「スパムアップデートが始まった直後に順位が落ちたのだから、うちのサイトもスパムと判定されたのだろう」。Googleの発表から数日のうちに順位が下がると、発表が原因のように見えるため、そう考えがちです。ところが、スパムアップデートには開始日と完了日があり、順位が落ち始めた日が開始日から完了日までに入るかをまず確かめる必要があります。期間に入っていても、落ちたページがスパムポリシーのどの項目にも当たらないなら、同じ時期に動いたコアアップデートの影響かもしれません。
本記事では、スパムアップデートの中身と過去の実施日から、Search Consoleの順位の推移とGoogleのダッシュボードの日付の見比べ方、影響が疑われるときの見直し方まで、記事制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- スパムアップデートは、Googleのスパム検出システムが大きく改善されたときに告知される
- 2026年は3月、6月、8月、9月の4回実施され、完了までの期間は19時間30分から13日あまりまで開きがある
- 影響を疑う手がかりは、順位が落ち始めた日がGoogleのダッシュボードの開始日から完了日までに入るかどうか
- コアアップデートと時期が重なったときは、落ちたページがスパムポリシーの項目に当たるかを手がかりに考える
- リンクスパムアップデートで消えたリンクの効果は、サイトを直しても戻らない
スパムアップデートとは
スパムアップデートとは、検索スパムを見つけるGoogleの自動システムが大きく改善されたときに、Googleが告知する更新です。スパムを見つける自動システムは常に動いていて、スパムアップデートはランキングの更新の履歴に載ります。自動システムの1つに、AIをもとにしたスパム防止システムのSpamBrainがあり、Googleは新しい種類のスパムも見つけられるよう随時改善しています。
スパムポリシーに違反しているサイトは、順位が下がるか、検索結果にまったく表示されなくなることがあります。
(参考:Google 検索のスパム アップデートとお客様のサイト(Google 検索セントラル))

コアアップデートとの違い
コアアップデートとスパムアップデートは、順位が下がった後に自社サイトで確かめることが違います。コアアップデートは、Googleが年に数回、検索のアルゴリズムとシステムに加える大規模な変更で、特定のサイトや個々のページを対象にしたものではありません。コアアップデートで順位が下がっても、ほかのページの評価が上がっただけで、下がったページが悪いとは限りません。
スパムアップデートの後に順位が下がったときは、スパムポリシーを読み、自社サイトがポリシーに沿っているかを確かめる必要があります。コアアップデートで順位が落ちたときの確かめ方は、コアアップデートの仕組みと影響にまとめています。
リンクスパムアップデートとの違い
リンクスパムアップデートは、スパムアップデートのうち、リンクスパムへの対処に絞った更新です。リンクスパムとは、検索順位を操作することを主な目的に、サイトへのリンクやサイトからのリンクを作ることを指し、リンクの売買や過剰な相互リンクがこれに当たります。スパムのリンクで上がっていた順位は、Googleのシステムがリンクの効果を取り除くと失われ、サイトを直しても戻りません。
スパムアップデートの過去の実施日
スパムアップデートの過去の実施日は、Google検索ステータスダッシュボードの「Ranking」の履歴で確かめられます。履歴には過去5年分が残り、2021年11月以降のスパムアップデートが、リンクスパムアップデートを含めて12回載っています。
開始日 | 完了までの期間 |
|---|---|
2026年9月24日 | 13日16時間 |
2026年8月18日 | 2日16時間 |
2026年6月24日 | 2日1時間 |
2026年3月24日 | 19時間30分 |
2025年8月26日 | 26日15時間 |
2024年12月19日 | 7日2時間 |
2024年6月20日 | 7日1時間 |
2024年3月5日 | 14日21時間 |
2023年10月4日 | 15日12時間 |
2022年12月14日(リンクスパムアップデート) | 29日 |
2022年10月19日 | 2日 |
2021年11月3日 | 8日1時間 |
(参考:Google 検索ステータス ダッシュボードのRankingの履歴(Google))
履歴の名前は「September 2026 spam update」のように英語で書かれ、開始日は米国太平洋時間です。2026年の4回は、世界中のすべての言語の検索が対象でした。日付のずれの扱いは、Googleの仕様変更の調べ方にまとめています。
完了までの期間は、19時間30分の回から29日の回まで開きがあります。期間が長い回ほど、順位が落ちた日がたまたま期間に入ることも増えるので、日付が重なっただけでは影響を受けたとは言えません。
スパムアップデートが始まったと知った翌日から、順位が下がっています。うちのサイトはスパムと判定されたのでしょうか?
