「採用サイトは、制作会社に頼めば中身まで用意してもらえるだろう」。制作会社のサイトには完成した採用サイトの事例が並ぶため、頼めば形になると思われがちです。ところが、求職者が採用サイトで確かめる仕事の中身、給与の決まり方、先輩の話、応募後の流れの4つは、どれも社内にしかない材料です。4つの材料と、作った後に誰が更新するかを頼む前に決めておけば、ページ数は少なくて済み、見積もりも同じ条件で比べられます。
本記事では、求職者が会社名で検索して確かめていることから、見積もりと契約で確かめる項目まで、小さなお店や会社のサイトを作る制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- 採用のページは、4つの材料がそろえば今のホームページの1ページでも足りる
- 先輩の話は、社員1人に5つの質問をし、録音を書き起こしてまとめる
- 見積もりは、ドメインの名義や自社で直せる範囲など、5つの項目の答えをそろえてから比べる
- 自社で作るなら、作業は目安として1〜2日分で、最後に求人票からリンクを張る
応募が増えない採用サイトで起きていること
採用サイトの困りごとは、頼む前に決めていなかったことから起きます。起きていることと、その元になった決めていなかったことは、次の4組です。
起きていること | 頼む前に決めていなかったこと |
|---|---|
公開しても応募が増えない | 求人票に書けない中身を、誰が用意するか |
給与や募集する職種が変わっても、古い内容が載ったまま | 公開した後に、誰がどうやって直すか |
制作会社を替えようとしたら、ドメインやデータを渡してもらえない | ドメインとデータを、誰の名義にするか |
取材や原稿の確認のやり取りが続き、社長の手間が増える | 材料をそろえる人と、確認する人 |
4組とも、デザインの出来とは別の所で起きています。見積書にはページ数やデザインの項目が並ぶため、中身の材料と公開後の更新の話は、契約した後に回りがちです。
求職者が会社名で検索して確かめること
求職者が求人票を見た後に会社名で検索するのは、求人票の決まった欄に入らないことを確かめるためです。求人票の欄は職種や給与、勤務時間などで決まっていて、その会社で働く1日の様子までは書ききれません。
求職者が確かめたいことと、採用サイトに載せる材料は、次の4組です。
求職者が確かめたいこと | 採用サイトに載せる材料 |
|---|---|
自分にできる仕事か | 仕事の中身 |
働き続けると給与がどう変わるか | 給与の決まり方 |
どんな人と一緒に働くか | 先輩の話 |
応募したら次に何が起きるか | 応募後の流れ |
4つの材料がそろえば、採用のページは1枚でも足ります。採用サイトを別に立てず、今のホームページに1ページ足す形でもかまいません。

求人票に採用のページのアドレスを載せておけば、求職者は会社名で検索しなくても、そのページにたどり着けます。
採用サイトは、ページ数が多いほうがしっかりした会社に見えませんか。
編集部
ページが多いと、採用に力を入れている会社に見えるのは確かです。ただ、求職者は求人票で気になった点を確かめに来るので、答えが何ページにも分かれていると、探す手間が増えます。小さな会社なら、4つの材料を1ページにまとめたほうが、求職者は答えにたどり着きやすくなります。
頼む前に社内でそろえる4つの材料
頼む前に社内でそろえる4つの材料は、社長と社員1人がいれば書き出せます。先輩の話のほかは、完成した文章でなく、箇条書きのメモでかまいません。
仕事の中身
仕事の中身は、求人票の仕事内容の欄に書けないことを、次の3つに分けて書き出します。
- 1日の流れ:出社から退社までの時刻と作業
- 最初の3か月で覚える仕事:1か月目から3か月目までに任せる作業
- 一緒に働く人:配属先の人数と、仕事を教える担当者
1日の流れは、「8時半の朝礼の後、午前は先輩と現場を回り、午後は事務所で翌日の準備をする」のように時刻と作業で書きます。最初の3か月で覚える仕事があると、未経験の求職者は、入社してすぐに何を任されるかを想像できます。
給与の決まり方
