「サイト構造は、URLのフォルダを階層どおりに分ければ整う」。サイト構成図はトップページから枝分かれする木の形で描かれるため、フォルダの分け方を決めることが設計だと思われがちです。ところが、Googleがeコマースサイト向けに公開しているガイドには、Googleは通常、URLの構造ではなくページ間のリンクからサイトの構造を把握すると書かれています。サイト構造は、利用者が迷わず目的のページに着ける階層とリンクを設計すれば、そのリンクを通じて検索エンジンにも伝わります。
本記事では、サイト構造で決めることから、階層とリンクを決める手順まで、毎日記事を公開するサイトを運用している記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- サイト構造は、ページの分け方を決める階層と、ページのつなぎ方を決めるリンクでできている
- Googleは通常、URLのフォルダではなく、ページ間のリンクからサイトの構造を読み取る
- 階層の深さは、URLのフォルダの数ではなく、目的のページまでのクリックの回数で数える
- カテゴリは、社内の部署や管理の区分ではなく、利用者が探す言葉で分ける
- 何階層までにすべきかという数字は、Googleの公式ドキュメントでは確認できていない
サイト構造で決める分け方とつなぎ方
サイト構造とは、サイトのページをどう分けて、どうつなぐかを決める設計です。サイト構造を作る部品は次の4つで、階層構造がページの分け方を、残りの3つがページのつなぎ方を決めます。
部品 | 決めること | 利用者が使う場面 |
|---|---|---|
階層構造 | どのページを、どのカテゴリの下に置き、どのURLにするか | 今いるページが、サイトのどの分類に入っているかを知る |
ナビゲーション | すべてのページに共通で出すメニューに、どのページを載せるか | どのページからでも、主なカテゴリや問い合わせのページへ移る |
内部リンク | カテゴリページや本文から、どのページへリンクを張るか | 今読んでいるページの次に要るページへ、階層をまたいで移る |
パンくずリスト | 今のページまでの経路を、どの順番で並べて出すか | 1つ上のカテゴリへ戻り、同じ分類のほかのページを探す |
サイト構成図に描かれるのは、4つのうちの階層構造です。とりわけ見落とされがちなのが、構成図に描かれないメニューとリンクの張り方です。メニューとリンクまで決めて、はじめて利用者が目的のページに着けるかが決まります。

Googleがサイト構造を読み取る2つの手がかり
Googleがサイトの構造を読み取る手がかりは、ページ間のリンクと、URLのディレクトリの2つです。ページの重要度を推測する材料になるのはリンクです。ディレクトリは、数千以上のURLを持つサイトのクロールにかかわる手がかりです。
ページ間のリンク
Googleは、リンクをたどって新しいページを見つけ、リンクからページどうしの関係を分析しています。eコマースサイトの構造をGoogleが把握できるようにするにも、ページに届くまでに経由するリンクの数や、そのページを指すリンクの数が、重要度を推測する材料になると明記されています。同じガイドには、Googleは通常、URLの構造からサイトの構造を把握しないとも書かれています。
Googleが通常クロールできるのは、実際のウェブアドレスに解決できるhref属性を持つaタグのリンクです。Googleのリンクに関するベストプラクティスでは、href属性の無いaタグや、スクリプトの処理でリンクとして動かしている要素からは、URLを確実に取り出せないとされています。利用者がクリックするメニューや本文のリンクをaタグで作れば、利用者がたどる経路を、そのままGoogleもクロールしやすくなります。
URLのディレクトリ
SEOスターターガイドには、数千以上のURLを持つサイトでは、サイトの構造がクロールとインデックス登録に影響すると書かれています。似たトピックのページを同じディレクトリにまとめると、ディレクトリごとにページが変わる頻度を、Googleが学習しやすくなるためです。めったに変わらない規約のページと、頻繁に入れ替わるキャンペーンのページを別のディレクトリに分けると、Googleはディレクトリごとにクロールの頻度を変えられます。
作り直しでURLのフォルダを階層どおりに付け直せば、Googleにもサイト構造が伝わりますか?