編集部
日付が近いことは、確かめる理由にはなります。ただ、手がかりになるのは、下がり始めた日が完了日までの期間に入っているかと、下がったのがどのページかです。同じ週にコアアップデートが始まった回もあるので、ページまで見てから判断してください。
スパムアップデートの影響を確かめる手順
スパムアップデートの影響は、Search Consoleでクリック数や順位が落ち始めた日を控え、ダッシュボードの期間と重なるかを見てから、落ちたページを絞り込んで確かめます。

グラフを読むときは、平均掲載順位の値そのものより、クリック数とインプレッションの落ち方を先に見ます。サイトの成果を表すのは、クリック数とインプレッションの側だからです。手順は、次の4つです。
Search Consoleの検索パフォーマンスを開き、期間を過去3か月にして、クリック数とインプレッションのグラフを表示します。線が下がり始めた日を控えます。下がった日がはっきりしないときは、期間を過去16か月に広げ、前の年の同じ時期にも下がっていないかを見ます。
ダッシュボードの「Ranking」の履歴で、名前に「spam update」が入った行を探し、開始日と期間を見ます。控えた日が、開始日から完了日までの間に入っているかを確かめます。Search Consoleの日別のデータとダッシュボードの日付は、どちらも米国太平洋時間なので、表示された日付どおりに比べます。入っていなければ、サーバーの不具合や季節による検索数の変化など、スパムアップデート以外の原因を先に調べます。
コアアップデートの確認でGoogleが案内している方法を参考に、完了日から1週間たったら、日付フィルタの「比較」で、開始日の前の1週間と、完了日の後の1週間を並べます。「ページ」の表で「クリック数の違い」を選ぶと、クリック数が大きく減ったページから順に並びます。サイト全体が減ったのか、一部のディレクトリのページだけが減ったのかを見ます。
Search Consoleの「手動による対策」レポートを開き、対策が出ていないかを確かめます。対策が出ていれば、影響を受けたページのパターンと問題の種類が表示されます。
コアアップデートと重なった時期の見分け方
スパムアップデートとコアアップデートが近い時期に動いた回は、日付だけではどちらの影響かを見分けられないため、落ちたページの作りをスパムポリシーの項目と見比べます。
コアアップデートと重なった4回
ダッシュボードの履歴で、スパムアップデートとコアアップデートの開始日が1週間以内に並んだのは、次の4回です。
- 2023年10月:スパムアップデートが4日、コアアップデートが5日に開始
- 2024年3月:スパムアップデートとコアアップデートが同じ5日に開始
- 2024年12月:コアアップデートが12日、スパムアップデートが19日に開始
- 2026年3月:スパムアップデートが24日、コアアップデートが27日に開始
2024年3月のコアアップデートは完了まで45日かかり、同じ日に始まったスパムアップデートの期間をすべて含んでいます。2024年3月に順位が落ちたサイトは、落ちた日からはどちらの影響かを決められません。

落ちたページとスパムポリシーの見比べ
スパムアップデートはスパムポリシーに違反するページを見つける仕組みの改善なので、落ちたページにポリシーの項目に当たる作りがあれば、スパムアップデートの影響を先に疑います。落ちたページの特徴と、見比べるポリシーの項目は次の7つです。
落ちたページの特徴 | 見比べるポリシーの項目 |
|---|---|
外部の書き手が作った記事を、自社サイトの評価を借りて上位に出す目的で載せている | サイトの評判に関するポリシー |
地域名や商品名だけを差し替えた、中身の薄いページを大量に作っている | 大量生成されたコンテンツの不正使用、誘導ページの不正使用 |
ほかのサイトの文章を、語句を言い換えただけで載せている | スクレイピング |
