない
司法書士事務所のSEOで先に狙う検索
司法書士事務所のSEOで先に狙うのは、「相続登記 彦根」のように業務の名前と地域名を組み合わせた検索です。
事務所を探す人の検索は、目的で次の3つに分かれます。
| 業務の名前と地域名 | 司法書士と地域名 | 手続きの調べもの | |
|---|---|---|---|
| 検索の例 | 相続登記 彦根 | 司法書士 彦根 | 相続登記 自分で |
| 探している人 | 頼む手続きが決まり、近くの事務所を比べている人 | 近くの司法書士の場所や連絡先を確かめたい人 | 自分で手続きできるかを調べている人 |
| 答えるページ | 業務ページとGoogleマップの事務所情報 | トップページとGoogleマップの事務所情報 | 解説記事 |
司法書士と地域名の検索では、事務所のサイトのほかに、司法書士会のページも上位に入ります。2026年10月23日に「司法書士 岡山」で検索すると、1位は岡山県司法書士会の司法書士検索のページで、上位10件のうち3件が司法書士会と相談センターのページでした。
業務の名前と地域名の検索でも、上位は事務所のページだけではありません。「相続登記 彦根」と「相続登記 岡山」では、どちらも上位10件に、相続登記の手続きや無料の相談窓口を案内する法務局と市役所のページが入っていました。事務所のページには、事務所に頼むと何をしてもらえ、いくらかかるかを書きます。

業務の名前で探す人に向けた業務ページ
司法書士事務所のサイトでは、相続登記や会社設立、債務整理などの業務ごとにページを分け、各ページのタイトルに業務の名前と地域名、事務所名を入れます。1つのページに全部の業務を並べると、タイトルに入れられる業務の名前が限られるためです。
Googleの「SEO スターター ガイド」は、良いタイトルには、会社の名前や住所などの重要な情報を含められると説明しています。
※ 出典:Google 検索セントラル「Google 公式 SEO スターター ガイド」
手続きの名前と依頼者の言葉
業務ページのタイトルと見出しには、「相続登記」のような手続きの名前と、「不動産の名義変更」のような依頼者の言葉の両方を入れます。Googleのスターターガイドは、トピックをよく知る人と知らない人では検索に使う言葉が違うことがあるとして、読者の使う言葉を予測して書くよう勧めています。
日本司法書士会連合会の「こんなときは司法書士」のページも、「不動産を相続したので名義を変更したい」のように、相談する人の言葉で相談の例を並べています。依頼者の言葉は、事務所にかかってくる電話や、問い合わせのメールの言い方から拾えます。
「名義変更」だけでは車の手続きと区別がつかない点は、見落とされがちです。2026年10月23日に「相続 名義変更 岡山」で検索すると、1位は相続した自動車の名義変更のページでした。業務ページには「不動産の名義変更」と書きます。
言い方ごとにページを分ける必要はありません。「相続登記 彦根」と「相続 名義変更 彦根」の上位10件には、同じ3つの事務所の同じページが入っていました。Googleも、ページにすべての言い方をそのとおりに書く必要はないとしています。
業務ページに書く中身
業務ページに書く中身は、次の5つの項目です。
- 頼める場面:「親から相続した家の名義を変えたい」のような依頼者の状況
- 手続きの流れ:相談から登記の完了までの順番と、依頼者が用意する書類
- 報酬と実費:事務所の報酬と、登録免許税などの実費を分けた額
- かかる期間:依頼から完了までの目安と、期間が延びる条件
- 担当する司法書士:氏名と、所属する司法書士会
業務によっては、依頼者が知っておく条件も書きます。相続登記のページなら、相続で不動産を取得したと知った日から3年以内に申請する義務があることと、2024年4月1日より前の相続も、登記をしていなければ対象になることです。
債務整理のページなら、法務大臣の認定を受けた司法書士が、簡易裁判所での訴額140万円以下の訴訟や、裁判外の和解などを代理できることを書きます。
※ 出典:法務省「相続登記の申請義務化について」、日本司法書士会連合会「司法書士の業務」

業務ページのタイトルに、依頼者の言葉は入っていますか
事務所のサイトのURLと、依頼を増やしたい業務を教えてください。業務の名前と地域名の検索で今どのページが出ているかと、タイトルと見出しに入れる手続きの名前と依頼者の言葉を一緒に確かめます。
Googleマップの事務所情報の整え方
Googleマップの事務所情報は、Googleビジネスプロフィールに登録して整えます。Googleは、ローカル検索結果の順位を、主に関連性、距離、知名度で決めると説明しています。
関連性は、検索語句とプロフィールが合う度合いで、Googleはビジネスの情報を的確に入れるほど高められるとしています。
※ 出典:Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント」
事務所名とカテゴリ
事務所名の欄には、看板や名刺で使っている実際の名称だけを入れます。Googleのガイドラインは、サービスや所在地の情報を名前に足すことを認めておらず、足すとプロフィールが停止される場合があります。
事務所名に「相続登記」と入れたほうが、地図で上に出やすくなりませんか?
