「サブドメインも、ドメインと同じように、どこかで申し込んで取得するもの」。ドメインは登録の料金と更新の料金を払って使い続けるので、その下に作る名前にも同じ手続きが要ると思われがちです。ところが、サブドメインは、持っている独自ドメインの前に名前を足したもので、ドメインを管理している人がDNSの設定に名前を1行加えれば作れます。
本記事では、サブドメインの意味とURLの中の位置から、ブログや採用サイトでの使われ方、DNSの設定で作る手順まで、Webサイトの記事を作る制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- サブドメインの名前を足すこと自体には、ドメインの登録料はかからない
- URLでは「https://」の直後から独自ドメインの手前までがサブドメインで、「www」もその1つ
- 名前ごとに別のサーバーやサービスへ向けられるので、ブログや採用サイトなど、本体と別の仕組みで動かすページに使う
- 作るには、接続先を用意してDNSにレコードを1つ足し、HTTPSで開けるかまで確かめる
サブドメインとは
サブドメインとは、登録して持っている独自ドメインの前に名前を足して作る、別のドメイン名です。「example.co.jp」を持っている会社は、「blog.example.co.jp」のような名前を新しく登録せずに作れます。
新しい登録が要らないのは、ドメイン名が右から左へ階層になっていて、ある名前の下にどんな名前を置くかを、その名前のDNSを管理する人が決める仕組みだからです。
「サブドメイン」という言葉が指す範囲は、説明によって2通りあります。DNSの基本を定めたRFC 1034は、あるドメインの中に含まれるドメインをサブドメインと呼びます。RFC 1034の呼び方では、「blog.example.co.jp」という名前全体がサブドメインで、「example.co.jp」自体も「co.jp」のサブドメインにあたります。
一方で、前に足した「blog」の部分だけをサブドメインと呼ぶ説明もあります。どちらの説明も、独自ドメインの前に名前を足すという同じ付け方を指しています。
※ サブドメインの定義は、RFC 1034の3.1節に書かれています。
サーバーやDNSの設定画面で、入力欄の後ろに「.example.co.jp」と表示されていれば、入力するのは前に足す「blog」の部分だけです。
サブドメインはURLのどの部分か
サブドメインは、URLのうち「https://」の直後から、独自ドメインの手前までの部分です。「https://blog.example.co.jp/news/」というURLは、次の4つの部分に分かれます。
URLの部分 | この例での文字 | 表しているもの |
|---|---|---|
スキーム | https:// | ページを読み込むときの通信の方式 |
サブドメイン | blog | 独自ドメインの前に足した名前 |
独自ドメイン | example.co.jp | 登録して持っているドメイン |
パス | /news/ | サーバーの中でのページの場所 |

独自ドメインがどこまでかは、末尾の種類で見分けます。この例では、「example.com」と「example.jp」は右から2つの区切り、「example.co.jp」は右から3つの区切りまでが登録したドメインです。実際の境界はドメインの種類によって異なります。独自ドメインより左に足された名前が、サブドメインにあたります。
「www.example.co.jp」の「www」も、仕組みのうえではサブドメインの1つです。「www」が付くURLと付かないURLは別の名前なので、どちらで開いても同じページが出るかは、DNSとサーバーの設定で決まります。
「example.co.jp/blog/」の「/blog/」のように、独自ドメインの後ろの「/」より先に足した部分は、サブドメインではなくサブディレクトリと呼ばれます。2つの違いと選び方は、サブディレクトリとは?サブドメインとの違いと大規模サイトでの選び方で比べています。
サブドメインのよくある使われ方
サブドメインがよく使われるのは、本体のサイトと別のサーバーやサービスで動かすページを、同じ独自ドメインの名前のまま分けたいときです。DNSでは、名前ごとに別のサーバーやサービスへ接続先を設定できます。一方、サブディレクトリは本体と同じ名前の中の場所なので、まず本体のサーバーに届きます。
名前の例 | 用途 | サブドメインに分ける理由 |
|---|---|---|
blog | ブログ・オウンドメディア | 本体と別のCMSで記事を公開するため |
recruit | 採用サイト | 採用の管理サービスや、本体と別のサーバーで動かすため |
en | 英語など別の言語のサイト | 言語ごとに別の仕組みや担当で運営するため |
shop | ネットショップ | ネットショップの作成サービスに向けるため |
stg | 公開前の確認用のサイト | 本番のサイトと分けて変更を試すため |

公開前の確認用のサブドメインは、誰でも開ける状態にしておくと、検索結果に出ることがあります。Googleは、非公開のページをパスワードで保護すれば、Google検索に表示されなくなるとGoogle検索セントラルのドキュメントで説明しています。
会社のブログを始めるなら、サブドメインに分けたほうがよいのでしょうか。
編集部
分けたほうがよい場合もありますが、決め手はブログを動かす仕組みです。本体と同じCMSで書くなら「example.co.jp/blog/」のサブディレクトリでも作れて、別のCMSやサービスで動かすならサブドメインに分けると、名前ごとに接続先を変えられます。検索での評価の違いはサブドメインのメリットとデメリットで、ドメイン名とSEOの関係はドメインはSEOに影響するかで比べています。
サブドメインを作る手順
サブドメインは、次の4つの手順で作ります。

