「スモールキーワードは月の検索数が1,000回より少ない語なので、ツールで数字を見れば見分けられる」。キーワードツールは1語ごとに検索数を数字で示すため、数字で線を引けば3つに分けられると思われがちです。ところが、スモールキーワードとして狙えるかを決めるのは、検索数の小ささより、検索した人の目的が1つに絞れるかどうかです。目的が1つに絞れる語は1本の記事で答え切れるため、記事の少ないサイトでも、ビッグキーワードより先に上位を狙えることがあります。
本記事では、スモールキーワードの意味から、検索数の数字に頼らない見分け方、先に狙う場面と順番まで、累計8,000記事以上を制作してきた制作会社の視点で順を追ってお伝えします。
- スモールキーワードは、検索数が少なく、検索した人の目的が具体的なキーワードを指す
- 検索数の区切りに公式の定義はなく、ツールの数字も概数なので、数字だけでは見分けられない
- 目的を1文で書けるか、上位10件が同じ問いに答えているか、自社の1ページで答え切れるかで見分ける
- 記事の少ないサイトは、自社のサービスに近いスモールキーワードから先に狙う価値がある
スモールキーワードとは
スモールキーワードとは、検索される回数が少なく、検索した人の目的が具体的なキーワードのことです。スモールワードと呼ばれることもあります。「SEO」のような1語に「記事」「外注」「費用」と語を足していくと、検索される回数は減り、検索した人が知りたいことは1つに絞られていきます。
「SEO」で検索した人が、意味を知りたいのか、やり方を知りたいのか、依頼先を探しているのかは分かりません。「SEO 記事 外注 費用」で検索した人は、SEOの記事を外注したときの費用を知りたい人だと、検索した語から読み取れます。スモールキーワードの価値は、検索数の少なさより目的の具体さにあります。

ビッグキーワード・ミドルキーワードとの違い
ビッグキーワード・ミドルキーワード・スモールキーワードは、検索される回数の多さでキーワードを3つに分けた呼び方です。実務で意味があるのは回数の差よりも、検索した人の目的の広さと、1本の記事で答え切れるかの差です。
ビッグキーワード | ミドルキーワード | スモールキーワード | |
|---|---|---|---|
月の検索数の目安 | 1万回以上 | 1,000〜1万回 | 1,000回未満 |
語の数の例 | 1語 | 2語 | 3語以上 |
検索した人の目的 | いくつにも分かれる | いくつかに分かれる | 1つに絞られる |
1本の記事で答え切れるか | 答え切れないことが多い | 答え切れることもある | 答え切れる |
※ 検索数の区切りは一般に言われる目安で、公式の定義はありません。
ロングテールキーワードとの違い
ロングテールキーワードも、検索数が少なく目的が具体的なキーワードを指し、スモールキーワードとほぼ同じ語を指す言葉として使われます。違うのは呼び名の由来です。スモールは検索数の大きさで分けた呼び名で、ロングテールは、キーワードを検索数の多い順に並べたグラフで、低く長く続く部分から来た呼び名です。
検索数の目安だけで見分けにくい3つの理由
スモールキーワードを検索数の目安だけで見分けにくいのは、区切りの数字にも、ツールが示す数字にも、決まった基準がないためです。目的の広さが検索数に表れないことも、理由の1つになります。
区切りの数字に定義がないから
月1,000回未満という区切りは、一般に言われる目安です。扱う人の少ない業界では、テーマの中で最も検索される語でも、月1,000回に届かないことがあります。検索数の少ない業界で1,000回の線を当てはめると、すべての語がスモールキーワードになり、分ける意味がなくなります。
ツールの検索数は概数だから
キーワードツールが示す検索数は、ツールごとに求め方が違う概数です。Googleのキーワードプランナーも、検索ボリュームのデータは概数で、既定では12か月間の平均を示します。ほかのツールは独自の方法で検索数を推定しているため、1,000回の前後の語は、ツールを替えるとミドルキーワードにもスモールキーワードにも分かれることがあります。
(参考:キーワード プランナーの予測について(Google 広告 ヘルプ))
検索数が少なくても目的の広い語があるから
検索数が少ないことと、検索した人の目的が具体的であることは、同じではありません。扱う人の少ない業界の製品名や専門用語は、1語でも検索数が少なくなります。製品名の1語で検索する人には、仕組みを知りたい人、価格を知りたい人、扱う会社を探している人が混ざるため、記事1本では全員に答えられません。
検索数が少なくても目的の広い語は、語を足して目的を絞ってから狙います。
月の検索数が50回の語なら、スモールキーワードと考えてよいですよね?
編集部
月50回なら、検索数は小さいほうです。ただ、スモールキーワードとして1本の記事で狙えるかは、検索した人の目的を1文で書けるかで決まります。業界の専門用語の1語なら、検索数が少なくても目的が分かれていることがあるので、次の3つの確認をしてから決めてください。
スモールキーワードを見分ける3つの確認
スモールキーワードかどうかは、検索数を見る前に、次の3つの確認を順に行って見分けます。3つとも当てはまる語は、スモールキーワードとして1本の記事で狙えます。