編集部
数千以上のURLを持つサイトなら、似たページを同じフォルダにまとめると、Googleがフォルダごとの更新の頻度を学びやすくなります。ただ、ページの重要度をGoogleが推測する材料はリンクです。URLを付け直す前に、メニューと本文のリンクで目的のページまでたどれるかを確かめてください。
利用者が探す順に分ける階層の決め方
階層は、利用者が目的のページを探すときにたどる順番で分け、深さはクリックの回数で確かめます。
カテゴリの分け方
カテゴリは、利用者が探すときに使う言葉で分けます。社内の部署や商品の管理区分のとおりに分けると、2つの部署が同じサービスを扱っているとき、利用者はどちらのメニューを開けばよいか迷うためです。利用者が使う言葉は、問い合わせのメールに書かれた言葉や、Search Consoleの検索パフォーマンスのレポートに出る検索語句から拾えます。
1つのページは、1つのカテゴリの下に置きます。同じ内容のページを2つのカテゴリの下に別々のURLで作ると、利用者はどちらが正しいページか、2つに違いがあるのかと迷うためです。ほかのカテゴリからも見せたいページは、そのカテゴリのページや本文からリンクでつなぎます。
Googleのスターターガイドでも、同じ情報のページが複数あるときは、使わないURLから最もふさわしいURLへリダイレクトするよう勧められています。リダイレクトを設定できないときは、canonicalで正規のURLを示します。
階層の深さの数え方
階層の深さは、目的のページまでのクリックの回数で数えます。たとえば「/service/web/seo/」のように3段のフォルダにあるページでも、トップページのメニューから直接リンクしていれば、1回のクリックで着きます。反対に、URLが「/seo/」と浅くても、お知らせの一覧の5ページ目にしか出てこないページは、一覧へ1回、5ページ目まで4回、ページへ1回の計6回のクリックが要ります。
何階層までにすべきかという数字は、Googleの公式ドキュメントでは確認できていません。数字を決める代わりに、問い合わせや料金のように利用者に必ず見てほしいページほど、少ないクリックで着く場所に置きます。利用者はトップページから入るとは限らないので、検索から個別のページに着いた人が、そこから何回で目的のページに着くかも数えておきましょう。

URLの付け方
URLには、ページの中身が分かる単語を使い、単語の間はハイフンでつなぎます。Google検索におけるURL構造のベストプラクティスでは、長いID番号より意味のある単語を使うよう勧められています。単語の区切りも、アンダースコアではなくハイフンにするよう書かれています。URLの中の単語は、パソコン版の検索結果でパンくずリストとして表示されることもあります。
URLは、公開した後に変えずに済む形で決めます。単語の選び方と、公開後にURLを変えるときの手順は、URLの構造とURL設計の決め方にまとめています。
ナビゲーション・内部リンク・パンくずの決め方
ページのつなぎ方は、リンクごとに、利用者をどのページへ移すかを決めて設計します。
グローバルナビゲーション
グローバルナビゲーションは、すべてのページの上部に共通で出すメニューです。載せるのは、第1階層のカテゴリと、問い合わせや料金のように利用者に必ず見てほしいページです。どのページにも同じ項目が並ぶので、検索から個別のページに着いた利用者も、1回のクリックで主なカテゴリへ移れます。
項目を増やすほど1つずつの項目は探しにくくなるので、利用者が最初に探す言葉に絞ります。
スマートフォン向けに、メニューを開くボタンをJavaScriptで作るときも、メニューの中のリンクはhref属性を持つaタグにします。Googleは、JavaScriptで差し込んだリンクでも、aタグとhref属性で書かれていればたどれます。
カテゴリページと本文のリンク
カテゴリページには、その下にあるすべてのページへのリンクを載せます。Googleのeコマースのガイドでは、メニューからカテゴリ、カテゴリからサブカテゴリ、サブカテゴリからすべての商品ページへリンクするよう勧められています。Googlebotは通常、クロールのときにサイト内検索の窓へ語句を入れないので、サイト内検索でしか出てこないページは、Googleに見つけてもらえない可能性があります。
本文のリンクは、階層をまたいで、読者が次に要るページへつなぎます。リンクの文字は「こちら」「詳細」ではなく、リンク先の中身が分かる言葉にしましょう。Googleのリンクのガイドには、関心のあるすべてのページに、同じサイトのほかのページから1本以上のリンクを張るよう書かれています。1ページのリンクの数に理想の値は無いとしたうえで、多すぎると感じるなら実際に多すぎる可能性が高い、という記述もあります。
パンくずリスト
パンくずリストは、今のページがサイトの階層のどこにあるかを示し、上の階層へ移動できるナビゲーションです。
