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生成AIの導入をコンサルに頼む前に社長が決める4つのこと|見積もりの見方

生成AIの導入を外部に頼む前に、AIに任せる作業を1〜3個に絞り、3か月後にどの作業が誰の手で何分で終わっていればよいかを1文で書いておくと、各社の提案と見積もりを同じ基準で比べられます。同じメモを相談するすべての会社に渡し、見積もりでは、支援が終わった後に社内に残る物と、途中でやめるときの条件も聞いてください。

社長が1枚のメモを手に、机に並べた3社の見積書を同じ項目で見比べている様子。

「生成AIのことはよく分からないから、コンサルに相談すれば何から始めればよいか教えてもらえそう」。生成AIのコンサルティングの紹介ページには、戦略づくりから社内への定着まで支援すると書かれているため、何も決めずに相談してよいと思われがちです。ところが、任せる作業と終わったときの状態を社長が決めないまま相談すると、各社が得意な支援で提案するので、金額も中身も比べられません。先に決めておけば、提案と見積もりを同じ基準で比べられ、業者の言うままに契約せずに済みます。

本記事では、頼む前に社長が決めておく4つのことから、見積もりと契約で確かめる項目まで、業務にAIを組み込んで記事を作っている制作会社の視点で順を追ってお伝えします。

この記事でわかること
  • 何も決めずに相談すると、各社が得意な支援で提案するため、金額も中身も比べられない
  • 頼む前に決めるのは、任せる作業、3か月後の状態、AIに渡す情報、社内で受け持つ人の4つ
  • 4つを書いたメモを、相談するすべての会社に同じように渡す
  • 見積もりでは、支援の範囲、教え方、終わった後に残る物、契約の期間とやめるときの条件を聞く

相談先ごとに言われることが違う場面

生成AIの導入を何も決めずに相談すると、相談先ごとに勧められる支援が違い、どれを選べばよいか決められなくなります。たとえば「AIで業務を効率化したい」とだけ伝えて3社に相談すると、社員向けの研修、専用のシステムの開発、全社のAI活用の計画づくりと、別々の提案が届くことがあります。

研修と開発と計画づくりでは、かかる期間も、社内で手を動かす人も違うので、見積もりの金額だけを並べても比べられません。

比べられないまま1社に決めた場合、契約した後に起こりうる困りごとには、たとえば次の4つがあります。

  • 研修を受けたのに、翌月には誰もAIを使っていない
  • AIが作った文の確認と手直しで、かえって手間が増えた
  • 作ってもらった仕組みを、社内の誰も直せない
  • 毎月の報告を読んでも、どの作業の時間が減ったのか分からない

提案がばらばらになる原因

提案が会社ごとにばらばらになるのは、頼む側が、任せる作業と終わったときの状態を決めないまま相談しているからです。コンサル会社は、相談の場で聞いた話をもとに提案を組み立てます。

何も決めずに相談した場合と、同じメモを渡して相談した場合の提案の違いを示す図

比べる基準が無いまま選ぶと、説明が分かりやすかった会社や、金額が安い会社に決めることになります。

経営者経営者

何から始めればよいか分からないから、コンサルに頼むのではないのですか。

Writers-hub編集部Writers-hub
編集部

何から始めるかを一緒に考えるのも、コンサルの仕事です。ただ、どの作業に時間を取られているかと、3か月後にどうなっていたいかは、社長にしか分かりません。作業と3か月後の状態を先に書いて渡せば、各社が同じ前提で提案を作るので、社長が比べるのは中身と金額だけで済みます。

頼む前に社長が決めておく4つのこと

頼む前に社長が決めておくことは4つあり、どれも業者に会う前に社長が自分で書き出せます。4つを1枚のメモにまとめておくと、そのまま各社への依頼の文として渡せます。

依頼メモに書く4つの欄を示す図

任せる作業を1〜3個に絞ること

任せる作業は、毎週くり返していて時間がかかっている作業から1〜3個に絞り、それぞれ今かかっている時間と担当者を書き出します。作業ごとに頼み方と確かめ方を作るので、作業の数が増えるほど、支援の範囲と見積もりの金額が膨らむためです。