確認に使うのは、キーワードの一覧と、そのキーワードの検索結果だけで、検索数のデータは使いません。
キーワードごとに、検索した人が何を知りたいか、何をしたいかを「〜を知りたい人」の形で1文に書きます。「SEO 記事 外注 費用」なら「SEOの記事を外注したときの費用を知りたい人」と1文で書けます。1文に決まらず、2つ以上の文が並ぶ語は、目的が分かれています。
キーワードを実際に検索し、上位10件のページが何の問いに答えているかを見ます。10件が同じ問いに答え、記事なら記事、商品ページなら商品ページと種類もそろっていれば、目的は1つに絞られています。用語の解説、通販の商品ページ、会社の一覧が混ざる語は、検索した人の目的が分かれています。
上位10件が答えている問いに、自社の1本の記事か1つのサービスページで答え切れるかを決めます。上位の答えが自社の扱わない商品や地域のものなら、目的が具体的でも自社のページは答えにならないため、狙う語から外します。
見落とされがちなのが、上位10件を見ると、並んでいるサイトの種類も分かる点です。検索数が少ない語でも、上位10件を官公庁や大手メディアのページが占めていれば、記事の少ないサイトは上位に入りにくくなります。上位に並ぶサイトから難易度を読む方法は、SEOのビッグキーワードは上位の顔ぶれで難易度が決まるで紹介しています。
スモールキーワードを先に狙う価値がある場面
スモールキーワードをビッグキーワードより先に狙う価値があるのは、記事が少なく、まだ上位に入っている語がほとんどないサイトです。スモールキーワードは目的が1つに絞られているため、上位10件と同じ問いに1本の記事で答え切れば、サイトの記事が少なくても上位に並ぶ見込みがあります。
ビッグキーワードは目的が分かれているため記事1本では答え切れず、関連する記事をそろえたサイトのページが上位に並ぶと見ています。スモールキーワードの記事が検索結果に表示され始めると、Search Consoleで記事が表示された検索語句を見られるようになり、次に書く語を決める材料も手に入ります。
スモールキーワードの中でも、先に狙う価値がある語と、先に狙っても問い合わせにつながりにくい語は、それぞれ次の3つです。
- 自社のサービスを探す人が検索する語
- 自社が解決できる悩みを持つ人が検索する語
- いずれ狙うビッグキーワードに語を足してできた語
- 自社のサービスと関係のない悩みや知識の語
- 上位10件を官公庁や大手メディアのページが占める語
- 目的が1つに絞れず、記事1本で答え切れない語
来る人が少なくても、自社のサービスを探す人が検索する語なら、来た人には問い合わせる理由があります。検索数の少なさは、先に狙わない理由にはなりません。
手元のキーワードの一覧、どれから書くか分けられていますか
相談フォームに、サイトのURLと、狙っているキーワードの一覧を書いてください。ご相談は無料で、オンラインで30分程度です。
スモールキーワードを狙う順番の決め方
スモールキーワードを狙うときは、自社のサービスに近い語から書き始め、上位に入った記事の検索データを見て次の語を決めます。サービスに近い語を先にするのは、サービスを探す語で来る人が、問い合わせる先を探している本人だからです。問い合わせへの近さの分け方は、検索ボリュームの見方と使い方で紹介しています。

書き始めた後は、次の3つの手順を繰り返します。
自社のサービスを探す人や、自社が解決できる悩みを持つ人が検索するスモールキーワードから、記事を書いて公開します。
記事が検索結果に表示され始めたら、Search Consoleの検索パフォーマンスで、記事のURLと期間を指定して、表示された検索語句と、その期間の平均掲載順位を見ます。一部の検索語句は表示されません。狙っていない検索語句が表示されていれば、次に書く語の候補に加えます。
表示回数があるのに平均掲載順位が低い語は、今の記事がその語の問いに答え切れていないことがあります。記事の中で答えていない問いなら新しい記事を書き、答えている問いなら今の記事に書き足します。
スモールキーワードの記事がそろってから、語を減らしたミドルキーワードやビッグキーワードのページへ進みます。ビッグキーワードを取りに行くまでの進め方は、SEOのビッグワードは記事1本では取れないで紹介しています。
スモールキーワードのよくある質問
スモールキーワードについて、よくある3つの質問に答えます。
スモールワードと同じ意味?
スモールワードとスモールキーワードは、同じ意味で使われます。
スモールキーワードの探し方は?
スモールキーワードは、狙いたい語に語を足した候補を集めて探します。Google検索の入力欄に出る候補や、Search Consoleの検索クエリ、問い合わせで出た質問などから集め、本記事の3つの確認で絞り込みます。候補の集め方は、ロングテールキーワードとは?探し方と記事にする前の絞り込み方で紹介しています。
1本の記事で複数のスモールキーワードを狙える?
上位10件に同じページが多く並ぶスモールキーワードどうしは、検索した人が同じ答えを求めている語なので、1本の記事で狙えます。上位10件がほとんど重ならない語は、目的が違うので記事を分けます。まとめるかを決める目安は、ロングテールSEOとは?記事にするキーワードを上位URLの重なりで絞るで紹介しています。
まとめ|スモールキーワードは目的の具体さで見分ける
スモールキーワードは、検索数が少なく、検索した人の目的が具体的なキーワードです。検索数の区切りに公式の定義はなく、ツールの数字も概数なので、見分けるときは検索数より先に、検索した人の目的を1文で書けるかを確かめます。
記事の少ないサイトは、自社のサービスに近いスモールキーワードから書き始め、上位に入った記事の検索語句から次に書く語を決めます。サービスを探す人の語なら、ビッグキーワードより先に狙う価値があると言えます。
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