給与の決まり方は、初任給の額に加えて、何ができるようになると給与が上がるかを書きます。「昇給あり」とだけ書くと、求職者は数年後の給与を見積もれません。「指定の資格を取ると資格手当が付く」「1人で現場を任されると等級が1つ上がる」のように、上がる条件で書きます。
給与と一緒に載せる募集要項には、職業安定法で明示が義務づけられている労働条件があります。自社のホームページで募集するときも同じです。2024年4月からは、入社後の配置転換で変わりうる業務と就業場所の範囲なども、明示する項目に加わりました。項目の一覧と書き方の例は、厚生労働省のリーフレットで確かめられます。
(参考:募集時などに明示すべき労働条件が追加されます(厚生労働省))
固定残業代を払う場合は、次の3つをすべて書きます。
- 固定残業代を除いた基本給の額
- 固定残業代に当たる時間数と金額
- その時間を超えた分を追加で払うこと
試用期間中に給与が変わる場合は、試用期間中の額も書きます。
先輩の話
先輩の話は、社員1人に次の5つを聞き、答えを文章にしてそろえます。
- 入社した理由
- 1日の流れ
- 大変なこと
- 続けている理由
- 一緒に働きたい人
聞き取りはスマートフォンで録音し、そのまま書き起こします。書き起こしから、具体的な場面や数字が出てくる文を残し、質問ごとに目安として2〜3文にまとめます。まとめた文は本人に読んでもらい、言っていないことが入っていないかを確かめます。
誰を何人載せるかや、退職したときの扱いは、採用サイトの社員インタビューの作り方で紹介しています。
応募後の流れ
応募後の流れは、応募してから入社が決まるまでに何が起きるかを、日数と連絡の方法で書きます。書くのは次の5つです。
- 応募の方法:電話、メール、応募フォームのうち受け付ける方法
- 最初の連絡:応募から連絡するまでの日数と、連絡する人
- 面接:回数、場所、かかる時間
- 職場の見学:見学できる時期と、申し込み方
- 結果の連絡:面接から結果を伝えるまでの日数と、伝える方法
見積もりと契約で確かめる項目
見積もりと契約で確かめる項目は5つあり、どれも金額より先に聞きます。4つの材料と更新する人が決まっていれば、どの制作会社にも「材料は自社で用意する」「公開後はこの人が直す」と同じ条件を伝えられます。
材料が決まっていないと、取材や撮影を含めるかが制作会社ごとに違い、金額の差が何の差なのか分かりません。5つの項目の答えをそろえてから、見積もりの金額を比べます。

ドメインとサイトのデータの名義
ドメインは、ホームページのアドレスに入る「会社名.jp」のような部分です。ドメインの登録者が制作会社の名義だと、制作会社を替えるときに、同じアドレスを使い続けられないことがあります。見積もりの段階で、ドメインとサイトのデータを置くサーバーの契約を、自社の名義にできるかを聞きます。
管理画面で自社が直せる範囲
管理画面は、ブラウザからログインして、ページの文章や写真を差し替える画面です。採用サイトは、給与や募集する職種が変わるたびに直す必要があります。募集の情報を正確で最新の内容に保つことは、職業安定法で募集する側の義務になっています。
作った後に誰が直すかを先に決め、その人が管理画面で募集要項と先輩の話を直せるかを、契約の前に画面で見せてもらいます。直した日付を募集要項に書いておくと、求職者はいつの時点の条件かを判断できます。
更新の費用と修正の窓口
自社で直せない部分の修正は、1回ごとの料金か、月額に含まれるかを見積もりで確かめます。あわせて、修正を誰に頼み、何日で反映されるかを聞きます。募集の締め切りや給与の変更は日付が決まっているので、反映に日数がかかると、古い条件を見た人から応募が来ます。
毎月の報告の中身
毎月の報告がある契約なら、採用のページが見られた回数と、求人票のリンクから来た人の数が入っているかを確かめます。2つの数字があれば、応募が増えないときに、ページが見られていないのか、見られても応募に進まないのかを分けて考えられます。
解約したときに残る物