編集部
事務所名に業務の名前を足すと、Googleのガイドラインに反し、プロフィールが停止されることがあります。業務の名前は事務所のサイトの業務ページに書き、プロフィールではサービスの欄が使えれば登録してください。
カテゴリは「司法書士」を選びます。サービスの欄は業種によって使える場合があり、使えるときは業務の名前を1つずつ登録します。
※ 出典:Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Google に掲載するビジネス情報のガイドライン」、「ビジネス プロフィールに表示されるサービスを管理する」
登録する事務所の住所
プロフィールは、登録した事務所の1か所で作ります。司法書士法施行規則第19条は、司法書士は2つ以上の事務所を設けることができないと定めています。司法書士法人が従たる事務所を設けているときは、事務所ごとに1つずつ作ります。
Googleのガイドラインも、1つの拠点に複数のプロフィールを作ることや、実際にサービスを提供していない住所で登録することを認めていません。業務ごとにプロフィールを分けたり、出張相談の会場を登録したりはしません。
※ 出典:e-Gov法令検索「司法書士法施行規則」
口コミの頼み方と返信
口コミは、手続きを終えた依頼者に、GoogleのリンクやQRコードを渡して投稿を頼みます。Googleは、口コミの数が多く評価の高いビジネスほど、ローカル検索結果の順位が高くなると説明しています。
※ 出典:Google ビジネス プロフィール ヘルプ「Google のローカル検索結果のランキングを改善するヒント」
Googleのポリシーは、割引などの見返りと引き換えに口コミを頼むことと、良い口コミを書いてくれそうな依頼者だけを選んで頼むことを禁じています。「口コミを書いたら報酬を割引」のような案内は出しません。
口コミに返信するときは、依頼の中身に触れません。司法書士法第24条は、業務上取り扱った事件について知った秘密を、正当な事由が無い限り漏らすことを禁じています。Googleのヘルプも、返信で投稿者の個人情報を公開しないよう求めています。
※ 出典:e-Gov法令検索「司法書士法」、Google ビジネス プロフィール ヘルプ「クチコミを増やすためのヒント」、Google マップ ユーザー投稿コンテンツ ポリシー「禁止および制限されているコンテンツ」
Googleマップの事務所名と業務ページの書き方は、そろっていますか
Googleビジネスプロフィールの画面と、事務所のサイトのURLを見せてください。事務所名・カテゴリ・住所の書き方が看板やサイトと合っているかと、業務の名前で調べたときに地図の一覧で並ぶ事務所を一緒に確かめます。
司法書士の広告の決まりと書き方
事務所のサイトの業務ページやGoogleマップの事務所情報は、司法書士の広告の決まりと景品表示法に沿って書きます。大阪司法書士会の指針は、事務所の連絡先を載せるなど依頼につながる表示があるホームページを、広告に当たると判断するとしています。
司法書士行為規範と会の規則
司法書士の広告にかかわる主な決まりは、次の5つです。
決まり | 定めている内容 |
|---|---|
司法書士法第23条 | 所属する司法書士会と日本司法書士会連合会の会則を守る |
司法書士法施行規則第26条 | 不当な手段で依頼を誘致するような行為をしない |
司法書士行為規範第12条 | 不当な方法で依頼を誘致しない、依頼者の紹介を受けた対価を名目を問わず支払わない |
司法書士行為規範第17条 | 虚偽の事実を含む広告や宣伝、誤認を生じさせるおそれがある広告や宣伝、品位や信用を損なうおそれがある広告や宣伝をしない |
各司法書士会の広告の規則 | 日本司法書士会連合会が定めた「司法書士の業務広告に関する規則基準」に沿って、会ごとに定める |
会の規則は、所属する会のものを確かめます。たとえば大阪司法書士会の規則は、ほかの会員との比較広告と、依頼者の文書による同意が無いまま依頼者や扱った案件を表示する広告を禁じています。
大阪司法書士会の規則と指針で制限されるSEOの書き方は、「士業のSEO対策は業務の名前で狙う|業務ページの作り方と広告の決まり」でも表にまとめています。