名前の追加はドメインを管理している人が、接続先の用意はサーバーやサービスの管理者が行います。2つの担当が別の会社に分かれているときは、どちらの作業を誰がするかを先に決めておくと、DNSに書く値の受け渡しで止まりません。
用途が読み取れる、短い英数字の名前にします。一般的なWebサイト用のホスト名は、英字・数字・ハイフンで付け、ハイフンは名前の先頭と末尾には置きません。英数字の名前は63文字以内で、大文字と小文字は区別されないため、「Blog」と「blog」は同じ名前として扱われます。
サブドメインで開くサイトを置くサーバーやサービスに、使う名前を設定します。レンタルサーバーなら管理画面でサブドメインを追加し、外部のサービスなら独自ドメインを使う設定の画面に名前を入れます。次の手順でDNSに書く値として、サーバーのIPアドレスか、サービスが指定するホスト名が示されます。
ドメインのDNSを管理している画面で、サブドメインの名前にレコードを1つ足します。IPアドレスに向けるならAレコード(IPv6のアドレスならAAAAレコード)、サービスのホスト名に向けるならCNAMEレコードを使います。CNAMEレコードを置いた名前には、A・AAAA・MX・TXTなど通常のほかのレコードを置けません。
ブラウザでサブドメインのURLを開き、用意したサイトが出るかを確かめます。設定を変えた直後は、前の答えを保存しているDNSサーバーから古い答えが返ることがあり、保存してよい時間はレコードごとのTTLで決まります。表示されたら、サブドメインの名前を含むSSL証明書を設定し、「https://」で開けるかも確かめます。
費用がかかるのは、接続先のサーバーやサービスの料金、DNSサービスのプランによる料金、有料のSSL証明書を選んだ場合の証明書代などです。サブドメインの名前を足すこと自体には、ドメインの登録料はかかりません。
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サブドメインのサブドメインは作れるか
サブドメインのサブドメインは、DNSの仕組みのうえでは作れます。RFC 1034でも、「A.B.C.D」は「B.C.D」「C.D」「D」のそれぞれのサブドメインだと説明されています。「shop.blog.example.co.jp」のように、左へ名前を重ねられます。重ねる段数に決まりはなく、上限があるのはRFC 1035が決めている名前全体の長さです。
階層を重ねるときに見落としやすいのが、HTTPSの証明書です。「*.example.co.jp」のように先頭を「*」にしたワイルドカード証明書は、1つ下の階層の名前にだけ使えます。
開く名前 | 「*.example.co.jp」の証明書の対象か |
|---|---|
blog.example.co.jp | 対象になる |
shop.blog.example.co.jp | 対象にならない |
example.co.jp | 対象にならない |
2階層目の名前をHTTPSで開くには、その名前を含む証明書か、「*.blog.example.co.jp」の証明書を別に用意します。
※ ワイルドカード証明書が1つの階層の名前にだけ使えることは、RFC 9525の6.3節に書かれています。
サブドメインのよくある質問
サブドメインについて、よくある4つの質問に答えます。
サブドメインはいくつまで作れる?
サブドメインの数には、DNSの決まりの上限はありません。RFC 1035が上限を決めているのは名前の長さで、1つのドメインの下に作れる名前の数は決めていないためです。数の上限があるとすれば、使っているレンタルサーバーやDNSサービスのプランの決まりなので、契約しているプランの機能の説明で確かめます。
ログイン画面のURLにあるサブドメインとは?
業務用のクラウドサービスのログイン画面のURLにあるサブドメインは、サービスが持つドメインの前に、サービスが会社ごとに割り当てた名前を足したものです。無料のブログサービスにも、利用者ごとにサブドメインを割り当てるものがあります。ドメインを持っているのはサービスの側なので、サービスをやめた後に同じURLを使い続けることはできません。
メールアドレスにも使える?
サブドメインは、メールアドレスにも使えます。「info@support.example.co.jp」のように、@の後ろにサブドメインを入れたアドレスを作れます。メールを受け取るなら、受け取るサブドメインの名前で、メールの届け先を示すMXレコードを設定します。送るときに送信元を証明するSPFのレコードは、本体のドメインに設定したものがサブドメインには使われないため、送信に使うサブドメインの名前で別に設定します。
使わなくなったサブドメインはどうする?
使わなくなったサブドメインは、接続先のサービスを解約するときに、DNSのレコードも消します。外部のサービスに向けたCNAMEレコードを残したまま解約すると、第三者がサービスの側で同じ接続先を取り直すことがあります。取り直されると、自社のサブドメインで第三者が別のページを出せる状態になります。Microsoftのドキュメントでも、使えなくなった接続先を指したままのレコードはサブドメインの乗っ取りにつながるとして、DNSから消すよう説明されています。
まとめ|サブドメインは用途ごとに接続先を分ける名前
サブドメインは、持っている独自ドメインの前に名前を足したもので、接続先のサービスが指定するDNSレコードを足せば、新しいドメインの登録なしに作れます。名前ごとに接続先を変えられるので、ブログや採用サイトのように、本体と別の仕組みで動かすページを分けるときに使います。本体と同じ仕組みで動かすページなら、サブディレクトリでも足ります。
作るときは、名前の決まり、DNSのレコードの種類、HTTPSの証明書に加えて、使わなくなった後にレコードを消すところまでを手順に入れておきます。
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