「全部の業務でAIを使いたい」と伝えると、提案は全社の業務の洗い出しから始まることになります。「営業の日報を週報にまとめる作業に、社長が毎週2時間かけている」と書いて渡せば、各社はその作業をどう短くするかで提案を作ります。今かかっている時間の測り方と、減る時間から元が取れるかを出す式は、生成AIの導入費用の記事で紹介しています。

3か月後の状態を1文で書くこと

終わったときの状態は、「3か月後に、どの作業が、誰の手で、何分で終わっていればよいか」を1文で書きます。たとえば「3か月後に、日報を週報にまとめる作業を事務の社員がAIで行い、社長が毎週2時間かけていた作業が30分の確認で終わっている」と書きます。

終わりの状態を1文で書いておけば、提案と成果を同じ基準で比べられます。各社の提案が1文に書いた状態までたどり着く内容かを見比べられ、支援が終わった後も、同じ1文で成果を確かめられるためです。「AIを使いこなせる組織にする」のような書き方では、何ができたら終わりなのかを、社長も業者も判断できません。

AIに渡す情報と渡さない情報を分けること

AIに渡してよい情報と渡さない情報は、料金表や顧客の情報、図面のように、社内の資料ごとに先に決めます。渡す情報によって、使えるAIのサービスと、提案に入る作業が変わるためです。資料ごとの決め方の例は次のとおりです。

社内の資料

決め方の例

公開している料金表、商品の説明

社外に出している内容なので渡してよい

顧客の名前、連絡先

利用目的の範囲内か、同意なく入力するなら回答以外に使われないかを確かめるまで渡さない

図面、取引先から預かった資料

取引先との契約で社外に出してよいかを確かめてから決める

顧客の名前や連絡先のような個人データを、本人の同意なくAIのサービスに入力し、そのデータが回答を作る以外の目的で使われると、個人情報保護法に違反するおそれがあります。顧客の情報を渡すと決めたなら、利用目的の範囲内か、入力した内容を機械学習に使わないかを十分に確かめる必要があり、提案の中身と金額もその前提で変わります。

(参考:生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について(個人情報保護委員会))

入力してよい情報の決め方と、AIが出した文を確かめる人の決め方は、AI研修の前に会社が決めることの記事にまとめています。

社内で受け持つ人を決めること

社内で受け持つ人は、業者とのやり取りの窓口になる人と、AIを使い続ける人の2つの役を決め、それぞれが週に何時間使えるかも書きます。研修や頼み方づくりは、社内の人が自分の作業で手を動かして初めて、支援が終わった後も続けられるようになるためです。

受け持つ人がいないまま頼むと、業者が作業を代わりにするしかなく、支援が終わったときに社内で続けられる人が残りません。社長が自分で受け持つなら、社長が週に何時間取れるかも書いておきます。

4つを書き出す時間を、本業の合間に取れそうですか

任せる作業の書き出しは、毎週の仕事を1つずつ見直す作業なので、社長が1人で進めると本業に使う時間が減ります。社内AI活用の立ち上げ支援では、業務の棚卸しから一緒に進め、社内で自分たちでできる状態になるまで伴走します。

見積もりと契約で確かめる4つの項目

見積もりと契約で確かめる項目は4つあり、頼む前に決めたことを書いたメモを、相談するすべての会社に渡したうえで、同じ順番で聞きます。答えを1枚の表に並べれば、金額だけでなく、その金額に何が含まれるかまで比べられます。

3社の見積もりを4つの項目で並べて比べる表の図

支援の範囲

支援の範囲は、メモに書いた作業のうち、どこからどこまでを業者が受け持ち、どこから社内でするのかを聞きます。作業の書き出しや頼み方づくり、社員への研修など、見積もりにどの作業が入っているかを項目ごとに確かめます。範囲に入っていない作業を後から頼むと、別の見積もりになります。