並べる経路は、URLのフォルダをそのまま写すより、利用者がそのページへたどり着く一般的な経路にします。パンくずリストの構造化データのガイドラインで、そう勧められています。1つのページへの経路が複数あるときは、構造化データで複数のパンくずリストを指定することもできます。設置の場所や構造化データの書き方は、SEOでパンくずリストは効くのかにまとめています。
問い合わせのページまで、トップページから何回のクリックで着きますか
今のサイトのURLの一覧と、メニューに並べている項目を見せていただければ、問い合わせや料金のページまで何回のクリックで着くかを一緒に確かめます。
サイト構造を設計する5つの手順
サイト構造は、利用者が最後に着くページを決めるところから始め、クリックの回数を数えて確かめるところで終える5つの手順で設計します。
サイトに来る利用者ごとに、何を探しに来て、最後にどのページに着けばよいかを書き出します。会社のサイトなら、発注を考える人は問い合わせのページ、応募を考える人は採用のページ、というように1組ずつ書きます。
載せるページを、1ページに1つのテーマで書き出します。作り直しのときは、今あるページのURLを一覧にし、残すページ、まとめるページ、消すページに分けます。
書き出したページを、利用者が探す言葉でカテゴリに分け、1つのページを1つのカテゴリの下に置きます。目的のページは、トップページのメニューから直接リンクできる階層に置きます。
メニューに載せる項目と、パンくずリストに並べる経路を決め、カテゴリページと本文から張るリンクをページごとに書き出します。どのページにも、ほかのページからのリンクが1本以上あるかを、この段階で確かめます。
トップページと、検索から人が着きそうなページから、目的のページまで何回のクリックで着くかを数えます。回数の多いページには、メニューかカテゴリページからのリンクを足します。
作り直しでURLが変わるページは、古いURLと新しいURLの対応表を作ってから公開します。サイトを移転する方法には、古いURLから新しいURLへ、サーバー側で301や308などの永続的なリダイレクトを設定するよう書かれています。あわせて、サイトの中のリンクも新しいURLに書き換えます。

古いURLをまとめてトップページへ転送するのは避けます。Googleのサイト移転のガイドでは、多くの古いURLを関係の薄い1つのURLへリダイレクトすると、利用者が戸惑い、ソフト404として扱われる場合もあるとされています。複数のページの内容を1つのページにまとめたときは、元のURLをまとめたページへリダイレクトしてかまいません。
サイト構造の設計でよくある質問
サイト構造の設計でよくある質問は、次の3つです。
ページが少ないサイトでも設計は要る?
ページが少ないサイトでも、フォルダの分け方より、メニューから目的のページへ着けるかを決める設計は要ります。10ページほどのサイトなら、すべてのページを、トップページかメニューから1回のクリックで着く場所に置けます。
サイトマップを送ればリンクは要らない?
サイトマップは、リンクの代わりにはなりません。XMLサイトマップはGoogleにページの場所を知らせるファイルで、利用者がたどる経路にはならないからです。Googleのeコマースのガイドでも、サイトマップは、すべてのページにリンクできない場合の手段として挙げられています。まずリンクで目的のページへたどれるようにし、全ページにリンクできない部分はサイトマップで知らせます。
作り直しでURLは変えたほうがいい?
今のURLで利用者が目的のページに着けているなら、作り直しだけを理由にURLを変える必要はありません。Googleのスターターガイドでは、サイトを論理的に整理することは勧められています。ただし、今すぐ整理し直す必要はなく、整理されていないサイトでも検索エンジンはおそらくそのまま把握する、とも書かれています。URLを変えるのは、カテゴリの分け方を変えたページのように、今のURLのままでは中身と合わなくなるページに絞りましょう。
まとめ|サイト構造は利用者がたどる経路で設計する
サイト構造は、URLのフォルダの分け方より、利用者が目的のページまでたどる経路で設計します。Googleは通常、ページ間のリンクからサイトの構造を読み取るので、利用者がたどれるaタグのリンクは、検索エンジンにも伝わりやすくなります。
作り直しや新規作成の前には、利用者ごとの目的のページを書き出し、トップページと主な入口から何回のクリックで着くかを数えてください。何階層までという数字を探すより、回数の多いページへリンクを足すほうが、利用者が目的のページに着ける経路は増えます。
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作り直しの前に、ページの一覧とメニューの案を固めませんか
予定しているページの一覧と、カテゴリの分け方の案を見せていただければ、利用者が探す言葉に合っているかと、目的のページまでのリンクに抜けが無いかを一緒に確かめます。