期限切れのドメインを買い、前の運営者と関係のない価値の低い内容を載せている | 期限切れのドメインの不正使用 |
作った覚えのないページが、検索結果に出ている | ハッキングされたコンテンツ |
販売元の商品説明を写しただけのアフィリエイトのページを載せている | 内容の薄いアフィリエイト サイト |
順位を上げる目的で、被リンクを買ったり相互リンクを大量に交わしたりしている | リンクスパム |
(参考:Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー(Google 検索セントラル))
表のどれにも当たらず、サイト全体のページが少しずつ落ちているなら、コアアップデートの側から確かめます。技術的な不具合やサイトの移転、季節による検索数の変化も、並べて確かめます。各項目の手口と判定の基準は、SEOスパムの種類と判定基準にまとめています。
落ちたページがポリシーのどの項目に近いか、迷っていませんか
クリック数が大きく減ったページのURLを、相談フォームに書いてください。ご相談は無料で、オンラインで30分程度です。
影響が疑われるときの見直し方
スパムアップデートの影響が疑われるときは、落ちたページのうち、スパムポリシーの項目に当たるページを直すか、検索結果から外します。ポリシーに沿うようにサイトを直しても、Googleの自動システムがサイトのポリシー遵守を学習するまで、数か月かかることがあります。その後に、順位が改善する可能性があります。ただし、スパムのリンクで上がっていた分は戻りません。
見直すときに守ることは、次の3つです。
- 手動による対策が出ていれば、影響を受けたすべてのページを直してから、レポートで審査をリクエストする
- 2位から4位のように少し下がっただけのページは、作り変えない
- 作った覚えのないページがあれば、ハッキングを疑い、Search Consoleの「セキュリティの問題」レポートも開く
手動による対策は、一部のページだけを直しても検索結果が変わらないため、すべてのページを直してから審査をリクエストします。少し下がっただけのページを作り変えないのは、順位の小さな増減は常に起こり、手を加えなくても戻ることがあるからです。
スパムアップデートのよくある質問
スパムアップデートのよくある質問は、次の3つです。
アップデートのたびに対応は要る?
順位やクリック数が動いていなければ、スパムアップデートのたびに対応する必要はありません。更新を見逃したくないなら、ダッシュボードのRSSフィードに登録すると、載ったときに知らせが届きます。
AIで書いた記事も対象になる?
AIで書いたかどうかは、スパムかどうかの基準ではありません。スパムポリシーの「大量生成されたコンテンツの不正使用」は、作り方を問わず、読む人にほとんど価値のないページを、検索順位を操作する目的で大量に作ることを指します。
手動による対策が無ければ影響は無い?
手動による対策のレポートに何も出ていなくても、スパムアップデートの影響が無いとは限りません。手動による対策は、Googleの担当者がページを目視で審査して行う対策で、レポートに出るのはその場合だけです。自動で検出されたページについて個別の知らせが届くかは、公式には確認できていません。落ちた日がスパムアップデートの期間と重なっていれば、レポートが空でも、落ちたページをスパムポリシーと見比べます。
まとめ|スパムアップデートの影響は日付と落ちたページで見分ける
スパムアップデートは、Googleのスパム検出システムが大きく改善されたときに告知される更新です。自社サイトが影響を受けた可能性は、Search Consoleで落ち始めた日がダッシュボードの期間に入るかで確かめます。期間に入り、落ちたページがスパムポリシーの項目に当たるときに、直す作業へ進みます。
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