社内で使い続けるための教え方

教え方は、研修が何回あり、研修の後に社員が迷ったときに誰にどう聞けるかを確かめます。研修で習った頼み方は、社員が自分の作業に合わせて直さないと使えないので、直す段階で聞く相手がいるかどうかで、研修の後も使い続けられるかが変わります。

研修の題材が、自社の作業か一般的な例かも聞きます。自社の作業を題材にすれば、研修で作った頼み方を、翌日から自分の作業で試せます。

終わった後に社内に残る物

終わった後に社内に残る物は、頼み方の型や手順書のように、業者がいなくなっても社員が同じ作業を続けられる物です。支援が終わったときに何をどの形式で渡してもらえるかと、作ってもらった頼み方の文やツールを、社内で直して使い続けてよいかを聞きます。

残る物が無ければ、作業を広げるたびに外へ頼むことになります。任せる作業を2つ目、3つ目と増やすときに、社内で頼み方を作れるかどうかは、1つ目の支援で何が残ったかで決まります。

契約の期間と途中でやめるときの条件

契約の期間は、メモに書いた3か月後の状態にたどり着くまでの期間と合っているかを見ます。途中でやめるときは、次の3つを確かめます。

  • 何か月前までに伝えればよいか
  • 残りの期間の費用を払う必要があるか
  • それまでに作った物を受け取れるか

やめるときの条件は、契約書を受け取る前の見積もりの段階で聞いておくと、条件が合わない会社を早めに候補から外せます。

項目ごとの当社の答え

当社の社内AI活用の立ち上げ支援について、見積もりと契約で確かめる4つの項目への答えは次のとおりです。

確かめる項目

当社の答え

支援の範囲

業務の棚卸しから、社内で自分たちでできる状態になるまで伴走します。

社内で使い続けるための教え方

当社が実務で使っているAIツールとプロンプト(AIへの頼み方の文)、ワークフローを教材にします。

終わった後に社内に残る物

何が残るかは、相談のときに聞いてください。

契約の期間と途中でやめるときの条件

サービスのページには載せていないので、相談のときに聞いてください。

表に答えが無い項目も、ほかの会社と同じ順番で聞けば、各社の答えと並べて比べられます。

手が回らないときの任せ方

頼む前に決める4つ(任せる作業、3か月後の状態、AIに渡す情報、社内で受け持つ人)を書き出す時間が取れないときは、業務の棚卸しから外部と一緒に進める方法があります。棚卸しから任せる場合も、3か月後の状態の1文と、AIに渡さない情報は、社長が決めて伝えます。3か月後の状態は会社の目標に、渡さない情報は取引先との約束に関わるので、社長にしか決められません。

頼む前に任せる作業と終わりの状態を決めれば、提案を同じ基準で比べられます。ここに挙げた項目は、どの会社に頼む場合にも使えます。私たち合同会社Writers-hubは、実務で使っているAIツールとプロンプト、ワークフローを教材に、業務の棚卸しから社内で自分たちでできる状態になるまで伴走しますので、比べたうえで合うと思ったらご相談ください。

書いたメモを、比べる候補の1社として当社にも見せてみませんか

この記事の4つを書いたメモがあれば、そのまま相談の材料になります。書き切れていない欄があれば、業務の棚卸しから一緒に埋めていきます。

この記事を書いた人

米山拓真

米山拓真

合同会社Writers-hub 代表社員

滋賀県立大学工学研究科の修士課程を修了後、大手制作会社の編集部を経て2019年にWebライターとして独立。2020年に記事制作を手順化した「ハブ式SEOライティングメソッド」を開発し、これまでに200人以上のライターを育成しました。2022年3月に合同会社Writers-hubを設立し、会社として累計8,000記事以上のSEO記事制作に携わっています。2024年にAIライティングシステム「一気通貫Pro」、2025年から書き手の文体を再現するAI編集者「Edico」を開発。このブログでは、クライアント案件と自社サイトで実際に試したことを書いています。

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