※ 出典:日本司法書士会連合会「司法書士行為規範」、大阪司法書士会「大阪司法書士会会員の広告に関する規則」
債務整理のページで気をつける言葉
債務整理のページは、結果を約束する言葉を使わずに書きます。
日本司法書士会連合会は2024年6月の総会決議で、「借金全額免除!?」「国が認めた借金救済制度」といった誇大なネット広告でトラブルが相次いだという報道に触れています。
大阪司法書士会の指針は、「過払金100%回収」と書くことを、誇大または過度な期待を抱かせる広告の例に挙げています。「金融業者からの督促がすべて止まる」も同じく例に挙げ、書くならヤミ金融では督促が止まらないことがあるなどのリスクを明記すべきだとしています。
同じ指針は、依頼するのに面談がまったく不要であるかのような表現を、誤導または誤認のおそれのある広告の例にしています。
※ 出典:日本司法書士会連合会「第89回定時総会 決議」、大阪司法書士会「大阪司法書士会会員の広告に関する規則運用についての指針」
景品表示法で確かめる表示
景品表示法は、事業者が自ら提供するサービスについて、内容を実際より著しく優良に見せる表示と、取引条件を実際より著しく有利に見せる表示を禁じています。対象は、不当に顧客を誘い、一般消費者の自主的で合理的な選択を妨げるおそれがある表示で、わざとでなく誤って表示した場合も含まれます。
「顧客満足度No.1」「口コミ人気No.1」のような表示は、合理的な根拠が無く事実と異なれば、景品表示法上の問題になると消費者庁は示しています。No.1の根拠と認められるには、次の4つをすべて満たす必要があります。
- 比較の対象を適切に選んでいる
- 調査の対象者を適切に選んでいる
- 調査を公平な方法で行っている
- 表示の内容と調査の結果が合っている
報酬を書くときは、登録免許税などの実費が別にかかることを、報酬の額と同じ場所に書きます。報酬の額だけを示すと、依頼者が実際に払う額は表示より多くなります。
※ 出典:消費者庁「優良誤認とは」、消費者庁「有利誤認とは」、消費者庁「No.1表示に関する実態調査について」

司法書士のSEOでよくある質問
司法書士事務所のSEOについて、よくある3つの質問に答えます。
解決事例やお客様の声は載せていい?
解決事例とお客様の声は、依頼者の承諾を得たものだけを載せます。司法書士法第24条は業務上知った秘密を漏らすことを禁じ、司法書士行為規範第11条は、本人の承諾がある場合に必要な限度で秘密を開示できるとしています。大阪司法書士会の規則のように、依頼者の文書による同意を求める会もあります。
ポータルサイトに載せてもいい?
司法書士を探すポータルサイトへの掲載は、広告の掲載にとどまるかを契約の前に確かめます。司法書士行為規範第12条は、依頼者の紹介を受けた対価を、名目を問わず支払うことを禁じています。
大阪司法書士会の指針は、運営会社が市民から金銭を取っていないかと、司法書士から定額の登録料のほかに金銭を取っていないかを、見極める基準に挙げています。
効果が出るまでどのくらい?
Googleは、変更が検索結果に反映されるまでに、数時間で済むものも数か月かかるものもあるとし、数週間待ってから確かめるよう勧めています。変更すれば必ず目に見える変化が出るわけではないとも書いています。
業務ページを公開してから順位が落ち着くまでは、一般に3〜6か月ほどが目安と言われ、地域の事務所の数とサイトの状態で変わります。
まとめ|司法書士のSEOは業務の名前とGoogleマップから
司法書士事務所のSEOは、解説記事を増やす前に、業務の名前と地域名で相談先を探す人に向けて、業務ページとGoogleマップの事務所情報を整えることから始めます。業務ページには手続きの名前と依頼者の言葉を書き、事務所名には業務や地域を足しません。
書くときは、司法書士行為規範と所属する会の規則、景品表示法の範囲にとどめます。裏付けの無いNo.1や結果を約束する言葉を使わず、報酬は実費と分けて示します。
私たち合同会社Writers-hubは、累計8,000記事以上を制作してきた記事制作の会社です。
どの業務のページから作るか、決めていますか
事務所で受けたい業務と、依頼者の多い地域を教えてください。業務の名前と地域名の検索で今どのページが上位に出ているかを調べ、最初に作る業務ページの順番を一緒に確かめます。