解約したときに残る物は、ドメインとサイトのデータを渡してもらえるかで確かめます。写真と先輩の話の文章は社内で用意した材料なので、原本を手元に残しておけば、制作会社を替えても使えます。最低の契約期間がある場合は、途中で解約したときに払う費用も、契約の前に聞きます。
ドメインの引き渡しと自社で直せる範囲を、見積もりの前に確かめませんか
小さなお店向けのホームページ制作は、文章や写真を管理画面で差し替えられる作りで、2年後にサイトとドメインがお客様のものになります。ほかの制作会社の見積もりと並べて、2年後の引き渡しと更新の条件を確かめられます。サービスのページは滋賀のお店向けの案内ですが、県外の会社にもオンラインで対応しています。
自社で作る場合の手順とかかる時間
自社で作る場合は、今のホームページに採用のページを1枚足す形にすると、社長と社員の作業は、目安として合わせて1〜2日分です。手順は次の5つです。
社長が、仕事の中身、給与の決まり方、応募後の流れをメモに書き出します。時間は目安として1〜2時間を見ておきます。
5つの質問を聞き、録音を書き起こして文章にまとめます。目安として、聞き取りは30分ほど、書き起こしとまとめは1〜2時間です。
スマートフォンで、働いている現場と、話を聞いた社員を撮ります。仕事の時間の中で、目安として1時間を取ります。
今のホームページの管理画面で1ページ足し、仕事の中身、給与の決まり方、先輩の話、応募後の流れの順に並べます。最後に応募の窓口を置きます。作成には、目安として2〜3時間を見ておきます。
ハローワークの求人では、事業所の情報にホームページのアドレスを載せる欄があります。ほかの求人媒体は、自社のページへのリンクを載せられるかを担当者に聞きます。
※ 時間は、社員の人数と写真を撮る現場の数で変わります。
写真を撮るときに守ることは、次の2つです。
- 顔を出す許可:撮る前に本人に聞き、メールなど記録に残る形で返事をもらう
- 作業中の手元:顔を出せない社員がいても、手元の写真で仕事の中身を見せる
聞き取りと撮影は社員の予定に合わせるため、公開までの日数は作業時間より長くかかります。管理画面の無いホームページでは採用のページを自社で足せないので、1ページの追加を制作会社に頼むか、次の任せる形にするかを比べます。

作る時間がない場合の任せ方
作る時間がない場合は、4つの材料を社内でそろえ、ページの作成と公開を任せる形にできます。任せる先を選ぶときも、見積もりと契約で確かめる5つの項目で比べます。
私たち合同会社Writers-hubの小さなお店向けのホームページ制作で、公開している条件から答えられる項目は次のとおりです。毎月の報告の中身は、サービスのページに書いていないため、答えを載せません。
確かめる項目 | 当社の答え |
|---|---|
ドメインとサイトのデータの名義 | 契約中の登録者名義は、サービスのページに記載がない。2年後にサイトとドメインがお客様のものになる |
管理画面で自社が直せる範囲 | 文章や写真、社員の声を管理画面で差し替えられる |
更新の費用と相談の方法 | 当社に差し替えを頼む場合は、別に見積もる。2年後に運用を続けるなら月額5,000円か年5万円(税別)。毎月30分までの打ち合わせ。オンラインのほか、彦根市とその周辺は訪問もできる |
解約したときに残る物 | 途中で解約するときは制作費の残りを払う。支払いの後、サイトとドメインをお客様に渡す |
4つの材料をそろえれば、採用のページは自社でも作れます。作る時間がない場合は、当社が会社案内と採用のページを含む10ページまでのサイトを初期費用0円・月額19,800円(税別・最低2年)で作り、社員の声や写真は管理画面で差し替えられるようにします。ブログやお知らせの個別のページは、10ページに数えません。2年後にはサイトとドメインがお客様のものになります。
採用のページを作る時間が取れないなら、サイトづくりを任せませんか
社内で4つの材料をそろえ、採用のページを含むサイトの作成と公開を任せる形にできます。月額に含まれる作業と契約の条件は、サービスのページで確かめられます。サービスのページは滋賀のお店向けの案内ですが、県外の会社にもオンラインで対応しています。







